先週のきさらぎ賞は3番人気ラーゴムがヨーホーレイクの追撃を

おさえて優勝し、クラシックへ名乗りを上げました。

前走のホープフルSで逸走したランドオブリバティがまさかの

1番人気になりましたが、スタート直後の不利や前走の逸走の

影響で他馬の迷惑にならない後方からのレースとなって3着に

敗れました。

2着のヨーホーレイク同様に注文がつくものの、光るものもあり

ましたので、これからに期待したいと思います。

今週は東京競馬場で第55回共同通信杯トキノミノル記念が

行われます。

昭和期は当時の馬齢から東京4歳ステークスと呼ばれていて

トキノミノル記念という名称でも親しまれていました。

名馬を冠とするレースが無くなっていく中で昨年から弥生賞に

ディープインパクト記念となったことは大変嬉しいことです。

昭和期では、この時期通常、関西馬はきさらぎ賞、関東馬と

条件がそろって東上した関西馬達が現在の共同通信杯に

出走する形でしたが、今年の状況を見てもきさらぎ賞出走馬の

半数近くが関東馬でしたし、今週の共同通信杯には半数以上の

関西馬が出走を予定しています。

通常はこの後、弥生賞またはスプリングSを経て、皐月賞、

日本ダービーというローテーションになります。

そのため4歳馬(現3歳馬)にダービーまでに1度東京競馬場を

経験させるには、このレースを使うことがうってつけであり、

関西のクラシック有力馬で出走可能な馬は、このレースから

関東に参戦してくる場合が多かったです。

因みに昔は、ダービートライアルレースとしてNHK杯もあり

ましたが、現在はレース体系も変わってしまっています。

それぞれの陣営の考え方があると思いますが、昭和人の私には

最近の東西における出走レースの選択方法は、よく判りません。

あくまでもクラシック路線に拘らない、馬に合わせたローテーション

を組んでいるんでしょうか。

 

私の思い出のレースは、狂気の逃げ馬と言われたカブラヤオーと

女傑テスコガビーの競馬史上に残る名勝負となった昭和50年

第9回東京4歳Sトキノミノル記念(現共同通信杯)です。

3連勝でクラシック候補に名乗りを上げたカブラヤオーとデビュー

以来、破竹の4連勝戦後最強の牝馬とも言われた女傑

テスコガビーの最強牡馬牝馬の対決が実現しました。

レースは、テスコガビーではなく、カブラヤオーが逃げ、直線に

入り、テスコガビーが並びかけたとき、カブラヤオーの癖が

さく裂して右に大きくよれ、影響を受けながらも猛然と追い込む

テスコガビーをふらつきながらも何とかおさえて優勝。

カブラヤオーの斜行で大きな不利を受けたテスコガビーは首差

およばず2着に敗れましたが、後に語った菅原騎手の話では、

実際はテスコガビーの方が強かったとはっきり語っています。

この後カブラヤオーは皐月賞、ダービーに優勝して二冠馬に、

またテスコガビーも桜花賞、オークスに優勝して牝馬二冠に

輝きました。

しかし、その後両馬とも故障を発症し、夏を無事に超すことは

出来ずに三冠目を制することは出来ませんでした。

テスコガビーは1年後に復帰するものの再び故障を発症し、

その後復帰を目指していた調教中に心臓麻痺を起こして急死

するという悲運な最期をむかえてしまいました。

名牝テスコガビーの死は、馬産地や競馬関係者に衝撃を与え、

日本競馬の損失と言われました。

共同通信杯が2頭の名馬による最初で最後のレースになって

しまったことは、本当に残念です。

今週の共同通信杯は、やはり朝日杯2着のステラヴェローチェが

人気になりそうですが、初の斤量57キロがどのように影響する

のか、また兄に皐月賞馬アルアインを持つ、大器との呼び声が

高いシャフリヤールが初コース、初の左回りでどのようなレースを

するのか注目です。

また関東馬では新馬戦で強い勝ち方をしたディオスバリエンテに

注目していますが、成長著しい3歳馬ですから、どの馬が勝っても

不思議ではありません。

今週、新たにクラシックに名乗り出るのはどの馬か、今週も

全馬の無事を祈ってレースを見ます。