先週、中京競馬場で行われました春のGⅠ

開幕となるスプリント王決定戦第53回

高松宮記念は不良馬場の中で行われ、

直線に入って12番人気の7歳馬ファスト

フォースが混戦から抜け出して優勝。

人馬ともにGⅠ初制覇を果たしました。

2着には1馬身差で2番人気のナムラ

クレア、3着には13番人気のトゥラ

ヴェスーラが入り、1番人気のメイケイ

エールは気分よく走れなかったのか

12着に敗れ、今年も波乱の結果となり

ました。

またドバイで行われましたドバイワールド

カップデーにおいて、ドバイシーマクラ

シックでは日本の昨年の年度代表馬

イクイノックスがレコードタイムで圧勝。

ドバイワールカップではウシュバテソーロ

UAEダービーではデルマソトガケが優勝し

ドバイターフではダノンベルーガが2着に

入るなど、野球のWBCに続き、競馬でも

日本馬達が大活躍しました。

どうか全人馬が無事に帰国してくれる

ことを祈っています。

本当にお疲れさまでした。

 

今週は、阪神競馬場でGⅠ競走第67回

大阪杯が行われます。

大阪杯は1957年に5歳(現4歳)以上の

馬による重賞競走大阪盃競走として創設

されました。

その後、競走名は1964年にサンケイ

大阪杯と改称され、1989年からは

産経大阪杯となり、2017年にGⅠ競走に

昇格したことにより、名称を大阪杯と

改称しました。

 

思い出のレースは天才福永洋一騎手を

背に一世一代の脚を使って大横綱

タニノチカラをやぶって大金星をあげた

キヨノサカエが優勝した昭和49年

第18回サンケイ大阪杯です。

主戦ジョッキーは先日、27年間の騎手

生活を終えて引退した福永祐一騎手の

父で天才と言われた福永洋一です。

私が競馬を見始めた昭和期には天才

福永洋一騎手の他にもモンキー乗りの

先駆者保田隆芳、ミスター競馬野平祐二

名人武邦彦、闘将加賀武見、剛腕郷原

洋行、職人大崎昭一、鉄人増沢末夫

牝馬の嶋田功、追い込みの吉永正人

いぶし銀横山富雄など、個性的な騎手が

多くいました。

キヨノサカエはクラシック組でいうと

ハイセイコー、タケホープ、イチフジイサミ

やホウシュウエイトと同じ昭和48年組で

旧3歳の秋にデビューして2勝を挙げた

ものの、クラシックに出走することは

出来ませんでした。

4歳時に2勝挙げたキヨノサカエは年が

明けて古馬となった初戦の西の金杯で

ナオキの2着に食い込み、京都記念を

経て、サンケイ大阪杯に参戦しました。

このレースには前年に奇跡的なカンバック

を遂げて天皇賞に優勝し、後に競馬史上

最強馬としても名前が挙がる大横綱

タニノチカラも出走してきました。

タニノチカラは前走の京都記念で斤量

61キロを背負って出走し、それでも圧勝

かと思われた瞬間、外から追い込んできた

スカイリーダの一瞬の差し足の前に

2着に敗れていました。

レース当日は曇りでしたが、雨の影響で

不良馬場の中、スタートが切られました。

まずは予想どおり、ケイリュウシンゲキが

逃げ、タニノチカラはじっくり先頭の2頭を

見るような形で外を通って3番手を進み、

天才福永洋一騎乗のキヨノサカエは、

タニノチカラの視界から外れるように、

しかしタニノチカラを終始マークしながら

後方からレースを進めました。

そして第3コーナーを過ぎてから大外を

とおって一気にタニノチカラとの差を縮め

京都記念でのスカイリーダを再現するかの

ように第4コーナーでタニノチカラに並び

かけ、直線に入って一旦先頭に躍り出た

タニノチカラを外から一気に追い込むと

タニノチカラをゴール前で交わして優勝。

大金星を挙げると共に重賞初制覇を

果たしました。

しかし、この勝利はキヨノサカエにとっても

最初で最後の重賞制覇でもありました。

いつも奇想天外な騎乗でファンを魅了した

天才福永洋一騎手。

このレースでも大胆な騎乗で一世一代

の脚をキヨノサカエに使わせてタニノチカラ

をやぶり、キヨノサカエに勝利をもたらし

ました。

 

今週は、阪神競馬場で中距離戦線の

精鋭たちが激突する第67回大阪杯が

行われます。

ヴェルトライゼンテ、ジェラルディーナ

ノースブリッジ、スターズオンアースに

注目しています。

今週も全馬の無事を祈りながらレースを

観ます。