先週、阪神競馬場で行われました第67回

大阪杯は2番人気のジャックドールが

逃げる展開で始まり、直線に入っても

ジャックドールのスピードは衰えることなく

鮮やかな逃げ切りを決め、鋭い脚で追い

込んできスターズオンアースをハナ差

おさえ優勝、GⅠ初制覇を果たしました。

2着には猛追した1番人気のスターズオン

アース、3着には10番人気のダノンザ

キッドが入りました。

今週は、阪神競馬場で牝馬クラシック

第一冠目、桜の女王決定戦、第83回

桜花賞が行われます。

桜花賞は、1939年にイギリスの

「1000ギニー」を範として、最もスピード

のある優秀な牝馬の選定および優秀な

繁殖牝馬を発掘するためのレースとして

4歳(現3歳)牝馬限定の競走「中山四歳

牝馬特別」を創設し、東京優駿競走

阪神優駿牝馬(現優駿牝馬)・横浜農林省

賞典四歳呼馬(現皐月賞)・京都農林省

賞典四歳呼馬(現菊花賞)と共にクラシック

競走のひとつとされました。

1947年からは名称を桜花賞に変更して

京都競馬場で施行されましたが、1950年

からは阪神競馬場での施行が定着して

います。

私は昔から桜花賞が大好きで、今は桜の

満開の時期が早まってしまいましたが

毎年、春を告げる満開の桜の中で若い

乙女たちによる桜の女王を決める戦いは

華やかさと美しさとスピード感があって

毎年、いつも楽しみにしています。

 

思い出の馬は、栃栗毛に近い明るい

鹿毛の馬体を持ち、顔には流星があって

容姿美しく、韋駄天のごとく速く、後に

美少女の異名を持ったタマミです。

タマミは昭和45年のクラシック組で同期

には、牝馬ではハーバーゲイム、ジョセツ

牡馬ではダービー馬タニノムーティエや

アローエクスプレス、ダテテンリュウ、

メジロムサシ等がいます。

タマミは旧馬齢3歳の東京でデビューして

新馬戦に勝ったものの、その後は惜敗が

続きましたが、暮れの特別戦に優勝すると

素質が一気に開花し、年明け初戦の

4歳牝馬ステークスをレコードタイムで逃げ

切って2連勝を遂げると、続くクイーン

カップでも持ち前のスピードで2着馬を突き

放して5馬身差をつけて圧勝。

重賞初制覇を果たすと共に、関東の

クラシック候補として名乗りをあげました。

その後タマミは桜花賞を目指して西下し

桜花賞トライアル阪神牝馬特別も持ち前の

スピードで逃げ切って勝ち、桜花賞に

駒を進めました。

本番の桜花賞でもゲートが開いてスタート

が切られると、一気に先頭に立って逃げ

追走のタニノタマナーが執拗に絡んできた

ものの、持ち前の快速で華麗な逃げを

展開し、直線に入ると、他馬をさらに引き

離して独走状態となり、4馬身差をつけて

第30代桜の女王に輝きました。

このあまりの強さに続くオークスでも

圧倒的1番人気に推されましたが、距離

延長と不良馬場に脚を取られるなどした

ため、14着と大敗してしまいました。

夏を無事に越して出走した秋緒戦の

クイーンステークスも11着に大敗し、

この敗戦により、もうタマミの時代は

終わったとマスコミに報道されましたが

次に出走した後にGⅠレースとなる

短距離王決定戦スプリンターズステークス

では苦手の不良馬場だったにも関わらず

持ち前のスピードを活かして一気に逃げ

切って、ハクエイホウやライトワールド等の

強豪馬をやぶって優勝。

4つ目の重賞を獲得すると共にタマミは

見事な復活を遂げました。

そしてこの年の最優秀4歳牝馬のタイ

トルこそ逃したものの、最良スプリンターに

選出されました。

年が明けて5歳となったタマミは現役を

続行し、古馬となった初戦の東京新聞杯で

トレンタムの3着となった後、京王杯

スプリングハンデキャップに出走し、後の

天皇賞馬メジロムサシやライバルの

ハーバーゲイムをやぶって優勝を飾り

健在ぶりを示しました。

しかし、この勝利がタマミの現役最後の

勝利となってしまいました。

その後、なかなか勝ち星に恵まれないまま

夏の北海道シリーズまで走りましたが、

函館の巴賞3着を最後に引退し、繁殖

生活に入りました。

しかし繁殖生活に入ってからわずか6年後

に胃がんに冒されてしまい、手当の

甲斐なく1977年7月28日、11歳で

天国に旅立ってしまいました。

タマミのスピードと勝負根性、そして

あの美しい容姿を受け継いだ産駒が

クラシックの舞台に登場することが

なかったことは本当に残念であり、

当時、タマミの早世は「美人薄命」と

惜しまれました。

当時の競馬中継にもゲストとして出演し、

様々な競馬エッセイでも知られる文筆家の

寺山修司さんはタマミの姿を少女のように

可憐だったと評し、エッセイの中でタマミを

日本一の逃げ馬として挙げていました。

今週は、阪神競馬場でいよいよ牝馬

クラシックの第一冠目、桜の女王決定戦

第83回桜花賞が行われます。

大物感漂うリバティアイランド、良血ペリ

ファーニア、ハーツクライの娘ハーパー、

コナコースト、シンリョクカに注目して

います。

今週も全馬の無事を祈りながらレースを

観ます。