先週、新潟競馬場で行われました夏の
新潟競馬のフィナーレを飾る第59回
新潟記念は日本ダービー5着の2番人気
ノッキングポイントが直線で抜け出して
勝ち、重賞初制覇を果たしました。
2着には8歳馬で7番人気のユーキャン
スマイル、3着には10番人気のインプレス
が入り、1番人気のサリエラは7着に敗れ
ました。
夏競馬が終了し、今週からはいよいよ舞台
を中央に移して秋競馬がスタートします。
今週は中山競馬場で第68回京成杯
オータムハンデキャップが行われます。
京成杯オータムハンデキャップは1956年
に創設された4歳(現3歳)以上の競走馬
による重賞競走で、競走名は創設当初は
オータムハンデキャップでしたが1959年
より京王杯オータムハンデキャップに
改称され、更に1998年からは京成杯
オータムハンデキャップに改称されて
現在に至っています。
昭和期においては、関東での古馬戦線で
の秋初戦の重賞レースというイメージが
強かったのですが、1998年からは名称も
変更になり、距離も1984年からは
1,600mに変わる等、現在ではマイル
戦線での秋初戦のレースという位置づけ
になっています。
思い出のレースは、華麗なる姉妹として
優駿牝馬(オークス)を制したナスノチグサ
が優勝した、まだ旧名称だった昭和50年
第20回京王杯オータムハンデキャップ
です。
ナスノチグサの父パーソロンは昭和期を
代表する万能型種牡馬で数多くの優駿を
この世に誕生させてくれました。
そして姉には、昭和46年の桜花賞馬
ナスノカオリがいます。
ナスノチグサは怪物ハイセイコーブームで
沸いた昭和48年のクラシック組で同期
には牝馬クラシック二冠馬ニットウチドリや
レデースポート、キシュウローレル、
ケイリュウシンゲキ等がいます。
ナスノチグサは旧馬齢3歳の東京で
デビューすると新馬戦圧勝、続くオープン
競走も勝って連勝し、その後も府中3歳Sを
レコードタイムで勝つ等、3歳シーズンを
7戦5勝2着2回という好成績で終え、一躍
牝馬クラシック候補に躍り出ました。
しかし、気性面の関係から桜花賞に
は向かわず、目標をオークス1本に切り
替え、この判断が功を奏し、桜花賞馬
ニットウチドリやレデースポートをやぶって
優勝し、樫の女王に輝きました。
人気を分け合う形となりました。
そして、オークスで10着に敗れた姉ナスノ
カオリの雪辱を見事に果たしました。
秋に入り、当時の牝馬クラシック三冠目の
ビクトリアCに挑みましたが、ニットウチドリ
の巻き返しにあって、2着に敗れてしまい
ました。
牝馬クラシック戦線では主役だったナスノ
チグサでしたが、当時まだ牝馬路線などの
レース体系の整備がされていなかったため
古馬になってからの牡馬との混合レース
では苦戦を強いられ、低迷が続きました。
しかし、陣営がローカル路線に切り替えて
挑んだ新潟記念で1年3ヶ月ぶり、それも
レコードタイムでの優勝という、まるで
今までのうっぷんを晴らすかのような
見事な勝利でした。
しかし、その後も牡馬との重賞レースでは
善戦するも勝つまでには至りませんでした。
年が明けて6歳になったナスノチグサは、
現役を続行し、前年同様に春シーズンは
不振でしたが、安田記念を3着とし、夏の
関屋記念、新潟記念を続けて3着になる等
ようやく復調の兆しを見せ、秋初戦の
当時の京王杯AHに挑みました。
このレースには天皇賞馬イチフジイサミや
前年の覇者超音速スガノホマレ、快速馬
ファイブワン、牝馬クラシック二冠馬トウコウ
エルザ等が、個性あふれる実力馬が顔を
揃えました。
レースはブルームーンが逃げ、そのうしろ
からファイブワン、ミホノフォードが続き、
スガノホマレ、ナスノチグサは中団、
イチフジイサミ、トウコウエルザは後方から
という展開でレースが進みました。
直線に入って、逃げ粘るブルームーンを
ファイブワンが内から伸びて交わし、
その後からナスノチグサ、トウコウエルザ、
スガノホマレが追い込んで大接戦となり
ましたが、最後はナスノチグサとトウコウ
エルザの新旧オークス馬対決となって
叩き合いを演じ、最後は首差という接戦で
ナスノチグサが先輩優駿牝馬(オークス)
としての意地を見せ、優勝を飾りました。
しかし、この勝利がナスノチグサにとっての
現役最後の勝利となりました。
この年の暮れの有馬記念12着を最後に
引退し、生まれ故郷の那須野牧場に帰り、
繁殖牝馬となりました。
繁殖生活を終えた後は、母のナスノホシ、
姉のナスノカオリと共に那須野牧場で
余生を送っていましたが、2001年3月5日
老衰のため31年の生涯を終え、母ナスノ
ホシ、姉ナスノカオリが待つ天国へと
旅立って行きました。
今週は、中山競馬場で秋競馬の重賞初戦
第68回京成杯AHが行われます。
良血ラインベック、実力馬ソウルラッシュ
巻き返しを図るインダストリア、ウイン
グレイテストに注目しています。
今週も全馬の無事を祈りながらレースを
観ます。


