先週、阪神競馬場で行われました
第116回伝統の京都記念は1番人気に
推された日本ダービー馬ドウデュースが
直線に入って、昨年の凱旋門賞以来の
休み明けとは思えない差し脚で力強く
抜け出し、他馬を全く寄せ付けず引き離し
ダービー馬が京都記念を勝つのは
1948年のマツミドリ以来、75年ぶりだ
そうで、歴史を感じました。
2着には3馬身半差で6番人気のマテン
ロウレオ、3着には4番人気のプラダリアが
入り、復活を目指し2番人気に推された
エフフォーリアは道中2番手でレースを
進めましたが最後の直線で競走を中止
してしまいました。
エフフォーリアのその後の状況がとても
心配されましたが、診察の結果、レース中
に心房細動を発症したことによる競走中止
とのことでした。
骨折等の命に関わることでは無かったこと
ひとまず安心しましたが、エフフォーリアの
今後については、決して無理させないで
状態を見ながら、あくまでも彼の将来を
考えていって欲しいものです。
今週は東京競馬場で今年初のGⅠレース
第40回フェブラリーステークスが行われ
ます。
1984年に前身となるフェブラリーハンデ
キャップが創設され、JRAが施行する
ダート重賞競走では最も古い歴史を持つ
競走でもあります。
1994年にGⅡ昇格すると共に名称も
フェブラリーステークスに改称されました。
その後、中央競馬と地方競馬の交流競走
が拡大される中で1997年には中央競馬
のダート重賞競走として初めてGⅠに
格付けされ、国内の上半期のダート最強馬
決定戦に位置付けられました。
思い出のレースは、まだフェブラリーハンデ
キャップ時代にカリブソングが優勝した
第7回フェブラリーハンデキャップです。
カリブソングの父は外車、スーパーカーの
異名を持ち、史上最強馬にも名前があがる
マルゼンスキーです。
カリブソングの同期には、ダービー馬
ウイナーズサークル、皐月賞馬ドクター
スパート、菊花賞馬バンブービギンや
サクラホクトオー等がいます。
3歳の暮れにデビュ-したカリブソングは
2戦目の新馬戦にかったものの、気性面
に問題があったため、マルゼンスキー
の仔の大型馬として将来を期待されて
いたものの、春のクラシックへの参戦は
叶いませんでした。
休養中に気性面の改善を図ったのが功を
奏し、秋に復帰したカリブソングはダートが
が合ったのか、ダートの条件特別競走を
3勝してオープン入りを果たしました。
年が明けて古馬になったカリブソングは
オープン特別競走に勝って3連勝を飾り
ました。
続くオープン特別は当時ダートの鬼として
君臨していたダイナレターの2着に敗れた
ものの、初の重賞制覇に向け、当時は
まだGⅢだったフェラリーハンデキャップに
参戦しました。
このレースには札幌記念や根岸Sに
優勝して最優秀ダートホースに選出された
ノーザンテーストの仔ダイナレターや
レインボーアカサカ等が参戦しました。
ダイナレターは実績から61.5キロの斤量
での出走となり、それが嫌われたのか、
2番人気となり、代わりに新鋭のカリブ
ソングが1番人気に推されましたしました。
レースは5、6番手の好意を進んだカリブ
ソングが最後の直線で抜け出して優勝、
念願の初重賞制覇を果たしました。
秋にはオールカマーに挑戦するも7着に
敗退しましたが、ダートのオープン特別を
連勝する等、ダート競走での活躍が評価
され、この年の最優秀ダートホースに
選出されました。
その後、年が明けて6歳になったカリブ
ソングは素質が開花し、金杯や最重量を
背負わされた目黒記念にも優勝するなど
ダートに止まらず、芝のレースでも活躍
し、秋には天皇賞で2着に入る等、芝でも
十分通用することを証明しました。
しかし、目黒記念優勝後は重賞競走で
善戦するものの、なかなか勝ち星には
恵まれませんでした。
7歳を過ぎ8歳でも現役を続行し、芝の
重賞競走に挑戦しましたが、やはり善戦は
するものの、勝つことは出来ませんでした。
8歳後半のレースでは掲示板に載ることも
出来なくなったため、引退も考慮された
ようですが、陣営がもう一花咲かせて
あげたいとのことから休養に入り、9歳でも
現役を続行することになりました。
復帰後は勝てないながらもカリブソングは
一生懸命に頑張って走り、善戦しました。
そして10月10日、札幌競馬場で行われ
ました第6回ブリーダーズゴールドカップ
に出走、スタート直後から自ら先行して
逃げ、各馬の追撃をおさえて優勝。
目黒記念以来約3年半ぶりに勝利を挙げ
健在ぶりを示しました。
しかし、このブリーダーズゴールドカップの
優勝がカリブソングから引退の2文字を
奪い取る形となってしまいました。
更に現役続行が決まり、カリブソングは
休む間もなくアルゼンチン共和国杯に
向けて調教を再開しました。
報道によりますと復活の晴れ舞台から
まずか10日後の10月20日の朝、
アルゼンチン共和国杯に向けた調教中
ゴール板を過ぎて第1コーナーにかかる
あたりで、カリブソングは前のめりに崩れ
落ちるように突如転倒。
すぐに診療所に運ばれましたが、数分後
に急性心不全のため亡くなってしまい
ました。
もうすぐ10歳を迎えようとする直前の
まさかの急死でした。
当時、私もカリブソングの急死のニュース
には、本当にショックを受けました。
芝、ダートを問わず生涯成績41戦11勝
2着10回、3着8回、重賞競走優勝3回と
いう素晴らしい成績を残したカリブソング。
酷使されながらも、いつも一生懸命に
頑張って走る姿は人々に勇気と希望と
感動を与えてくれました。
多くのファンがカリブソングの死を心から
悲しみました。
タラレバになりますが、あの雄大で綺麗な
馬体とスピードを兼ね備えたカリブソング、
もう少し早めに引退させていたら、
マルゼンスキーの後継種牡馬として多くの
素晴らしい産駒を世に送り出していたかも
知れません。
本当に残念です。
今週は東京競馬場で今年初のGⅠ競走
節目の第40回フェブラリーステークスが
行われます。
勢いに乗るレモンポップ、巻き返しを図る
メイショウハリオ、実力馬ドライスタウト
公営からのスピーディキックに注目して
います。
今週も全馬の無事を祈りながらレースを
観ます。


