先週、中京競馬場で行われました記念すべき
第40回ローズステークスは、1番人気の
アートハウスが直線で抜け出して、重賞初勝利を
挙げると共に春のクラシック組の意地を見せ
秋華賞に向けて好発進をしました。
2着には後方から追い込んだ2番人気のサリエラ
3着には7番人気のエグランタイン入り、この3頭が
秋華賞への出走権を獲得しました。
今週は、関西の菊花賞トライアルレース、伝統の
第70回神戸新聞杯が中京競馬場で行われます。
神戸新聞杯は4歳(現3歳)馬による重賞競走として
「神戸盃」の名称で1953年に創設されました。
1972年より現在の名称に変更され、2000年以降
関東馬と関西馬が激突する菊花賞トライアルとして
長年行われてきた京都新聞杯が5月施行となったため
関西地区で行われる唯一の菊花賞トライアル競走と
なっており、3着までの馬に菊花賞の優先出走権が
思い出の馬は、昭和48年第21回優勝馬ホウシュウ
リッチです。
ホウシュウリッチは昭和48年クラシック組で同期には
ハイセイコー、タケホープ、イチフジイサミや同門の
ホウシュウエイト、シルバーランド等がいます。
そして後に本で知りましたが、ホウシュウリッチの父
ダイコーターは菊花賞馬でホウシュウリッチの
馬主と同じ上田清次郎氏が持ち馬ですが、
ダイコーターには日本の競馬史に残るエピソードが
残されています。
上田氏は後の二冠馬ダイナナホウシュウの馬主で
昭和29年の日本ダービーでダイナナホウシュウは
優勝は間違いないと言われていましたが、レース中
に不利を受けて敗れてしまいました。
これにより上田氏にとってダービー制覇は悲願と
なりました。
どうしても夢のダービー馬の馬主になりたくて
昭和40年NHK杯を快勝してダービーの最有力馬
となったダイコーターをダービー直前で五冠馬
シンザンの馬主だった橋本氏からダービー優勝
賞金の3倍の金額で獲得するという前代未聞の
出来事が発生しました。
競馬マスコミは上田氏に対しダービーを金で買うのか
馬主の橋元氏に対しは、シンザンであれだけ稼ぎ
ながら、まだ馬で儲けようというのかと批判を浴びせ
ました。
しかし、ダービーでは復調したキーストンが優勝し、
ダイコーターは2着に敗れてしまいました。
この結果「ダービーを金で買うことは出来ない」と
いう典型的な例として、この出来事は今でも語り
継がれています。
ホウシュウリッチは旧馬齢4歳の1月に未勝利を
脱したものの、その後は惜敗が続き、春のクラシック
は同門のホウシュウエイトが参戦したものの、
ホウシュウリッチが東上することありませんでした。
しかし、その後ホウシュウリッチ3連勝を含めて5勝
あげ、菊花賞トライアル神戸新聞杯に参戦し、
関西の新星として1番人気に推されました。
このレースには同門のホウシュウエイトやシルバー
ランド、ハクサンホマレ、トーヨーチカラ等が参戦
しました。
レースは、菊花賞や天皇賞に優勝した名馬ハクリョウ
を父に持つハクサンホマレが逃げ、そのあとにレイク
ファイアとホウシュウリッチが続き、ホウシュウエイトと
トーヨーチカラは中団から進み、シルバーランドは
道悪に苦しんで先行できないという展開になりました。
第3コーナーから4コーナーでホウシュウエイトと
トーヨーチカラが仕掛け、ホウシュウリッチは一旦
外に持ち出すため、下がってしまいますが、
第4コーナーで再び上がって行き、直線では外から
豪快に伸びて先頭に立ち、内をついた道悪巧者
アマツカゼや外から追い込むホウシュウエイトや
トーヨーチカラを力でねじ伏せて勝ち、初重賞を
獲得すると共に菊花賞に向けてハイセイコー
、タケホープ、イチフジイサミ等の関東3強馬に
対抗する関西の新星として名乗りをあげました。
神戸新聞杯で強い勝ち方をしたホウシュウリッチ
でしたが、この勝利がホウシュウリッチにとって
平場での最後の勝利になるとは、この時、誰が
想像したでしょうか。
その後、ハイセイコーが参戦してきた当時の
もう一つの菊花賞トライアル京都新聞杯では
4着に敗れ、続く本番の菊花賞でもハイセイコーと
タケホープの競馬史上に残る名勝負が演じられた中
ホウシュウリッチは見せ場も無く、12着に大敗して
しまいました。
年が明けて古馬になったホウシュウリッチは4歳時
の勢いが無くなり、重賞レースに出走するものの
勝つまでには至らず、掲示板に載るのがやっとの
成績が続きました。
年が明けて6歳になったホウシュウリッチは父と
同じように新たな活路を見い出すため、障害戦に
参戦すると、持ち前のスピードを活かしてレコード
タイムを2度記録するなど、4連勝を含む5勝をあげ
オープン入りを果たし、今後の活躍が期待され
ましたが、8月の障害戦で大差の5着に敗れたのを
最後に2度と競馬場に姿を現すことはありません
でした。
その後、ホウシュウリッチがどうなったかは判らず
今となっては調べる術はありません。
ダイコーターの仔として一瞬でしたが輝きを放った
ホウシュウリッチ、ホウシュウエイトと共に私の記憶
に残る名馬の1頭です。
今週は今年も中京競馬場で記念すべき第70回
神戸新聞杯が行われます。
実績上位のプラダリア、アスクワイルドモア、
堅実なヴェローナシチー、未知の魅力のパラレル
ヴィジョンに注目しています。
今週も全馬の無事を祈りながらレースを観ます。


