先週行われました七夕賞は2番人気のトーラスジェミニが

直線で逃げたロザムールをかわして優勝。

2着には7番人気で唯一の牝馬ロザムール、3着には7番

人気のショウナンバルディが入り、1番人気のクレッシェンドラヴは

14着に敗れ、今週も波乱の結果となりました。

トーラスジェミニの馬名の由来はトーラスが牡牛座、ジェミニは

双子座ということで結果論ですが、終わって見れば、数字の7に

関連するものでは無かったものの、やはり七夕に因んだ馬名の

馬が優勝を飾りました。

今週は早くも函館競馬場で第57回函館記念が行われます。

昭和期では、このレースをステップに秋競馬に向かう有力な

馬達がいたため、歴代の優勝馬には名立たる馬名が連なって

います。

思い出の馬は、昭和49年、50年の第10回、11回函館記念を

制したツキサムホマレです。

ツキサムホマレは、私が史上最強の世代と思う花の昭和47組で

父は、歴代最強馬とも言われるタケシバオーや怪物ハイセイコー、

菊花賞馬アカネテンリュウ等、数多くの名馬達を輩出した昭和の

名種牡馬チャイナロックです。

チャイナロックは栃栗毛の馬でツキサムホマレも500キロを超す

大型の栗毛の馬でしたが、当時生産者からはチャイナロックの

栗毛の仔は走らないと言われていました。

私の記憶ではホウシュウエイトやワンサバンナも栗毛であったこと

から、一概には言えないような気がします。

ツキサムホマレは旧馬齢の3歳の時、函館でデビューしたものの、

惜敗が続き、4戦目でようやく未勝利を勝つことができました。

しかし、その後は惨敗や惜敗を続け、史上最強のクラシック路線に

乗ることは出来ませんでした。

4歳暮れの条件特別に勝ち、年が明けて古馬になって条件特別に

優勝してオープン入りを果たし、初重賞に挑戦するものの、壁は

厚く、優勝するまでには至りませんでした。

活路を求めて夏の北海道戦線に参戦すると札幌のSTV杯では

2着に5馬身差をつけて勝利するなど活躍し、6歳になると札幌

での道新杯とアカシヤSに勝ち、その勢いにのって函館記念に

挑戦しました。

このレースには古豪オンワードガイをはじめ、ハイセイコー世代の

ヌアージターフやクリオンワードも参戦しましたが、これらの馬を

見事に退けて優勝し、ついに大器晩成の素質が開花しました。

7歳になって挑んだ春の天皇賞ではイチフジイサミの7着に

敗れたましたが、その後夏の北海道シリーズに参戦し、ダートの

札幌記念では中央入りした公営の雄サンチャイナやユウシオ、

エリモジョージ、ケイリュウシンゲキ等の強豪をやぶってレコード

勝ちし、次の大雪Hも制して連勝、そして連覇を目指して出走した

函館記念では60キロのハンデを物ともせずに重賞レースの常連

イナボレスやシンザンの娘ウラカワチェリーをやぶって見事連覇を

果たしました。

11月にはアメリカ国際招待競走ワシントンDCインターナショナル

の招待馬に選出され、花の昭和47組では唯一、海外レースに

挑戦する馬になりました。

しかし、この時は英国ダービー馬スノーナイト、キングジョージ6世

&クイーンエリザベスSを2連覇した歴史的名牝ダリアなどの強豪

が参戦していたため、レースでは果敢に先行して頑張ったものの、

最後は失速して先頭から30馬身差をつけられて9頭立ての

9着に惨敗しました。

この結果に当時日本では、何であの程度の馬を選出したのかとの

批判が起こりましたが、当時はまだ日本馬の海外遠征に慣れて

いなかったため、馬の体調管理も難しく、一概にツキサムホマレの

能力の問題だけでは無かったと思います。

現に惨敗して帰国し、長い検疫検査で隔離されていたツキサム

ホマレは、暮れの有馬記念に参戦しました。

こういう厳しい状況下での参戦だったためかツキサムホマレは

13頭中12番人気となり、国際招待レースに挑んだ馬とは

思えないほど、人気がありませんでしたが、レースでは直線に

入って大きな馬体で素晴らしい追い込み見せ、キタノカチドキ、

ヤマブキオー、ナスノチグサ、トウコウエルザ、ノボルトウコウ、

ホワイトフォンテン、キクノオー等、名立たる名馬達に先着して、

イシノアラシ、フジノパーシアに続く3着に入りました。

この結果に対し、多くの競馬関係者は複雑な思いをしたと

思います。

ツキサムホマレは8歳になってからも現役を続けましたが、寄る

年波には勝てず、思い出の地である北海道の札幌日経賞で

ダート界の怪物グレートセイカンの6着に敗れ、このレースが

現役最後のレースとなりました。

引退後は種牡馬になったものの、内国産種牡馬にとっては不遇の

時代であったため、目立った産駒には恵まれず、記録によりますと

1983年に14歳の生涯を終えたとのことです。

国際招待競走に選出された馬だったにも係わらず、いつ、どこで、

どのようにして亡くなったのかの記録が残っていないのは、とても

寂しくただただ残念です。

 

今週は函館競馬場で第57回函館記念が行われます。

ダートの強豪カフェファラオが芝の重賞でどのようなレースを

するのか注目です。

そして前走の巴賞で優勝したサトノエルドール、重賞の常連レッド

ジェニアル、馬場が悪くなれば前走大差で圧勝劇を演じた

マイネルウィルトス、復調の兆しが見えるトーセンスーリヤに

注目しています。

今週も全馬の無事を祈りながら、レースを見ます。