先週、新潟競馬場で行われました第58回

関屋記念は、4番人気のアヴェラーレが

直線で馬群を割って鋭く抜け出して優勝。

重賞初制覇を果たしました。

2着には2番人気のディヴィーナ、3着には

6番人気のアパパネの仔ラインベックが

入り、1番人気のララクリスティーヌは

9着に敗れました。

また先週突然、昨年の菊花賞馬アスク

ビクターモアが熱中症による多臓器不全で

亡くなったとの訃報が入り、ただただ驚く

ばかりで未だに信じられません。

秋には元気な姿を見せてくれると思って

いただけに、とても残念です。

どうか天国でゆっくり休んで欲しいと祈る

ばかりです。

そして、近年の気候は異常です。

アスクビクターモアの死を無駄にすること

なく、今後対策を講じて欲しいと思います。

 

今週は、札幌競馬場で秋競馬を占う上でも

重要な夏の大一番、伝統の第59回

札幌記念が行われます。

札幌記念は1965年に旧4歳(現3歳)以上

の馬による重賞競走として創設され、

札幌競馬場で施行する最も歴史が古い

重賞競走です。

また札幌競馬場は寒冷地のため、

昭和期は芝コースが設置されておらず、

左回りや右回りのダートで施行されて

いましたが、1990年から右回り芝コース

での施行に変更され現在に至っています。

昭和期においてダートコースで行われて

いた時代の札幌記念は、中央競馬の

ダート重賞自体が少なかったため、貴重な

存在となっていました。

1997年からは夏季競馬開催では唯一

となるGⅡに格上げされ、格上げ後は、

開催時期の関係から夏季に開催される

数少ない定量戦であることや賞金の高さ

から、過去にトウショウボーイやクライム

カイザー等、GⅠを優勝している馬や

後にGⅠを勝利する馬が出走するなど、

毎年、豪華なメンバーが出走することと

GⅡとしては高額に設定された賞金

から、スーパーGⅡとも呼ばれています。

 

思い出のレースは、北の大地で活躍し、

海外にも参戦したツキサムホマレが勝った

昭和50年第11回札幌記念です。

ツキサムホマレは、史上最強の世代と

言われた花の昭和47組で父は歴代

最強馬とも言われるタケシバオーや

怪物ハイセイコー、アカネテンリュウ等、

数多くの名馬達を輩出した昭和の

名種牡馬チャイナロックです。

500キロを超す大型の栗毛馬として誕生

したツキサムホマレは旧馬齢の3歳の時、

函館でデビューしたものの、惜敗が続き、

4戦目でようやく未勝利を勝つことが

できました。

その後も惨敗や惜敗を続けたため、

4歳のクラシック路線に乗ることは

出来ませんでした。

5歳古馬になってからもなかなか勝ち

切れないレースが続きましたが、6歳に

なると徐々に成績が安定し、条件特別戦を

3勝し、その勢いのままに函館記念を

制して重賞初制覇を果たしました。

7歳になったツキサムホマレは年齢による

衰えどころか更に充実して本格化しました。

春の天皇賞では、イチフジイサミの7着に

敗れたものの、京都でのオープン特別を

勝って相性の良い北海道に遠征し、

札幌記念に参戦しました。

このレースには地方から鳴り物入りで

中央入りしたサンチャイナや後の

天皇賞馬エリモジョージ、快速馬ユウシオ

ケイリュウシンゲキ等、個性あふれる馬達が

出走しました。

レースはスタートから快速馬ケイリュウ

シンゲキが軽快に逃げ、その後ろから

ラッキーオイチとユウシオが続き、人気の

サンチャイナとツキサムホマレは中団から

という展開で進みました。

第3コーナーでツキサムホマレが仕掛けて

2番手に上がり、直線に入ると末脚を

伸ばして一気に先頭に立って他馬を突き

放し、追い込んで来たサンチャイナに

3馬身差をつけてレコードタイムで優勝を

飾りました。

その後も勢いは衰えず次の大雪Hを

制して連勝、そして連覇を目指して

出走した函館記念では60キロのハンデを

物ともせずに重賞レースの常連イナボレス

やシンザンの娘ウラカワチェリーを

やぶって見事連覇を果たしました。

まさにこの時がツキサムホマレにとっての

遅ればせながらの絶頂期だったと思います。

 

今週は夏の大一番第59回札幌記念が

行われます。

復活をかけるダービー馬シャフリヤール

連覇を目指すジャックドール、海外帰りの

ダノンベルーガ、巻き返しを図るマテンロウ

レオに注目しています。

今週も全馬の無事を祈りながらレースを

観ます。