先週行われました第26回のユニコーンステークスは、7番人気

のスマッシャーが優勝し、2着には14番人気のサヴァが入り、

1番人気のラペルーズは13着に惨敗する等、波乱の結果と

なりました。

本当にダート界は難しいものがあります。

また全馬とレースの無事を祈っていましたが、ピンクカメハメハが

レース中に心不全を起こして落馬し、急死するという悲しい出来事

が起こってしまいました。

名牝スイープトウショウの妹として海外でも優勝し、今後の活躍が

期待されていただけに残念です。

わずか3年の短い生涯でしたが、安らかに眠って下さい。

お疲れさまでした。

今週は前半戦を締めくくる大一番、夏のグランプリレース宝塚

記念が阪神競馬場で行われます。

しかし、今年の出走メンバーは人気投票で10位以内に入っていた

三冠馬コントレイルは体調が戻らず断念、デアリングタクトも

故障のため休養に入り、天皇賞馬ワールドプレミも出走しない等、

夏のグランプリレースとしては寂しいメンバー構成となりました。

 

思い出の馬は、美しい馬体でスピード感溢れる中距離馬として

君臨したナオキです。

ナオキの母、エイトクラウンも名種牡馬ヒンドスタンの仔として

鳴尾記念や宝塚記念に優勝する等、牝馬ながら牡馬と互角に

戦い、活躍した名牝でした。

ナオキは、私が今でも最強の世代と思っている花の昭和47年組

を代表する1頭ですが、旧馬齢の3歳でデビューするものの、

勝てずに故障を発症し、初勝利をあげたのは4歳秋の未勝利戦

でした。

しかし、この勝利をきっかけに2連勝してオープン入りを果たすと

年が明けて5歳の古馬になりオープン戦を持ち前のスピードで

レコードタイムで優勝、その勢いで中京記念に勝って初の重賞を

獲得しました。

素質が開花し、関西オープン馬にナオキありを示しましたが、

天皇賞や宝塚記念、暮れのハイセイコーが出走した有馬記念等

の大きな重賞レースでは善戦するものの、なかなか勝ちきれ

ませんでした。

6歳になって1番人気の推された金杯を快勝し、活躍を期待され

ましたが、脚部不安を発症して休養を余儀なくされてしまいました。

7歳になって復帰を果たしますが、当時の7歳馬はというと、

もう高齢でピークを過ぎたと見られることが多かったですが、

ナオキはその見方とは逆に中京競馬場で復帰初戦のオープン戦

を快勝すると中京記念に勝って連覇し、続く鳴尾記念ではレコード

タイムで優勝して3連勝を飾ると共に母エイトクラウンに続いて

母仔制覇を果たしました。

その勢いに乗って関西の雄キタノカチドキが圧倒的な人気を

集めた春の天皇賞に挑戦しましたが、先行してレースを引っ張った

ものの、直線で脚が止まり、8着に敗れました。

そして迎えた第16回宝塚記念、2番人気に推されたナオキは

スタート直後からハナを奪って得意のペースで逃げを展開すると

直線に入ってもそのスピードが衰えることなく加速し、各馬を

寄せ付けることも無く、2馬身半の差をつけて優勝。

鳴尾記念に続いて、宝塚記念での母仔制覇を果たしました。

しかし、このレースがナオキの現役最後の勝利となりました。

その後、得意のコースである中京競馬場の高松宮杯で4着に

敗れるとツキが落ちたのか、急に衰えがやって来てしまったのか

1番人気に推された京都記念では11着に惨敗し、5度目の

挑戦となった秋の天皇賞では7着に敗退しました。

そして、レース後に左後肢の第一趾骨の骨折が判明したため、

引退を表明し、静かに競馬場に別れを告げました。

ナオキはふっくらとした綺麗な馬体と華麗な走りを見せた

まさに美しき中距離の名馬でした。

但し、父が短距離血統のサウンドトラックだったためか、長距離の

重賞レースでは苦戦を強いられました。

当時は短距離のレース体系がまだ整備がされていなかったため、

大きな重賞レースは距離が長い等、出るレースも限られ、

天皇賞も春、秋とも距離が3,200mでした。

そのため、ナオキは天皇賞に果敢に5度挑戦するものの、

いずれも3着以内にすら入ることは出来ませんでした。

タラレバになってしまいますが、当時、現在のレース体系であった

ならば、ナオキは間違いなく天皇賞に勝てたと思っています。

ナオキは引退後、期待されて生まれ故郷である北海道の大塚

牧場で種牡馬になったものの、当時は内国産種牡馬の不遇の

時代であったため、代表産駒としては、今は無き重賞レースの

カブトヤマ記念に優勝したチェリーテスコぐらいで、多くを残す

ことは出来ませんでした。

そして1983年からは宮城県に移って細々と種牡馬生活を

続けていましたが、1990年5月5日種付け中の事故により

22歳でこの世を去りました。

今週は阪神競馬場で上半期を締めくくる第62回宝塚記念が

行われます。

今年も新旧の牝馬同士の激突が注目され、、アーモンドアイ

引退後、まさに無敵の女王として君臨するクロノジェネシス、

無冠のシルバーコレクターカレンブーケドールと、6戦無敗の

若き次世代女王レイパパレとの初対決が本当に楽しみです。

そしてアリストテレスの巻き返しとキセキが大逃げを打ち、レース

を盛り上げ、アッと言わせることが出来るか注目です。

今週も悲劇が起きることなく、全馬が無事にゴール出来ることを

祈りながら、前半戦を締めくくる大一番のレースを見ます。