先週行われました第46回エリザベス女王杯は何と10番人気の
アカイはアカイでもアカイトリノムスメではなく、アカイイトが直線で
力強く抜け出して優勝。
初重賞獲得と共に初のGⅠ制覇を成し遂げました。
2着には7番人気のステラリア、3着には9番人気のクラヴェルが
入り、2番人気のアカイトリノムスメは直線勝負所で前が
塞がれたのも影響したのか7着と沈み、1番人気のレイパパレは
終始引っ掛かり気味と距離も長かったのか6着に敗れ、人気馬
4頭が着外に沈むという波乱の結果となりました。
今年のエリザベス女王杯も荒れ、やはり競馬はやってみないと
判りません。
今週は昨年に引き続き阪神競馬場で第38回マイルチャンピオン
シップが行われます。
日本競馬は長年にわたり競走体系は長い間長距離の競走が
重要視されて来ましたが、世界的にもスピード能力も重視される
ようになってきたことを受け、1984年に競走体系の見直しを行い
短距離競走の充実を図る目的でマイルチャンピオンシップが
創設されました。
思い出の馬は、昭和59年、60年の第1回第2回優勝馬で
昭和のマイルの皇帝と呼ばれたニホンピロウイナーです。
ニホンピロウイナーはグレード制導入をはじめとする変革の時代
に生まれ、ミスターシービーによる29年ぶりの三冠馬誕生と
なった昭和58年クラシック組で旧3歳秋に阪神競馬場で
デビューし、いきなり新馬、特別、重賞と3連勝する等、華々しい
スタートをきりました。
年が明けて旧4歳となった緒戦のきさらぎ賞にも優勝し、関西の
クラシック候補として東上しましたが、皐月賞トライアルスプリング
ステークスは6着、皐月賞では後の三冠馬ミスターシービーの
最下位の20着に惨敗したため、クラシック路線を諦め、短距離
路線に変更しましたが、この決断が後に短距離路線の先駆者と
して日本の競馬史に名を残すことになりました。
この路線変更後、ニホンピロウイナーは秋から年明けにかけて
水を得た魚のように重賞を含む4連勝を飾り、本領を発揮し始め
ました。
続くマイラーズカップは不良馬場に泣かされ2着になると骨折が
判明し、休養を余儀なくされてしまいました。
しかし1984年のこの年からグレード制が導入されると共に
短距離路線が整備され、それまでハンデ戦だった安田記念と
新設されたマイルチャンピオンシップが短距離のGⅠレースとして
制定される等、レース体系が大幅に見直され整備されました。
このことはニホンピロウイナーにとって追い風となりました。
秋の初戦の朝日チャレンジCでは斤量60キロと距離2000mを
克服して優勝、続くスワンステークスでもトップ斤量ながらレコード
タイムで優勝し、重賞2連勝を飾りました。
そして迎えた記念すべき第1回マイルチャンピオンシップに挑み
ました。
ニホンピロウイナーは終始、先行集団の中でレースを進め、
第4コーナーで一気にまくり戦法に出た安田記念優勝馬ハッピー
プログレスをおさえ、直線で内をついて鋭く抜け出して優勝。
ついにGⅠ初制覇と共に1984年最優秀スプリンターに
輝きました。
年が明けて6歳になったニホンピロウイナーは初戦のマイラーズC
に参戦し、斤量60キロをものともせずに圧勝。
続くサンケイ大阪杯では敗れたものの、京王杯スプリングCでは
後の天皇賞馬ギャロップダイナや大井の星サンオーイをやぶって
優勝するとその勢いは止まらず、続くマイル王決定戦の安田記念
でも直線で抜け出しスズマッハの追撃をおさえて優勝しました。
秋に入り、今までであれば出走することは無かったと思われる
天皇賞を目指し、毎日王冠に出走しましたが、斤量60キロが
響いたのか僅差の4着に敗れました。
そして三冠馬シンボリルドルフも参戦した天皇賞では終始、先行
集団で進み、直線では皇帝シンボリルドルフに迫るも、僅差の3着
同着に敗れてしまいました。
しかし、距離は2000mで勝ったギャロップダイナはレコードタイム
での優勝であり、そしてあの三冠馬で史上最強馬とも言われる
皇帝シンボリルドルフに迫った脚は、単なる短距離馬では
無かったことを証明したと思います。
そして昨年に続き連覇をかけて迎えたマイルチャンピオンシップ
では、やはり終始先行集団で進み、第4コーナーで昨年とは
違って外をまわって勝負に出て、直線に入ると一気に後続馬を
突き放して先頭に立ち、追い込みを図るトウショウペガサスに
3馬身差をつけて圧勝。
マイルチャンピオンシップ連覇を達成すると共に見事マイルGⅠ
競走3連覇を飾り、新時代の扉を開けた先駆者となりました。
しかし、このレースがニホンピロウイナーにとっての現役最後の
レースとなりました。
そして、この年の最優秀スプリンターにも選出され、3年連続の
受賞となりました。
競走成績は26戦16勝、2着3回で、特に京都競馬場では
7戦7勝という素晴らしい成績をおさめました。
引退後は北海道の名門下河辺牧場で種牡馬となり、内国産
種牡馬不遇の時代であったものの、産駒からは天皇賞馬
ヤマニンゼファーや高松宮杯やスプリンターズステークスの
優勝馬フラワーパーク他、多くの重賞勝ち馬を輩出し後継種牡馬
を残す等、種牡馬としても本当に素晴らしい成績を残しました。
私も牧場めぐりの際に下河辺牧場でニホンピロウイナーに何度か
会わせて頂きましたが、スピード感あふれるふっくらした馬体で
本当に綺麗な馬だったと記憶しています。
ニホンピロウイナーは、2004年に種牡馬を引退すると生まれ
故郷である佐々木牧場に帰って静かに余生を送っていましたが、
2005年3月17日心臓麻痺により25年の生涯を終え、静かに
天国に旅立ちました。
今週は阪神競馬場で第38回マイルチャンピオンシップが
行われます。
このレースが引退レースとなる可能性が高い、そして連覇を狙う
短距離の女王グランアレグリアと3歳マイル王シュネルマイスター
との最後となるであろう2度目の対決が本当に楽しみです。
そして実力馬グレナディアガーズとダノンザキッドにも注目して
います。
先週同様に人気馬総崩れとなる荒れた決着となるのか、それとも
3歳シュネルマイスターと古馬グランアレグリアの新旧マイル王
同士の頂上決戦となるのか、競馬史上に残る名勝負を期待する
と共に、今週も全馬の無事を祈りながらレースを見ます。


