先週のセントライト記念は春のクラシック組のサトノフラックや
ガロアクリーク、未知の魅力のフィリオアレグロが夏を境に
無敗のコントレイルの三冠制覇を阻止できる馬に成長したかに
注目していましたが、残念ながら3頭とも全くの期待外れに
終わりました。
逆に夏の上り馬の関西馬バビットの果敢な逃げが素晴らしく、
京都の三千はマイラーでも持つと言われた菊花賞で、
コントレイルに一泡吹かせるため、スローペースに持ち込んで
逃げ切りを図った時は、面白いかも知れません。
今週は、関西での菊花賞トライアル第68回神戸新聞杯が
中京競馬場で行われます。
昭和期から平成の最初にかけて、菊花賞トライアルレース
として神戸新聞杯と京都新聞杯がありましたが、菊花賞の
開催が変更となったことで、京都新聞杯が春に移動になり、
そのため、神戸新聞杯が関西での唯一の菊花賞トライアル
レースになりました。
菊花賞は京都競馬場で行われることから、1999年までは
京都を一度経験させたい陣営は、京都新聞杯を使って
来たため、菊花賞での重要な参考レースとなっていました。
しかし、今年の神戸新聞杯は阪神どころか、何と左回りの
中京競馬場で行われるとのことで、このレースが本当に
菊花賞の参考レースとなりうるのかが難しいところです。
私の神戸新聞杯での思い出の馬は、1973年の優勝馬
ホウシュウリッチです。
昭和48年は怪物ハイセイコーの出現によって第一次競馬
ブームが起こり、この年は関東の3強ハイセイコー、タケホープ、
イチフジイサミが強かったですが、関西の期待馬として
覆面の魔王の異名をとったホウシュウエイトの他、僚馬の
ホウシュウリッチにも期待がかかり、その期待に応え、見事に
優勝し、菊花賞に果敢に挑戦したものの3強の厚い壁の前に
敗れてしまいました。
その後、ホウシュウリッチは勝利から見放され、菊花賞馬にも
関わらず障害に転向した父ダイコーターと同様に最後は障害に
転向する等、数奇な運命を辿ることになりました。
今年の神戸新聞杯は圧倒的強さのコントレイルに対し、
春のクラシック組のヴェルトラウゼンデ、ディープボンド、
マイラプソディが夏を超してどこまで成長を見せているのか、
それとも予想しない上り馬が出現するのか注目です。