先々週、数多くの名馬を生産した名門吉田牧場が生産を終了
するとの衝撃的なニュースが北海道より飛び込んできました。
吉田牧場は1897(明治30)年に創業し、120年余りの歴史を
誇る北海道を代表する名門牧場で、あの伝貧事件で知られる
クモワカの子である桜花賞馬のワカクモ、有馬記念馬リュウズキ
をはじめ、顕彰馬に選出され「流星の貴公子」と呼ばれた
テンポイントや香港国際カップ等を制したフジヤマケンザン等、
数多くの名馬を生産してきました。
私は牧場めぐりの際は、必ず最後に吉田牧場を訪ねさせて頂き、
前々代表のお母さまで上品で本当に優しくて素敵なおばあちゃま
からテンポイントが悲運の死を遂げた後、北海道にその遺体が
輸送され牧場に埋葬されるまでの様子等、いろいろなお話を
聞かせて頂きました。
テンポイントの死の時は、牧場でも深い悲しみに包まれ、雪が
降りしきり多くの人が見守る中、埋葬されたそうです。
その時、母ワカクモは息子の死が判ったかのように天高く嘶いた
と仰っていました。
祖母クモワカと母ワカクモは11勝で競走生活を終え、テンポイント
とテンポイントの弟キングスポイントは11勝した後、骨折により
この世を去っています。
これは偶然の一致なのでしょうか。
私にはとても偶然とは思えません。
吉田牧場の丘の上にあるテンポイントのお墓は今でも多くの
ファンが訪れ、今でも供花が絶えたことが無いそうです。
私は、多くの牧場を巡らせて頂きましたが、この吉田牧場は、
昔ながらの牧場の形を残した最後の牧場だと思っています。
静寂の中、昔ながらの牧場の風景が広がり、本当に心が洗われ
癒される、本当に素晴らしい牧場でした。
とても残念で淋しい限りです。
競馬の歴史を語るうえでも数少ない貴重な牧場だと思います。
JRAでも農林水産省でも良いので、何とか文化遺産として
後世まで、今の牧場のままで、残していって欲しいものです。