先週、東京競馬場で行われました春の
古馬牝馬マイル王決定戦、第18回
ヴィクトリアマイルは4番人気のソング
ラインが直線で内をついて鋭く伸び
ゴール前でソダシを差し切って優勝。
2着には3番人気で昨年の覇者のソダシが
入り、1番人気に推された牝馬クラシック
二冠馬スターズオンアースは、直線で
伸びきれず3着に敗れました。
また土曜日に行われました第68回
京王杯スプリングカップは2番人気の
レッドモンレーヴが直線で外から鮮やかに
差し切って優勝。
昨年3月に開業した蛯名正調教師は重賞
初制覇を飾りました。
2着には7番人気のウインマーベル、
3着には6番人気のダディーズビビッドが
入り、1番人気のダノンスコーピオンは
11着に敗退しました。
今週は、東京競馬場で牝馬クラシック
第二冠目、第84回優秀牝馬(オークス)が
行われます。
優駿牝馬(オークス)は、1938年にイギリス
のオークスステークスを範として、4歳
(現3歳)牝馬限定の阪神優駿牝馬競走
として創設され、皐月賞、東京優駿(日本
ダービー)、菊花賞、桜花賞とともに日本の
クラシック競走のひとつとされています。
創設当初、桜花賞は最もスピードのある
繁殖牝馬の検定競走とされたのに対し、
優駿牝馬(オークス)はスピードとスタミナを
兼ね備えた繁殖牝馬を選定するための
レースとされました。
施行場も1946年阪神競馬場から東京
競馬場に変更され、その際に名称も
優駿牝馬に改称され、1965年からは
オークスの副称が付けられ、現在に至って
います。
また、日本では優駿牝馬(オークス)の
優勝馬を樫の女王という通称で呼ぶことも
あります。
思い出の馬は、昭和52年牝馬三強時代を
形成した幻のダービー馬女傑リニアクイン
です。
リニアクインは、外車、スーパーカーの
の異名をとったマルゼンスキーの出現で
盛り上がった昭和52年のクラシック組で
同期には、牝馬クラシック二冠馬インター
グロリアやアイノクレスピン、メイワキミコ、
ダイワテスコ、セーヌスポート等がいます。
リニアクインの父はダービー馬ロング
エースやロングホーク等を輩出した昭和の
万能系種牡馬ハードリドンです。
リニアクインは遅ればせながら旧馬齢4歳
の1月にデビューし、新馬戦を見事に快勝。
続く特別戦では2着に敗れましたが3戦目
の特別戦で優勝し、何とか桜花賞に駒を
進めることができました。
桜花賞はスタートして飛び出した悲劇の
快速馬キシュウローレルの妹メイショウ
ローレルが果敢に先行して逃げる展開と
なりましたが、直線に入って1番人気に
推されたインターグロリアが鋭く抜け出し
3馬身差をつけて圧勝。
8番人気だったリニアクインは後方から
レースを進めて直線で外から追い込んで
何とか3着に食い込みました。
その後、オークス制覇を目指して東上した
リニアクインは、当時のオークストライアル
競走サンケイスポーツ賞4歳牝馬特別
ではなく、牡馬との混合レースとなる4歳
中距離ステークスに参戦。
いつものように後方からレースを進めた
リニアクインは直線に入ると他馬を引き離し
2着に7馬身差をつけて圧勝劇を演じ
主役としてオークスに向かいました。
優駿牝馬(オークス)には桜花賞馬
インターグロリアをはじめ、トライアルの
優勝馬メイワロックや2着の良血馬アイノ
クレスピン、桜花賞2着馬ファインニッセイ
脚部不安で桜花賞の出走を取り消した
ダイワテスコ等の強豪が顔を揃えました。
オークストライアルで惨敗した桜花賞馬
インターグロリアは4番人気と人気を下げ、
代わりに4歳中距離ステークスを圧勝した
リニアクインが1番人気に推され、アイノ
クレスピンが2番人気となりました。
出走馬26頭が一斉にスタートすると、
まずは内枠を利して快速馬メイワキミコが
果敢に先行して逃げ、リニアクインとアイノ
クレスピンは中団、インターグロリアは後方
からという展開でレースが進みました。
第3コーナーから第4コーナーにさしかかる
ところでリニアクインとアイノクレスピンが
仕掛けて先頭集団に襲い掛かり、直線に
入るとリニアクインが一気に先頭に立つと
外からアイノクレスピンが必死に追い込み
ましたが、その差はなかなか縮まらず、
内からメイワロックも来ましたが、リニア
クインの勢いは止まらず、アイノクレス
ピンに3馬身差をつけて圧勝。
第38代樫の女王に輝きました。
走破タイムは優駿牝馬レコードタイム
となる2分28秒1で翌週に行われた
日本ダービーの決着タイム2分28秒7を
上回るものであったため、もしリニアクイン
がダービーに参戦していれば、クリフジや
ヒサトモに続く牝馬3頭目の優勝も出来た
のではと当時言われ、幻のダービー馬とも
呼ばれました。
そして無事に夏を越したリニアクインは
菊花賞を目指す牡馬達が出走する神戸
新聞杯に出走し、アイノクレスピンの2着に
敗れましたが、菊花賞を目指す牡馬達を
しり目にアイノクレスピンとリニアクインの
牝馬2頭によるワンツーとなり、この年の
牝馬の能力の高さを示す結果となりました。
その後京都牝馬特別では人気を裏切って
5着に敗れましたが、牝馬クラシック二冠目
制覇を目指し、当時のエリザベス女王杯に
挑みました。
前走での敗戦のためか、リニアクインは
2番人気となり、神戸新聞杯に優勝する等
3連勝中のアイノクレスピンが1番人気に
推され、京都牝馬特別3着で復調の兆しが
見える桜花賞馬インターグロリアが3番
人気となりました。
レースはアイノクレスピンとケイシルバーが
競り合う形で先行し、インターグロリアは
中団から、リニアクインは後方からという
展開になりました。
第3コーナーでリニアクインが仕掛け、直線
に入るとアイノクレスピンが先頭に立ち、
一番外からはリニアクインが追い込んで
2頭の争いかと思われましたが、天才
福永洋一騎手騎乗のインターグロリアが
好位から内を上手くついて抜け出して
優勝を飾り、桜花賞と共に牝馬クラシック
二冠を制しました。
リニアクインも必死に追い込みましたが
半馬身およばず2着に敗れました。
そして続く阪神牝馬特別でもインター
グロリアにまたしても及ばず3着に敗退
しました。
年が明けて古馬になったリニアクインは
金杯(西)に1番人気に推されて出走し
直線に入って内から鋭く抜け出して優勝、
オークス以来の勝利を挙げました。
しかし、次に参戦した京都記念では
天皇賞馬エリモジョージの5着に敗れて
しまいました。
そして、このレース直後にリニアクインは
繋靭帯炎を発症し、長期休養に入らざるを
得ませんでした。
関係者による長期に渡る必死の治療を
試みましたが、リニアクインが再びターフに
戻ってくることはありませんでした。
引退後、繁殖牝馬となったリニアクインは
10頭もの産駒を送り出しましたが、活躍馬
を出すには至りませんでした。
そして記録によりますと20歳の誕生日を
翌日に控えた1993年4月7日、
前日に牝馬を生んだリニアクインは母仔
とも健康で死の影はどこにもありません
でした。
次に出産を控えた牝馬のために産室を
出て別の馬房に移った時、リニアクインは
突然昏倒し、獣医を呼ぶ時間すらなく
動脈瘤破裂のため20年の生涯に突然
幕を下ろしてしまいました。
今週は東京競馬場で牝馬クラシックの
二冠目第84回優駿牝馬(オークス)が
行われます。
桜花賞で圧倒的な強さを見せたリバティ
アイランド、堅実なコナコースト、巻き返しを
図るソーダズリング、シンリョクカに注目
しています。
第84代樫の女王に輝くのは、どの馬か
今週も全馬の無事を祈りながらレースを
観ます。



