今週は、上半期の最後を飾る大一番、宝塚記念が行われます。

薬物禁止飼料の影響で、モヤモヤ感はありますが、名馬達の

名勝負で嫌な感じを振り払ってもらいたいものです。

夏の有馬記念とも言われてきた宝塚記念、歴代の優勝馬は、

名馬がズラリと並びます。

宝塚記念での思い出の馬は、ハイセイコーとメジロライアンです。

両馬は、共に菊花賞と春の天皇賞で優勝を期待されながら

敗れたものの、この宝塚記念で見事に無念を晴らしました。

ハイセイコーは、菊花賞、春の天皇賞でタケホープに敗れた

結果、怪物返上、怪物落城、普通の馬になった等と散々

マスコミに書かれていただけに、ハイセイコーの大ファンである

私にとって、この宝塚記念での勝利は、本当に嬉しかったです。

メジロライアンもファンの多い馬でしたが、期待された菊花賞、

春の天皇賞でメジロマックイーンに敗れ、無冠の帝王と呼ばれて

いました。

宝塚記念で同門での宿敵メジロマックイーンを破って優勝し、

ようやくGⅠホースとなったメジロライアン。

当時の横山騎手の満面の喜びの顔は、忘れられません。

 

そして宝塚記念で絶対に忘れられない名馬がいます。

その名はライスシャワー。

小さな体でクラシック路線を戦い、あの坂路の申し子と呼ばれた

ミホノブルボンを菊花賞で破って優勝し、そして春の天皇賞では

名馬メジロマックイーンの三連覇を阻止して優勝。

2年後の春の天皇賞で再び優勝し、名ステイヤー、小さな巨人

とも呼ばれた名馬でした。

天皇賞に優勝した後、疲れが見えたため、宝塚記念への出走は

断念する予定でしたが、ファン投票でも1位に選出され、コースも

この年は阪神淡路大震災の影響で得意な京都競馬場で行われる

ことになったため、出走に踏み切りました。

しかし、後に当時のある番記者は、天皇賞の後のライスシャワー

の様子は、とても疲れており、こんな疲れた顔のライスシャワーを

見るのは初めてだったとコメントしています。

宝塚記念当日のパドックでのライスシャワーの様子も元気が無く、

心配するファンも多くいたようです。

ライスシャワーは、自分の運命を既にその時に判っていたので

しょうか。

ファンの期待に応えるため、出走したライスシャワーは、どんな

気持ちだったのでしょうか。

3コーナーで自らスピードを上げた直後に前のめりになって転倒し

左第一指関節開放脱臼、粉砕骨折を発症。

診療所まで運ぶことができずに、その場に幔幕が張られた中で

安楽死の措置が執られました。

落馬負傷した的場騎手は、調教師より、むごい姿になった

ライスシャワーに会わない方がいいと言われましたが、ずっと

戦ってきた友のもとに駆け寄り、体にすがりながら、号泣した

そうです。

あっという間に天に召された小さな巨人ライスシャワー。

翌1996年9月7日には京都競馬場内にライスシャワーの遺髪が

収められた記念碑が建立され、現在でも多くの献花・供え物が

絶えたことが無いそうです。

 

今年の人気投票1位のアーモンドアイが出走しないのは、残念

ですが、決して無理することはありません。

ライスシャワーの悲劇が再び起こらないように馬ファーストで

考えてあげて欲しいです。

今年もレースの無事と全馬の無事を祈って宝塚記念を見ます。