今週は、中山競馬場でクラシックの登竜門となる弥生賞が

行われます。

弥生賞の思いでの馬は言えば、やはり昭和48年の弥生賞の

優勝馬ハイセイコーです。

大井競馬場で無敵の6連勝で怪物と呼ばれ、地方競馬から

鳴り物入りで中央競馬に移籍し、その初戦が弥生賞でした。

マスコミは、血統もあまり良くなく、エリートではない地方出身馬

が6連勝をして中央競馬に挑戦すると報道し、盛り上げました。

やはり同じ境遇の人達は、ハイセイコーに自分を重ね、夢を

託して応援し、マスコミの報道も過熱し、日本中の人達がこの馬

に注目をすることになりました。

いくら地方で強くても血統が良くて選りすぐられた中央の馬達に

本当に勝てるのか、初の芝コースでどうなのかという不安や、

当時は、中央競馬のプライドにかけて地方の馬なんかには

勝たせないという雰囲気もあって、日本中が注目するレースと

なりました。

多くの観客が怪物ハイセイコーを一目見ようと中山競馬場に

詰めかけ、競馬場は異様な雰囲気に包まれました。

昭和48年はオイルショックにより、日本が不景気に陥り、

先行きの不安から日本中が暗くなる中、人々はヒーローの

出現を待っていました。

そんな中、怪物として現れたハイセイコーに人々はヒーロー

を期待し、夢を託したのかも知れません。

この注目の弥生賞には、後のダービー馬であり、ライバルと

なるタケホープとも初対戦となりました。

レースは、ガーサントの子ニューサントが逃げ、4コーナーで

ハイセイコーが勝負に出るも、中央競馬の意地か、ニューサント

が最後まで粘って手こずるも、最後にかわしてハイセイコーが

優勝しました。

圧勝では無かったものの、新ヒーローの誕生に日本中が歓喜

しました。

そしてハイセイコーの名は、競馬ファンだけでは無く、子供から

大人まで知れ渡り、子供たちは馬を見るとハイセイコーと答える

など、日本のヒーローとなり、アイドル馬の誕生となりました。

但し、この弥生賞でニューサントに粘られ苦しめられたことが

後のダービーでハイペースの中、ニューサントを追いかけざるを

得なくなり、初の敗戦に繋がることになるとは、この時、誰も

知る由はありませんでした。

クラシックの登竜門として歴代優勝馬には、名馬が連なる

弥生賞。

今年はどのようなドラマが繰り広げられるのでしょうか。