連週にわたり記録的なレースが続く中、今週は第37回マイル
チャンピオンシップが京都競馬場の改修工事に伴い、初めて
阪神競馬場で行われることになりました。
日本の競馬における競走体系は、長距離競走に勝つ馬が強い馬
であるとの考えから、長い間長距離競走が重視されてきました。
長年にわたり競馬を見てきた昭和人の私にとっては、正直、
今でもそういった思いがあることは否定できません。
昭和50年代に入って、スピードも重視されるようになってきた
ことから競走体系の見直しが行われ、短距離競走の充実を図る
目的で、1984年マイルチャンピオンシップが創設され、春に
行われる安田記念と共にマイルのチャンピオン決定戦として
位置づけられています。
思い出の馬は、笠松競馬から中央に移籍し、数多くの奇跡や
ドラマを生んで、多くのファンを魅了したオグリキャップです。
中央に移籍後、いきなり重賞レースに6連勝し、有馬記念にも
優勝するなど、怪物の名に恥じない見事な活躍を見せました。
翌年、古馬になったオグリキャップは脚部不安を発症したため、
前半戦は休養することになりましたが、秋を向え、その分を取り
戻そうとしたのか、この後4ヶ月の間に重賞6戦という、今では
もちろんのこと、当時でも物議を呼んだ過酷なローテーションで
南井騎手と共にレースに挑むことになりました。
オールカマー、毎日王冠に勝ったオグリキャップは天皇賞に
出走、しかし、直線で進路が取れず追い出しが遅れたため、
惜敗してしまいました。
後に鞍上の南井騎手は勝てたレースだったのに自分のミスで
負けてしまったと語っています。
この後、ジャパンカップに向かうと思われていましたが、何とマイル
チャンピオンシップから連闘でジャパンカップに向かうとの発表が
あり、これだけの実績を残している名馬に対し、本当に常識では
全く考えられない、とても理解できないローテーションでした。
馬ファーストではなく、稼げる内に稼げるだけ稼ごうと思っている
としか思えないような使い方でした。
オグリキャップが出走した第6回マイルチャンピオンシップは
あまりに感動的な結末となり、伝説のレースとなりました。
オグリキャップはまたしても第4コーナーで進路を確保できない
状況に陥り、前方でレースを進めていたバンブーメモリーとの
間に誰が見ても絶対に届かないと思わせる程の差が生まれて
いましたが、直線で進路があいたオグリキャップは、とても
信じられない、神がかった猛烈な追い込みで逃げ込みを図る
バンブーメモリーに迫り、2頭は、ほぼ同時にゴール板を
駆け抜けました。
杉本アナの思わず出た「負けられない南井克己、譲れない武豊」
の名実況は、今でも語り草になっています。
写真判定の結果、オグリキャップがハナ差で優勝。
勝利騎手インタビューで南井騎手は、天皇賞を自らの騎乗ミスで
負けたので、今回は絶対に負けるわけにはいけないという決意で
レースに臨んだにもかかわらず、またしても進路がとれないという
厳しい状況の中で、オグリキャップの頑張りに救われたという
想いと、こんな過酷なローテーションの中で一生懸命に走っている
オグリキャップへの想いが溢れたのか、南井騎手が泣きながら
インタビューに答えている姿を見て感動し、私も思わずもらい
泣きしてしまいました。
このオグリキャップとバンブーメモリーが演じた名勝負は、競馬
史上に残る名勝負として長く語り継がれいくことでしょう。
今年のマイルチャンピオンシップは、安田記念でアーモンドアイを
やぶり、スプリンターズステークスでも強烈な切れ味で勝った
グランアレグリアと中距離に路線変更し、毎日王冠で古馬相手に
強い勝ち方をしたサリオスの2頭が抜けた存在であると
思いますので、やはりこの2頭に注目しています。
今回も古馬対3歳馬の面白い戦いになりそうです。
また、今年は牝馬大活躍の年でもあることから、休養明けに
なりますが、レシステンシアにも注目しています。
毎週、歴史的記録やドラマが続いていますが、今週も全馬の
無事を祈りながら、レースを見ます。
