今週は、京都競馬場で伝統のレース第161回天皇賞が行なわれ
ます。
これまで見てきた天皇賞には、多くの思い出がありますが、やはり
一番悔しい思い出の天皇賞は昭和49年第69回の天皇賞です。
中山記念でライバルタケホープに大差で圧勝し復活を果たした
ハイセイコーに期待が集まったものの、直線で伸びずに6着に
沈み、再びタケホープの後塵を拝することになってしまいました。
昔から菊花賞が行なわれる京都の3,000mは何故かスローペース
になるため、マイラーでも距離をこなせるが、天皇賞の3,200mは
何故かスローペースとはならない傾向があって、最後はスタミナ
勝負になるため、真のステーヤーしか勝てないとレースと言われ
ていました。
ハイセイコーの母の父が短距離系種牡馬のカリムであったため、
ハイセイコーにとっては、距離がもたなかったのかも知れません。
翌日のスポーツ紙は「泣くなハイセイコー血が悪い」との記事が
掲載され、当時悔しさと共にハイセイコーに対する暖かい記事に
涙しました。
そして私が競走馬の血統に興味を持つキッカケともなったレース
でもありました。
かつてアローエクスプレスやカネイコマもクラシックのトライアル
レースでは活躍したものの、距離が長くなるにつれ苦戦して
いたのも、血統を考えると納得できるものでしたし、競馬の奥深さ
を改めて感じました。
今年の天皇賞には、残念ですが昨年のクラシック優勝馬の参戦
はなく、また予想どおり、大阪杯出走組からの参戦もありません。
距離の順応性によって大阪杯組と天皇賞組にはっきり分かれて
しまったようです。
私としては伝統の天皇賞で新旧の実力馬達が一堂に会しての
激突を見てみたかったのですが、仕方がありません。
今年の天皇賞には、昨年の覇者フィエールマンや菊花賞馬
キズナ、日経賞の勝馬ミッキースワロー、阪神大賞典の勝馬
ユーキャンスマイル、無冠の実力馬エタリオウ等、名立たる
スタミナに自信があるステイヤー達が出走します。
かつて旧メジロ牧場の北野オーナーは、天皇盾を獲得するため、
天皇賞に執念を燃やしました。
3,200mの天皇賞に優勝する馬こそが真の実力馬で名馬で
あるという信念の元、天皇賞馬を生産することに情熱を注いで
いました。
私も数あるGⅠレースの中でも、ダービーや有馬記念と共に
伝統ある天皇賞を最重要視しています。
私も馬主であったら、やはり天皇盾に非常に魅力を感じ、絶対に
獲得したいと執念を燃やしていたと思います。
数々のドラマを生んできた天皇賞、今年はどのようなドラマが
展開するのでしょうか。
真のステイヤーを決める春の大一番です。
令和初を飾るにふさわしい、素晴らしいレースを期待します。
そして、全馬の無事を祈りながらレースを観ます。