先週、中山競馬場で行われました
クラシック第1冠目、第83回皐月賞は
2番人気に推されたキャリア3戦目の
ソールオリエンスが直線で大外を回って
鋭く伸び、先に先頭に立ったタスティエーラ
を一気に交わして差し切り、無傷の3連勝
で第83代皐月賞馬に輝きました。
2着には4番人気のタスティエーラが入り
1番人気のファントムシーフは3着に敗れ
ました。
今週は、いよいよ2年4ヶ月ぶりにグランド
オープンされる京都競馬場で春のマイル
戦線を占う上で重要な第54回マイラーズ
カップが行われます。
マイラーズカップはマイル路線の拡充
および短距離系の馬にも活躍の場を
設けることを目的として、1970年に創設
され、GⅠ競走である安田記念や
ヴィクトリアマイルの前哨戦として位置
づけられていて、春の短距離路線を歩む
馬にとって重要なレースとなっています。
昭和期においては、まだレース体系が
現在ほど整っておらず、出走できるレース
も限られていたためか、歴代の優勝馬や
出走した馬にはクラシック優勝馬をはじめ
現在のGⅠ優勝馬等、名立たる名馬達の
名前が連なっています。
思い出のレースは、当時おもしろい馬名と
思った名脇役マチカネハチローが勝った
昭和49年第5回マイラーズカップです。
マチカネハチローは昭和48年クラシック組
で、同期にはハイセイコー、タケホープ
イチフジイサミ、ホウシュウエイト、ディクタ
ボーイ、クリオンワード等がいます。
マチカネハチローという馬名は当時の
私にとって、失礼ですが本当に変わった
馬名の馬だと思いました。
マチカネハチロー以外にも昭和期において
モンタサン、ニューキミノナハ、グッドキラ
メキ等がおもしろい馬名として印象に
残っています。
しかし、近年は馬名として本当にどうかと
思う馬名が多く見られ、馬名は馬主の特権
だから、どんな馬名を付けようが馬主の
勝手であると言っている馬主もいますが
私個人の意見としては、ふざけたような
馬名は馬に対して大変失礼だと思って
います。
現在のどうかと思う馬名に比べれば
マチカネハチローという馬名は今では
可愛らしく全然まともな馬名に思えます。
マチカネの冠名は新古今和歌集でも
歌われた待兼山からとっているそうで
当時からマチカネ軍団にはおもしろい馬名
の馬が多くいて、現在のおもしろい馬名の
先駆者かも知れません。
マチカネハチローは旧馬齢3歳の札幌で
今年引退した福永祐一騎手のお父さんで
天才福永洋一騎手を背にデビューし
新馬戦を快勝しました。
しかし、その後は勝ち星には恵まれず、
年が明けて4歳になって後の重賞勝ち馬
スカイリーダをやぶって特別競走に
勝ったものの、東上をかけた毎日杯では
ホウシュウエイトの3着に敗れ、春の
クラシックへの参戦はなりませんでした。
当時は今みたいに馬の情報がなかなか
わからず、競馬報知や競馬ブック等の雑誌
や競馬四季報で馬の状況を見ていました。
しかし、当時の競馬四季報では関西馬の
状況はオープン馬しか掲載していなかった
ため、マチカネハチローの存在をはっきり
知ったのは、ハイセイコーとタケホープが
競馬史上に残る名勝負を演じた菊花賞
でした。
天才福永洋一騎手を背に果敢に先行して
ハイセイコーをマークしながらレースを進め
第4コーナーでは積極的にハイセイコーに
並びかけていき、実況の杉本アナからも
「外から懸命にマチカネハチロー」と実況
されるほどで、結果は5着に敗れたものの
この時、初めてマチカネハチローという馬の
名前を覚えました。
しかし、その後、条件レースでは勝った
ものの、重賞競走ではなかなか勝つことは
出来ませんでした。
そして、5歳で古馬になってオープン競走に
勝ったマチカネハチローは鳴尾記念で
有馬記念馬ストロングエイの2着に入り
マイラーズカップに駒を進めました。
レースは快速馬ケイリュウシンゲキが逃げ
続いてケイスパーコが先行する中、
マチカネハチローは中団を進み、グット
キラメキとロッコーイチは後方からの
競馬となりました。
第4コーナーでアイテイエタンが仕掛ける中
徐々に上がっていったマチカネハチローは
直線に入ると鋭く伸びて、逃げ込みを図る
ケイリュウシンゲキをとらえて、先頭に立ち
追い込んできたロッコーイチやグット
キラメキをおさえて、見事1番人気に
応え、重賞初制覇を果たしました。
しかし、この勝利がマチカネハチローに
とっての最後の勝利ともなってしまい
ました。
今週は、いよいよグランドオープンされる
京都競馬場で第54回マイラーズカップが
行われます。
ガイアフォース、シュネルマイスター
ジャスティンスカイ、ソウルラッシュ
キングエルメスに注目しています。
今週も全馬の無事を祈りながらレースを
観ます。


