今週は、中山競馬場で牡馬クラシック初戦、第80回皐月賞が

行なわれます。

残念ながら今週も先週の桜花賞に引き続き、無観客での開催に

なりました。

せっかくのクラシックシーズンの開幕なのに残念でなりません。

私の思い出の皐月賞と言えば、やはり昭和48年のハイセイコー

が優勝した第33回皐月賞です。

大井競馬から無敵の6連勝で鳴り物入りで中央に移籍し、マス

コミからも大きく取り上げたため、怪物ハイセイコーは社会現象

にもなり、老若男女を問わず、多くのファンに愛されました。

後に昭和48年の顔としても後世にその名を刻むことになります。

弥生賞とスプリングSを連勝し、怪物としての片りんを見せた

ものの、勝ち方が圧勝という感じでは無かったため、クラシック

制覇に向けて、皐月賞はハイセイコーにとって、真価が問われる

レースとなりました。

皐月賞には、トライアルレース組の他、毎日杯に優勝し、関西の

エースとして東上してきたホウシュウエイト、上り馬カネイコマや

タケホープと共に後のライバルで3強と呼ばれることになる

イチフジイサミ、そして、まだ今ほど大きな牧場では無かった

当時の社台牧場からはシャダイオーが打倒ハイセイコーを

目指し、参戦しました。

当時、中央競馬の中で地方競馬出身馬に対する風当たりは強く、

中央競馬の威信にかけて、地方競馬上りにクラシックを絶対に

勝たせるわけにはいかないと関係者の間では言われていました。

昭和48年の皐月賞は、まさにハイセイコー対そのほか出走馬

15頭との戦いとなり、ハイセイコーは終始全馬から徹底的に

マークされ、打倒ハイセイコーの包囲網の中での競馬となり

ましたが、そんな状況にものともせずに、直線で抜け出して、

怪物らしい堂々としたレースで圧勝しました。

実況アナも「やっぱり強かったハイセイコー」と絶叫し、私も応援

していたハイセイコーが優勝して歓喜したものでした。

オールドファンである私の今までの認識では、皐月賞優勝馬は

弥生賞、スプリングSや毎日杯等のトライアルレースか、または

当時の東京4歳Sの出走馬からで、皐月賞前に必ずいずれかの

レースをひと叩きしてから本番に挑みましたが、今年の有力馬

2頭、コントレイルとサリオスは、ホープフルS、朝日FSからの

参戦となり、最終出走から3ヶ月以上となるため、昔の言い方で

言えば、ぶっつけで皐月賞ということになります。

調教方法の進化により、それでも問題がないのかも知れませんが

今年の皐月賞は従来どおりのトライアルレース等の王道を歩んで

きた馬が勝つのか、それとも別路線からぶっつけで出走してきた

馬が勝つのか、注目しています。

天に召された1993年皐月賞馬ナリタタイシンのご冥福を祈り

ながら、そして全馬の無事とレースの無事を祈りながら、今年の

皐月賞を観ます。