先週、東京競馬場で行われました今年
初のGⅠ競走フェブラリーステークスは
1番人気のレモンポップが好位から直線で
堂々と抜け出して優勝。
GⅠ初挑戦で初勝利を飾りました。
2着には直線で鋭く伸びた3番人気の
レッドルゼル、3着は大きく出遅れながら
直線で追い込んだ4番人気メイショウ
ハリオが入り、2番人気に推されたドライ
スタウトは4着に、ラストGⅠとなった
福永騎手騎乗のオーヴェルニュは12着に
敗れました。
2月18日、北海道から1993年の
ダービー馬ウイニングチケットが亡くなった
との訃報が届きました。
ビワハヤヒデとナリタタイシンと共に3強
時代を築き、柴田元騎手にダービー優勝
をプレゼントしました。
33年間、夢と勇気と希望をありがとう
ございました。
本当にお疲れさまでした。
どうかゆっくり休んで下さい。
今週は、中山競馬場で第97回伝統の
中山記念が行われます。
中山記念は1933年に創設された中山
5歳馬特別競走を前身として1936年に
創設されました。
春の古馬GⅠレースを目指す古馬達
による伝統のレースとして定着しており
歴代の優勝馬には名立たる名馬達の
名前が連なっています。
そして2017年からは優勝馬に対し
GⅠ大阪杯への優先出走権が
付与されています。
思い出のレースは、カネミカサが中山
記念2連覇を成し遂げた昭和54年
第53回中山記念です。
カネミカサは青森県で生まれ、父は昭和を
代表するマイラー系種牡馬バーバーです。
また祖母は桜花賞とオークスの牝馬二冠
を制し、最優秀4歳牝馬にも選出された
名牝カネケヤキでシンザンに更新される
1995年までサラブレッドの長寿記録を
2015年までサラブレッド牝馬の最長寿
記録を保持していました。
そして現在もGⅠを勝った牝馬における
最長寿記録はカネケヤキです。
また同じ牧場の同期には後の有馬記念
優勝馬カネミノブがいます。
カネミカサ自身はデビューが遅かったため
クラシックへの出走は叶いませんでしたが
昭和52年クラシック組の同期にはカネ
ミノブの他、外車マルゼンスキー、ダービー
馬ラッキールーラ、皐月賞馬ハードバージ
菊花賞馬プレストウコウやヒシスピード等
がいます。
カネミカサは4歳春にデビューし、2戦目の
未勝利戦を勝ち、その後、特別レースを
含めて3勝を挙げ、わずかデビュー5ヶ月で
オープン入りを果たしました。
その後も古馬との混合戦となる函館記念や
福島記念に参戦し、勝つことはできません
でしたが、古馬を相手に善戦しました。
年が明けて古馬になったカネミカサは
オープン競走を3戦して中山記念に出走
しました。
この中山記念には9歳で62キロの斤量を
背負った古豪ヤマブキオーや華麗なる
一族の良血馬ニッポーキング、愛知杯を
連覇したトウカンタケシバ等が出走し、
9歳ながら実力馬ヤマブキオーが1番
人気に推され、まだ実績の無かった
カネミカサは最低の9番人気でした。
レースは当日の馬場が重馬場となった
ためか、人気のニッポーキングは失速し
最後の直線では62キロを背負った
ヤマブキオーがいつものように猛追する
ものの届かず、最低人気だったカネミカサ
がトウカンタケシバとの競り合いに勝って
初重賞制覇を果たしました。
カネミカサはこの年、中山記念後も2勝を
挙げると共に安田記念や有馬記念でも
超一流馬相手に善戦する等、本格化して
いきました。
年が明けて6歳になったカネミカサは
初戦の金杯を6着とした後、中山記念に
参戦し、連覇に挑みました。
このレースには、春の天皇賞を目指す
ダービー馬サクラショウリ、前年の有馬
記念優勝馬カネミノブや後の天皇賞馬
カシュウチカラの他、シービークロス
メジロファントム、トウフクセダン等、
豪華なメンバーが出走しました。
このメンバー相手に3番人気に推された
カネミカサは果敢に先行し、直線に入って
サクラショウリやメジロファントムの猛追を
おさえて優勝、この豪華メンバー相手に
一歩も引けを取らず中山記念連覇を
達成しました。
カネミカサにとって、この距離と中山コース
がピッタリ合っていたのだと思います。
その後、カネミカサはこの勢いに乗り、
オープン競走と距離が長くなるアルゼン
チン共和国杯にも勝って3連勝を飾り
ました。
暮れの有馬記念では8着にやぶれた
ものの、年が明けて7歳になった緒戦の
アメリカJCCで再び、同期のカネミノブや
サクラショウリ、カシュウチカラをやぶって
優勝し、中距離のみならず距離が長い
レースでも通用するだけの実力を持って
いることを証明しました。
そして、三度目の出走となった中山記念に
出走しましたが、惜しくもヨシノスキーに
クビ差の2着と敗れ、3連覇はなりません
でした。
記録によりますと1980年7歳で引退した
カネミカサは種牡馬になりましたが、
1990年10月に亡くなったとのことです。
今週は、中山競馬場で春の古馬路線を
睨んで第97回伝統の中山記念が行われ
ます。
実力馬ダノンザキッド、スタニングローズ
ソーヴァリアントと勢いに乗るラーグルフ
に注目しています。
今週も全馬の無事を祈りながらレースを
観ます。



