先週行われました第82回優駿牝馬(オークス)は、1番人気

のソダシが直線半ばで失速し、アパパネの仔アカイトリノムスメ

が抜け出したものの、ユーバーレーメンが外から追い込んで

アカイトリノムスメを押さえて優勝。

先日亡くなられた岡田繁幸さんの思いを背負ったユーバー

レーベンが見事、樫の女王にも輝きました。

そしてゴールドシップ産駒として初のGⅠ制覇となりました。

ソダシは前半で引っ掛かっていましたし、まわりからのきつい

マークにもあい、苦しい展開になってしまいました。

そして、ソダシをもってしても、やはり血の宿命か、距離の壁を

乗り越えることはできませんでした。

ソダシが敗れた瞬間、天皇賞でハイセイコーが敗れ、翌日の

新聞が「泣くな ハイセイコー、血が悪い」と報じたことを、ふと

思い出してしまいました。

今回は残念でしたが、今後は短距離路線での活躍に期待します。

グランアレグリアとの新旧桜花賞馬による夢の対決を楽しみに

しています。

 

今週は、いよいよクラシックのクライマックス、競馬の祭典

第88回東京優駿(日本ダービー)が東京競馬場で行われます。

7398頭の頂点に立つ馬は、どの馬になるのか楽しみです。

今年は、ウオッカ以来14年ぶりに牝馬サトノレイナスが参戦し、

ウオッカ以来の牝馬のダービー馬が誕生という歴史的瞬間が

見ることができるのか注目です。

 

思い出のレースは、私がまだ小さい時に見て感動し、それ以来

競走馬と競馬ファンになって、今日に至る原点となった昭和44年

の第36回日本ダービーです。

競馬とはサラブレッドが競走するということは知っていましたが、

何気なく初めて見た競馬が日本ダービーでした。

この年は黒い弾丸と言われた皐月賞馬ワイルドモアが骨折により

ダービーへの出走できなくなり、混戦ダービーとなっていました。

新聞でベテランの保田騎手がヒンドスタン産駒でミノルという

良い馬が現れたため、引退を延ばしたという記事を読んで

レースではミノルを応援していました。

また1番人気に推されたタカツバキという馬の名が気に入った

ので、タカツバキも応援していました。

当時のダービーは28頭のフルゲートが当たり前で、見ている

側にとっては、壮観で迫力があって見応えがあって良かった

のですが、騎手や馬から見たら、位置取りで全馬が内側に

なだれ込んでくるため、とても危険で毎回命がけだったそうです。

またこの日は豪雨によって馬場は田んぼのような不良馬場に

なりました。

そして全馬がゲートインが終了し、係員が離れスタートが切られ

ましたが、その直後に歴史的事件が起こりました。

私が応援していた1番人気のタカツバキが他馬に挟まれた形で

いきなり落馬してしまいました。

スタンドからは、大きなどよめきが起こって騒然となり、実況して

いた鳥居アナも突然の出来事に動揺を隠せないようでした。

レースは不良馬場の中、名門尾形厩舎の三羽烏(ワイルドモア、

ミノル、ハクエイホウ)と言われたハクエイホウが逃げ、直後に

ダイシンボルガードとミノルがつける展開になりました。

当時、ダービーは4コーナーをまわる時点で先頭から10頭以内

にいないと勝てないと言われていました。

最後の直線に入ってハクエイホウが逃げ粘る中、皐月賞では

アクシデントにより惨敗してしまい、6番人気になっていた

ダイシンボルガードが鋭く伸びてハクエイホウをかわし、それを

保田騎手がミノルを懸命に押して追撃するもクビ差届かず、

ダイシンボルガードが見事ダービーの栄冠に輝きました。

このレースを見た私は、名馬達が激突する日本ダービーの迫力と

美しさに感動し、また落馬という大ハプニングを目の当たりにして

現在放映中の大河ドラマの渋沢栄一のようにワクワクや

ドキドキが1日中止まりませんでした。

そして後に知った話で、ダイシンボルガードの石田厩務員が

自分の馬が勝ったと言って喜びのあまり、レース中のコースに

乱入する騒ぎもあり、あまりに前代未聞のいろいろな出来事が

起こってしまった日本ダービーは深く私の心に残りました。

この日以来、競走馬の美しさ、人と馬の織り成すドラマがある

競馬に魅了され、子どもながらも毎週競馬中継を見るように

なりました。

優勝したダイシンボルガードはその後、大舞台のレースでは

善戦したものの優勝には至らず、ダービー以降は14戦2勝の

戦績で当時の馬齢5歳時に優勝したダイヤモンドステークスが

最後の勝利となりました。

昭和46年の有馬記念での3着を最後に引退し、種牡馬になるも

当時の内国産種牡馬の不遇時代の中で産駒にも恵まれず、

1987年、20歳の生涯を終えました。

また、ダービーで1番人気となり、私も馬名が気に入って応援して

いたタカツバキは、やはりダービーでの落馬でツキに見放された

のか、その後7戦するも条件戦での2着が2回に止まり、知らない

うちに競馬場から姿を消してしまいました。

 

今週はいよいよ伝統の第88回東京優駿(日本ダービー)が

行われます。

注目はやはり、無敗で皐月賞を勝ったエフフォーリアでしょう。

それと何と言ってもオークスを止めてダービーに参戦してきた

牝馬のサトノレイナスにも注目です。

その他では距離が伸びて巻き返しに期待するグラティアスと

タイトルホルダー、調子が上向きなステラヴェローチェに注目

しています。

昨年のコントレイル同様に無敗のダービー馬が誕生するのか、

新たなスターホースが現れるのか、それとも14年ぶりの牝馬の

ダービー馬が誕生するのか注目です。

今週も全馬の無事を祈りながらレースを見ます。