先週、4年ぶりに阪神競馬場で行われ

ました秋華賞トライアル ローズステークス

は7番人気のマスクトディーヴァが直線で

一気に抜け出し、JRAレコードで重賞

初制覇を飾りました。

2着には1番人気のブレイディヴェーグ、

3着には5番人気のマラキナイアが入り

以上3頭が秋華賞の優先出走権を獲得

しました。

私が応援していた2番人気のラヴェルは

残念ながら14着に敗れました。

今週は、中山競馬場で伝統の第69回

オールカマーが行われます。

産経賞オールカマーは、出走馬に広く

門戸を開けたレースとして1955年に

創設されました。

1986年から1994年までは「地方競馬

招待競走」として行われていて指定交流

競走が広く行われるようになるまでは中央

競馬では数少ない地方競馬所属馬も

出走できるレースでした。

昭和期において、どこからでも何でも参加

して来いとするサンケイオールカマー競走

ということで、毎年どんな馬が参戦して来る

のか、楽しみにしていました。

 

思い出のレースは、地方競馬招待競走

として行われ、東海代表として招待された

東海の星、芦毛のヒーロージュサブローが

勝った昭和61年第32回サンケイオール

カマーです。

ジュサブローという名は、当時競走名

としては珍しい名前だと思って印象に

残っています。

ジュサブローは地方競馬の名古屋競馬の

出身で、父は昭和期を代表するステイヤー

種牡馬のシーホークで旧馬齢3歳の

名古屋でデビューし、新馬戦には敗れ

ましたが、3戦目で勝ち上がりました。

4歳時になったジュサブローは5勝を

あげるも、まだ目立つ存在ではありません

でした。

ジュサブローが本格化したのは5歳の

古馬になってからで2月から淡竹の

7連勝を飾り、ついに東海公営競馬の

頂点に立ちました。

当時オールカマーは地方馬にとっては

滅多にない中央の馬に挑戦する機会

でもありました。

またこのレースはジャパンカップの地方

競馬代表決定戦にもなっていて、前年度の

ジャパンカップでは公営の星ロッキー

タイガーが中央の一流馬や外国招待馬を

相手にシンボリルドルフの2着に入る活躍

を見せたことから、ハイセイコー以来となる

地方馬に注目が集まりました。

この年、東海からはジュサブローが招待

され、南関東公営競馬からはテツノカチドキ

カウンテスアップ、ガルダンという南関東の

最強クラスがこぞって出走することになり

ました。

この地方からの出走馬に比べ、この年の

中央からの出走馬は目黒記念馬ビンゴ

チムール、鳴尾記念を勝ったロンスパーク

準オープンのシンボリカール、ラウンド

ボウル等でしたが、例年に比べ小粒の

メンバーであることは否めませんでした。

そのためか5頭の地方所属の招待馬の内

4頭が5番人気までに入るという異例の

状況になりました。

1番人気には地方競馬のテツノカチドキが

推され、ジュサブローは5番人気でレースに

挑みました。

 

レースは逃げ馬が不在の中、カウンテス

アップがスローペースで逃げ、2番手には

カンテツオー、その直後にスーパーグラ

サードとラウンドボウルが続き、

ジュサブローは5番手、中団にはテツノ

カチドキがいて、中央勢のシンボリカール

ビンゴチムール、ロンスパークは後方から

という展開でレースが進みました。

第3コーナーで早くも仕掛け、勝負に出た

ジュサブローは第4コーナーでカウンテス

アップに並びかけると、直線では一気に

伸びて差を広げ、スタンドからの大歓声

の中、中央のラウンドボウルに3馬身半差

をつけて圧勝。

本当に強い勝ち方で、見事な勝利でした。

1番人気のテツノカチドキは直線で追い

込んで来たものの、3着に敗れました。

東海の希望と言われたジュサブロー、

オールカマーで中央や南関東の最強馬達

を蹴散らして勝利し、ここに芦毛のヒーロー

ジュサブローが誕生しました。

今週は、中山競馬場で伝統の第69回

産経賞オールカマーが行われます。

文句なしの実力馬タイトルホルダー

好調なローシャムパーク、巻き返しを図る

ノースブリッジ、ジェラルディーナに注目

しています。

特にタイトルホルダーは異変を感じた

場合には即座に出走や競走を中止して

欲しいと思います。

今週も全馬の無事を祈りながらレースを

観ます。