先週、桜雨の中で行われました大阪杯は、無敗の三冠馬

コントレイルと2階級の最速女王グランアレグリアとの夢の対決

に注目が集まりましたが、遅れてやって来た小さな女王レイパパレ

が人気馬3頭を退けて圧勝し、無傷の6連勝を飾りました。

また強い牝馬がすい星のごとく現れ、今年も牝馬が主役になり

そうです。

今後、どこかで女王デアリングタクトとの対決が楽しみです。

圧倒的な人気を集めたコントレイルは長い距離が合わないとの

方針でアリストテレスと再戦せずに 大阪杯に出走しましたが、

新女帝レイパパレの前に敗れてしまいました。

敗因は経験したことが無い重馬場が影響したと言われて

いますが、天皇賞より大阪杯をとって挑んだ以上、歴史に残る

3冠馬として、例えどんな状況であっても、もっと良いレースを

して欲しかったと思います。次回での巻き返しに期待します。

今週は、いよいよクラシックが始まり、桜の女王を決める第81回

桜花賞が阪神競馬場で行われます。

私は昔から桜花賞が大好きで、春を告げる満開の桜の中で

若い乙女たちによる桜の女王を決める戦いは、華やかさと

美しさとスピード感があって、毎年本当に楽しみにしています。

思い出の馬は、名門那須野牧場の生産馬でオークス優勝馬

ナスノチグサの姉で昭和46年第31回優勝馬ナスノカオリです。

最近は欧米的?で本当に読むのも覚えるのも難しい馬名が多く、

昭和人の私はなかなかついて行けなくなってしまいました。

昭和期の馬名は日本的で覚えやすく、とても良かったと思います。

ナスノカオリは性格も穏やかだったらしく、馬名も勝負服も

可愛らしくて、とても綺麗な馬でした。

それに主戦ジョッキーも牝馬に乗せたら右に出る者がいないと

言われた故嶋田功騎手だったことも印象深く残っています。

嶋田功騎手と聞くと、どうしても昭和44年のタカツバキ落馬が

思い出されてしまうのですが、その後の牝馬によるクラシックや

重賞を制覇した騎乗ぶりは素晴らしかったと思います。

ナスノカオリは新馬、特別戦に優勝する等、順調にクラシック

路線に乗り、桜花賞トライアルでは2着に敗れたものの、

本番の桜花賞では見事1番人気に応えて圧勝し、桜の女王に

輝きました。

この後オークストライアルレースにも快勝して2連勝を飾り、

この勢いのままにオークスに出走しました。

当然1番人気に推されたものの、結果は10着に敗れてしまい

人気を裏切りましたが、競馬関係者からは、距離が合わなかった

のではないかと言われました。

そのため、当時の牝馬3冠目のビクトリアCは断念し、別の路線を

歩みましたが、当時はまだ牝馬や短距離系のレース構成が整って

おらず、牡馬との混合重賞レースに出走するも、勝ち星から

見放されてしまいました。

年が明けて古馬になったナスノカオリは夏から秋にかけては

ローカル競馬に活路を求めて出走し、それが功を奏して新潟の

BSN杯でオークストライアル以来の勝ち星をあげ、新潟日報賞

にも勝ちました。

その後も新潟記念や関谷記念では惜敗したものの、福島での

河北新報杯に勝ちましたが、これが現役最後の優勝となりました。

そして1972年の有馬記念を最後に引退し、繁殖入りしました。

繁殖を引退してからは静かに余生を送り、1997年7月28日、

30歳の天寿を全うして天国へ旅立ちました。

今週の第81回桜花賞は大変面白いメンバーが揃いました。

注目はやはり白馬ソダシで、もし優勝ということになれば世界中に

打電され、話題になることは間違いありません。

そして名牝アパパネの仔アカイトリノムスメにも注目です。

あるスポーツ紙ではこの2頭の有力馬について、毛色と名前から

紅白馬合戦とも書いていました。

そして休み明けで満を持して挑む実力馬サトノレイナスやメイケイ

エールに注目しています。

本当は満開の桜の下で桜花賞が行われることが喜ばしいですが、

昨今の気候変動の影響で中々難しくなっているのは残念です。

クラシックの開幕を告げる桜花賞、今週も全馬の無事を祈りながら

そして華やかで素晴らしいレースを期待しながらレースを見ます。