今週は、GⅠレース大阪杯が阪神競馬場で行われます。

新型コロナウイルス感染の拡大が止まらない中、今週も無観客

での競馬開催となってしまい、せっかくのGⅠレースも大歓声も

無く、淋しい限りですが、この状況では仕方がありません。

但し、競走馬達にとっては、喜ばしいことかも知れませんが。

大阪杯は、2017年からGⅠレースに昇格して行われるように

なりました。

以前は天皇賞の前哨戦として東の日経賞、西のサンケイ大阪杯

として行われていました。

元々古馬にとっての春の最大の目標は天皇賞であり、東は

中山記念や日経賞から、西はサンケイ大阪杯や鳴尾記念から

天皇賞に向かい、その後は体調を見て、宝塚記念に向かうと

いうのが参戦パターンでした。

JRAも春のGⅠレース路線を組みたかったかも知れませんが、

正直、ホープフルステークス同様、天皇賞があるにも関わらず、

なぜこの時期に大阪杯がGⅠレース?という思いがあります。

GⅠレースの乱立は、重賞レースの価値を無くすばかりでなく

競馬の歴史上にとってもあまり良くないしと思いますし、もっと

GⅠレースの重みと価値と伝統を大切にして欲しいと思います。

今週の大阪杯にはダービー馬2頭や有馬記念優勝馬等、GⅠ馬

5頭が出走し、本当に楽しみなレースでありますが、しかし、

この後何頭の馬が天皇賞に向かうのでしょうか。

春の天皇賞は京都の3,200mで行われます。

3,000mで行われる京都の菊花賞はマイラーでもこなすが、天皇賞

は真の実力とスタミナが無いと勝てないと言われています。

菊花賞は何故かスローペースになってしまいますが、天皇賞は

毎年よどみのないペースになるため、実力と共にスタミナも

優勝するには重要な要因になってきます。

春の天皇賞は、クラシック馬やクラシック路線で惜敗した馬、

古馬になって頭角を現した馬、そして古馬の実力馬や長距離路線

に挑戦する中距離系実力馬等が一堂に会して真の実力馬を

決めるレースとして毎年、いろいろなドラマがあり、本当に楽しみ

にしていました。

今のレース体系では大阪杯出走馬は、ほとんどの馬の次走は、

宝塚記念に向かうことになり、伝統の天皇賞での各路線からの

名馬達の激突は見られなくなってきています。

秋の天皇賞、ジャパンカップ、有馬記念の3レースを制覇するのは

並大抵では出来ませんし、馬の負担が大きすぎるため、故障を

恐れて、そのような使い方はしません。

同様に大阪杯、天皇賞、宝塚記念の3レースに出走する馬は、

馬のことを思えば、まずあり得ません。

中距離系の馬は大阪杯、長距離系の馬は天皇賞とはっきり

分かれてしまうことが本当に良いのかどうか、難しいところです。

いずれにしても今週は、昨年のクラシック馬の出走はあり

ませんが、ダービー馬ワグネリアンやマカヒキ、有馬記念馬

ブラストワンピースやクロノジェネシスやラッキーライラック等の

GⅠ馬の他、中山記念優勝馬ダノンキングリーが参戦し、

実力馬達による歴史に残る好レースを期待します。

そして迷えるダービー馬マカヒキは、昭和期の馬齢でいえば

8歳馬になります。

私が長年見てきた競馬において、8歳まで走ったダービー馬は

記憶にありません。

マカヒキにはダービー馬にふさわしい良い花道が出来ることを

心から祈っています。