先週行われました第38回エプソムカップは8ヶ月の休養明けの
3番人気ザダルが直線で外から抜け出して優勝。
弟のクラシック候補コマンドラインで注目され1番人気に推された
アルジャンナは10着に敗れました。
またクラシック戦線で活躍したサトノフラッグが不利を受けながらも
馬郡を割って追い込んで来て、わずかに届きませんでしたが
2着に入り、今後の活躍が期待される結果となりました。
今週は先週に引き続き、GⅢレースのユニコーンステークスが
東京競馬場で行われます。
ユニコーンステークスは、1996年の中央競馬のダート路線の
整備に伴って創設され、現在は7月に行われるジャパンダート
ダービーの前哨戦とし位置づけられています。
ここで2週連続GⅢレースを持ってくるのであれば、GⅡの目黒
記念やGⅢの鳴尾記念をGⅡにしてこの週に持ってくれば良い
ような気がしますが。
思い出の馬は稀代のオールラウンダー、アグネスデジタルです。
アグネスデジタルはアメリカで生産、日本で調教された外国産馬
として、1999年に中央競馬でデビューしました。
同期にはダービー馬アグネスフライトや皐月賞と菊花賞を制した
エアシャカールがいます
アグネスデジタルは、芝とダートのGⅠレースを制する等、今後も
なかなか現れないであろうオールラウンダーの馬で、強さともろさ
を持ち合わせた馬でした。
旧馬齢3歳でデビューし、ダートの新馬戦を勝ったものの、次の
芝のレースで大敗したため、ダート路線に切り替えたのが功を奏し
指定交流競走の全日本3歳優駿に優勝。
4歳になって芝での重賞競走に挑戦するも惜敗が続き、再び
ダート路線に切り替えると、ユニコーンステークスに優勝。
この勢いで芝GⅠのマイルチャンピオンシップに出走し、誰もが
ここは無理だろうと思っていましたが、クラシック戦線で活躍した
ダイタクリーヴァやキングヘイローを相手に何とレコードタイムで
快勝。
今後の活躍が期待されましたが、古馬になって挑んだ芝の重賞
レースで惨敗が続いたため、再びダート路線に切り替えると
交流競走を連勝し、その勢いのまま伝統の芝GⅠ競走の秋の
天皇賞に挑戦。
ここでも何とGⅠ馬テイエムオペラオーやメイショウドトウ、
ステイゴールドという強敵を相手に優勝を飾りました。
そして海外GⅠ競走の香港カップに挑戦すると、ここでも見事に
優勝。
年が明けてもその勢いは止まらず、今度はダートGⅠ競走の
フェブラリーステークスに挑み、1番人気に応えて優勝する等、
GⅠ競走4勝を含む5連勝を飾りました。
そして再び海外遠征を行い、ドバイワールドカップでは6着に
敗れましたが、そのあしで再び香港に遠征して香港マイル優勝馬
エイシンプレストンと共にクイーンエリザベス2世カップに出走。
ゴール前でエイシンプレストンに差され、2着に敗れたものの
海外競走における日本馬による1,2着の独占は史上初の
出来事となりました。
香港から帰国後、連戦による疲労からか脚部不安や体調不良と
なったため、約1年間の休養に入りました。
旧馬齢7歳になり、交流重賞・かきつばた記念(名古屋)で復帰
したものの、4着と敗れ、年齢からも峠は越したかと思われ
ましたが、次に2年前に11着に敗れた安田記念に出走すると、
直線に入って外から追い込み、先に抜け出した新鋭のローエン
グリンを差し切り、1年4ヶ月ぶりに、そして何とレコードタイムで
奇跡の復活劇を演じました。
しかし、これがアグネスデジタルにとっての最後の勝利に
なりました。
この年の有馬記念を最後に引退して種牡馬となり、厳しい種牡馬
環境の中でも多くの重賞の勝ち馬を送り出しました。
国内外の競馬場で走り、芝やダートを問わず出走して優勝し、
中央、地方、香港でGⅠレースを3連勝する等、これ程オール
ラウンダーの活躍を見せた馬は日本の競馬史上で存在しない
と言われています。
現在24歳になったアグネスデジタルは、2020年に種牡馬を
引退し、十勝軽種馬農業協同組合種馬所で静かに余生を送って
いるとのことです。
今週は第26回のユニコーンステークスが行われます。
ダート戦線は主役の入れ替わりが激しく、とても難解な分野だと
思います。
注目は、前回強い勝ち方をしたゲンパチフォルツァと前回謎の
惨敗をしたラペルーズの巻き返しに期待します。
またここに全力と言っているルーチェドーロにも注目しています。
今週も全馬の無事を祈ってレースを見ます。



