先週行われました第57回新潟記念は全馬が直線で綺麗に

横一線に広がり、ハンデ戦らしい好レースとなりましたが、

アッと驚く14番人気のマイネルファンロンが大外をまわって

後方から抜け出して優勝。

1番人気のザダルは13着に沈みました。

直線で全馬が横一線に広がった様子はまるでアイビスサマー

ダッシュを見ているようで面白かったです。

夏競馬が終了し、今週からはいよいよ舞台を中央に移し、

今週は中山競馬場で第66回京王杯オータムハンデが行われ、

後半戦がスタートします。

京王杯オータムハンデは1956年に創設された、4歳(現3歳)

以上の競走馬による重賞競走で、競走名は創設当初「オータム

ハンデキャップ」でしたが、1959年より「京王杯オータムハンデ

キャップ」に改称され、そして1998年からは「京成杯オータム

ハンデキャップ」に改称され、現在に至っています。

京王杯オータムハンデキャップの歴代優勝馬には、菊花賞馬

ハククラマや有馬記念馬スターロッチ、皐月賞馬ビンゴガルー

オークス馬ナスノチグサ等、名立たるクラシック優勝馬が

名を連ねており、私の中では今でも秋の天皇賞や有馬記念に

向けた古馬戦線の初戦というイメージが残っていて、京成杯では

なく京王杯オータムハンデキャップと言ってしまいます。

今の京成杯オータムハンデキャップはサマーマイルシリーズの

最終戦?ということになっているんでしょうか。

未だにピント来ていません。

旧京王杯オータムハンデキャップにおける思い出の馬は、

昭和52年第22回優勝馬カシュウチカラです。

カシュウチカラはテンポイント、トウショウボーイ、グリーングラス

らが主軸の昭和51年クラシック組でTTG世代の一頭でした。

カシュウチカラは旧馬齢の4歳でデビューし、初戦は惨敗した

ものの2戦目の新馬戦で勝ち上がり、その後特別戦にも優勝は

しましたが、あの天馬トウショウボーイや流星の貴公子テンポ

イント、クライムカイザーが活躍したクラシック戦線に参加する

ことは出来ませんでした。

秋になり、夏の上り馬グリーングラスが菊花賞でテンポイントや

トウショウボーイをやぶって優勝し、3強時代の幕開けとなった

中で、カシュウチカラは戦績が伸びずに菊花賞に参戦することも

出来ませんでした。

年が明けて古馬になったカシュウチカラは特別競走で勝ち負けを

した後、準オープン馬の身でありながら格上挑戦した目黒記念で

人気薄でしたが、グリーングラスやクライムカイザーをやぶって

重賞初制覇を果たし、遅ればせながらオープン馬の仲間入りを

しました。

しかし、その後も戦績が伸びず、迎えた京王杯オータムハンデ

キャップでは、やはり11番人気という人気薄でしたが、桜花賞、

オークス優勝馬テイタニヤや後の菊花賞馬プレストウコウを

やぶって見事優勝し、改めて実力があることを証明しました。

その後、惜敗が続きましたが、6歳になってAJCC杯、目黒記念に

連勝し、好調のまま悲願の天皇賞(春)に挑みましたが、同期の

グリーングラスの壁は厚く3着と敗れ、この年の秋の天皇賞でも

トウメイの仔テンメイの前に敗れ、悲願達成とはなりませんでした。

7歳になっても現役を続行したカシュウチカラはダイヤモンドSで

2着となった後、4度目の天皇賞に挑戦し、ダービー馬サクラ

ショウリやバンブトンコート、キャプテンナムラ、シービークロス等の

強豪をやぶって優勝し、ついに悲願の天皇賞制覇を果たしました。

しかし、天皇賞の優勝で燃え尽きてしまったのか、この勝利が

カシュウチカラにとっての最後の勝利となりました。

秋になると年齢のせいなのか、斤量が重くなった影響なのか、

突然の不振に陥り、掲示板すら載れない惨敗を繰り返しました。

それでもカシュウチカラは休養を挟みながらも9歳まで現役を

続けましたが、6戦して1勝も勝つことは出来ずに、1981年の

目黒記念(春)での14着を最後に競走生活に別れを告げました。

生涯成績47戦9勝は立派な成績であり、同期のグリーングラス

との対戦成績も確か4勝4敗で互角に渡り合う等、昭和50年代を

代表する名ステイヤーだったと思います。

そして4歳時16戦、5歳時11戦等の酷使にも耐えて、故障

せずにレースに出走する等、まさにカシュウチカラは、無事これ

名馬だったと思います。

長い間頑張ったことへの天からのご褒美なのか、引退後は、

代表産駒こそ出せなかったものの、長く種牡馬生活を続け、

種牡馬引退後も今は無き名門吉田牧場で功労馬として余生を

送っていました。

そして2003年8月5日30歳の天寿を全うし、この世を去り

ました。

今週は秋競馬のスタートを告げる京王杯ではなく、京成杯

オータムハンデキャップ競走が行われます。

やはりグレナディアガーズとカラテが中心になるでしょうが、

実力馬ステルヴィオとバスラットレオンの巻き返しや連勝中で

マイル得意のカレンシュトラウスにも注目しています。

いよいよ秋競馬が始まりますが、今週も全馬の無事を祈りながら

レースを見ます。