先週、中山競馬場で行われましたクラ

シックの登竜門、第60回弥生賞ディープ

インパクト記念は3番人気のタスティエーラ

が好位追走から、直線で抜け出して先頭

に立ち、内をつくトップナイフと外から追い

込んで来るワンダイレクトをおさえて優勝、

重賞初勝利をあげると共にクラシックに

堂々と名乗りを挙げました。

1番人気のトップナイフはまた2着に惜敗し

3着には2番人気のワンダイレクトが入り

ました。

 

今週は、阪神競馬場で第57回フィリーズ

レビューが行われます。

フィリーズレビューは1967年に創設

された4歳(現3歳)牝馬による重賞競走で

阪神4歳牝馬特別(桜花賞トライアル)

というレース名でしたが、1983年には

報知杯4歳牝馬特別と改称され、

2001年からは現名称のフィリーズ

レビューとなりました。

思い出のレースは栗毛の小さな根性娘

エルプスが勝った昭和60年第19回阪神

4歳牝馬特別(現フィリーズレビュー)です。

エルプスは昭和60年のクラシック組で

同期にはオークス馬ノアノハコブネ、

エリザベス女王杯馬リワードウイング

終生のライバルだったタカラスチールや

ミスタテガミ、ナカミアンゼリカ等がいます。

エルプスの父は世界的名馬ミルリーフ

の仔のマグニテュードで後にダービー馬

ミホノブルボンや高松宮記念馬マサラッキ

等を輩出しています。

エルプスは420キロ程度の小柄な馬体で

当初は血統的にも評価されていません

でした。

3歳の函館の新馬戦でデビューしたものの

不良馬場に脚を取られ9着と惨敗。

しかし新馬2戦目で見事な逃げ切りを見せ

7馬身差をつけて圧勝。

続くオープン競走は不成立となったため

いきなり函館3歳ステークスに参戦、

さすがにここでは荷が重いと思われ

6番人気でしたが、持ち前の先行力と

粘り腰で後の重賞勝ち馬トウショウレオに

4馬身差をつけて圧勝。

当初はあまり期待されていなかった牝馬

エルプスは、一躍クラシック候補に名乗り

をあげました。

しかし、次のオープン特別では1番人気に

推されたましたが、クラシックを意識した

のか、逃げない作戦という木藤騎手の

騎乗が裏目に出てエルプスは最下位の

8着に大敗してしまいました。

この騎乗ミスによる大敗の責任で木藤

騎手が交代する動きとなりましたが、温情

溢れる馬主さんからの強い要望により、

引き続き木藤騎手が手綱をとることになり

ました。

この大敗により、続くテレビ東京賞3歳

牝馬ステークスでは14頭立て11番人気

と評価を大きく落としたものの、今度は

いつもの逃げに出たエルプスはライバル

タカラスチール以下を1馬身半退けて

勝ち、重賞2勝目を挙げました。

年が明けて4歳になったエルプスは、

桜花賞を目指し、桜花賞トライアルで

当時の名称だった4歳牝馬特別に参戦。

前走でエルプスに敗れたものの、連勝

で勢いに乗るライバル、タカラスチール

が1番人気に推され、エルプスは3番

人気となりました。

レースはいつものようにエルプスが逃げ

タカラスチールがエルプスを徹底的に

マークする展開となりました。

第4コーナーで外にエルプスが外に

ふくれて他馬と接触する中、直線で内から

鋭く伸びて来た伏兵のロイヤルコスマーが

抜け出し、エルプスを交わして一瞬先頭に

立ちましたが、エルプスが持ち前の根性を

発揮し、ロイヤルコスマーに再び並び

かけて差し返し、ロイヤルコスマーと猛然

と追い上げてきたタカラスチールとの接戦

を制して、エルプスが優勝。

重賞3勝目を挙げると共に、桜花賞に

王手をかけました。

エルプスは他の逃げ馬のようにスタート

良く飛び出して、そのままスピードに

乗って逃げる馬ではなく、スタートは

下手な方で、少し後から先頭に立って

逃げ、直線に入って追いつかれそうに

なると根性を発揮して競り勝つという

タイプの馬でした。

その後、エルプスは本番の桜花賞に

駒を進めましたが、鞍上の木藤騎手

への不安とエルプスが小柄な逃げ馬

という不安からか、またしてもライバル

タカラスチールに1番人気を譲ることに

なりました。

しかし、2番人気となった桜花賞でも

トライアルを再現するかのようにエルプス

は、果敢な逃げを見事に決めて優勝。

第45代の桜の女王に輝きました。

今週は、阪神競馬場で桜花賞トライアル

第57回フィリーズレビューが行われます。

混戦模様で難しいレースですが、ブトン

ドール、トラベログ、ルーフ、そして出走

して来たならばハートループに注目して

います。

今週も全馬の無事を祈りながらレースを

観ます。