先週、東京競馬場で行われました第27回ユニコーン
ステークスは7番人気のペイシャエスが直線で内から
馬群を割って抜け出し、激戦を制して重賞初制覇を
飾りました。
2着には内をついて追い込んだ9番人気のセキフウが
3着には8番人気バトルクライが入り、1番人気の
リメイクは6着に敗れました。
今週は、阪神競馬場で春のGⅠ戦線を締めくくる
夏のグランプリレース「あなたのそして私の夢が走り
ます」の名実況でもおなじみの第63宝塚記念が
行われます。
宝塚記念は、有馬記念と同様にファン投票で出走馬を
決め、こちらは上半期の締めくくりを飾る競走として
関西地区の競馬を華やかに盛り上げようとの趣旨で
企画され、阪神競馬場の新スタンドが落成した翌春の
1960に創設されました。
思い出の馬は、昭和51年第17回優勝馬フジノ
パーシアです。
昭和期を代表する長距離系種牡馬の英ダービー馬
パーシアの仔として生まれたフジノパーシアは
昭和49年のクラシック組で同期には二冠馬キタノ
カチドキ、コーネルランサー、アイフルやイットー
トウコウエルザ等がいます。
フジノパーシアは旧馬齢3歳の暮れにデビューし
長距離血統の不利を克服して当時短い競走ばかり
だった新馬戦を圧勝したものの、その後球節炎を
発症したため、長期休養を余儀なくされました。
それでも秋に復活し、条件特別戦で連勝したものの
結局クラシック戦線に参戦することは出来ません
でした。
年が明けて古馬になったフジノパーシアは条件
特別を勝ってオープン入りを果たすと、その勢いの
ままに東京新聞杯でヤマブキオーやナスノチグサ等
の精鋭をやぶって初重賞制覇を果たし、ついに
素質が開花し、本格化しました。
その後は重賞戦線で2着を続ける等、惜敗が続き
ましたが、直線では確実に伸びてくる脚で安定した
成績を残しました。
そして秋に入り、オープン競走を連勝し、悲願の
天皇盾に挑みました。
私も当日、友人と共にパッドックで写真を撮るため
東京競馬場に足を運びました。
天皇賞秋の当日は、雨は降っていなかったものの
不良馬場となり、重賞を2連勝してきたキクノオーに
続き、フジノパーシアは2番人気に推されました。
道中、中団を進んだフジノパーシアは直線に入ると
他馬より内をつくと鋭く伸びて先頭に立ち、外から
伸びて来たカーネルシンボリの追撃をおさえて優勝。
念願の天皇盾を手に入れると共に、ついに八大
競走の勝ち馬となりました。
続く有馬記念では1番人気に推されたものの、
勝負師加賀騎手騎乗のイシノアラシの出し抜きに
会って2着に敗れました。
年が明けて旧馬齢6歳になったフジノパーシアは
最初の2戦は敗れたものの、ダイヤモンドステークス
で快勝すると、当時天皇賞に優勝すると2度と天皇賞
に出走することは出来なかったため、宝塚記念に
駒を進め、1番人気に推されました。
レースがスタートすると春の天皇賞馬エリモジョージ
が逃げ、続いてロングホーク、コクサイプリンスが
先行し、その後ろにロングファストが続き、フジノ
パーシアとイシノアラシは中団を進みました。
そして第4コーナーで徐々に先頭集団との差を
縮めていったフジノパーシアは直線に入ると内を
ついて鋭く伸びて一気に先頭に立つと二の足を
使って外から追い込んできたロングホークをおさえて
優勝を飾りました。
続く当時の高松宮杯でも今度は第4コーナーで
早めに先頭にたって後続を引き離し、外から物凄い
脚で追い込んで来るヤマブキオーをおさえて優勝。
古馬の頂点に立つと共に、まさにこの時フジノ
パーシアは向かうところ敵なしの絶頂期を迎えて
いました。
そして秋には日本代表としてワシントンDCインター
ナショナルに挑戦しました。
しかし、当時は輸送も馬への負担が大きく、環境にも
鳴らす時間が無いなどの悪条件もあり、また現地の
競馬場での観客の騒ぎで冷静さを欠いたフジノ
パーシアは十分な能力を発揮できないまま、6着に
敗れてしまいました。
その後帰国したフジノパーシアは有馬記念に参戦
したものの、遠征疲れもあって、あのトウショウ
ボーイとテンポイント2頭のスター馬の一騎打ちの中
8着と惨敗し、このレースがフジノパーシアにとっての
最後のレースとなり、静かに競馬場に別れを告げ
ました。
引退したフジノパーシアは、門別町で種牡馬生活を
開始し、当初は種付頭数も安定していましたが、
当時は内国産種牡馬受難の時代であったため、
種付頭数も減り、結局代表産駒には恵まれません
でした。
私のフジノパーシアに対するイメージは腹袋が
他馬に比べて大きくふっくらしている馬で、レース
では直線に入ると確実に伸びてくる脚とスタミナが
あり、昭和期を代表する名ステイヤーだったと
思います。
静かに余生を送っていたフジノパーシアでしたが
1987年11月1日突然、今まで落ち着いていた
持病の腹痛が悪化して苦しみだし、獣医が駆け
つけた来た時には、既に腸捻転を起こして手の
施しようがない状態だったため、やむなく安楽死の
処置が取られ、17年の生涯を静かに閉じました。
今週は阪神競馬場で夏のグランプリ競走第63回
宝塚記念が行われます。
今年に入って1番人気がことごとく敗れるという嫌な
展開になっていますが、それでもやはり天皇賞馬
タイトルホルダー、立て直しを図るエフフォーリア
海外遠征帰りのステイフーリッシュとオーソリティに
注目しています。
また心情的にはデアリングタクトを応援しています。
ライスシャワーの悲劇から27年の月日が流れました。
私達は決してライスシャワーを忘れる事はありません。
「あなたのそして私の夢が走る」宝塚記念、
今週も全馬の無事を祈りながらレースを観ます。


