今年も中央競馬が東西の金杯を皮切りにスタートしました。

昭和時代から荒れる金杯と言われて来ましたが、今年も期待に

違わず荒れる金杯となりました。

今週は、第55回シンザン記念が今年は史上初の中京競馬場で

行われます。

シンザン記念は、戦後初のクラシック三冠を制し、天皇賞、

有馬記念にも優勝した五冠馬シンザンを称えるため、1967年に

シンザン記念として創設されました。

創設後、しばらくシンザン記念の優勝馬からクラシック馬が

誕生しなかったため、シンザンに焼きもちをやいている馬達に

呪われたシンザン記念と言われた時代がありましたが、

タニノギムレットやジェンティルドンナ等のクラシック馬が誕生し、

そしてアーモンドアイの誕生で今ではクラシックレースの登竜門

と言われるようになりました。

昭和期、偉大な名馬シンザンを超える競走馬の育成を図るため、

JRAは「シンザンを超えろ!」というスローガンを掲げましたが、

その後シンボリルドルフ、ナリタブライアン、ディープインパクト等の

名馬達が現れ、逆にいつしかその言葉も聞かれなくなってしまい

ました。

 

思い出の馬は2002年第36回優勝馬タニノギムレットです。

ダービー馬タニノハローモアやタニノムーティエ、天皇賞や有馬

記念に優勝したタニノチカラを輩出した今は無き名門カントリー

牧場の生産馬です。

シンザン記念に優勝したタニノギムレットはその後、クラシックで

活躍し、2002年のダービーでタニノムーティエ以来、32年ぶりに

カントリー牧場とタニノ一門に優勝をもたらしました。

その瞬間、長年言われ続けたシンザン記念の優勝馬はクラシック

には勝てないという呪縛から解き放たれたのかも知れません。

残念ながらタニノギムレットはダービーの後、左前浅屈腱炎を

発症したため、引退しましたが、種牡馬としても2007年に

牝馬としてクリフジ以来63年ぶりとなるダービーに優勝した

名牝ウオッカを送り出しました。

そして昨年の7月に種牡馬を引退し、現在は北海道の日高町に

あるヴェルサイユリゾートファームで余生を送っています。

 

今年のシンザン記念は、牝馬ククナに注目します。

昨年は2020年の年度代表馬に選ばれたアーモンドアイや

ラッキーライラック、クロノジェネシス、グランアレグリア、ノーム

コア、サラキア等、数多くの牝馬が活躍しましたが、今年も白毛馬

ソダシを筆頭に牝馬の活躍が続くのか、それとも新星が誕生する

のか、シンザンの功績に改めて敬意を表しながらレースを見ます。