家族の心に数えきれない想い出と笑顔をいっぱい遺して旅立ちました。
肝細胞癌と宣告されてからの2年9ヶ月を、書き留めていた『そら日記』を読み返しながら、そらの想い出、今の日々を交えながら綴っていきます。
2019年11月にtime slip
2019年11月
13歳のお誕生日を迎えるそらと
お祝い旅行に出かけた
最後の一泊旅行
「もう一度来れてよかったね」
何度も口にしてた
肝細胞癌の手術をして
1年半
再発が分かって
1年2ヶ月
少しずつ
何かが変わってきた
食べむらが出てきた
体重が減っていく
そらにとって
怖くて仕方ない病院
「もう最後にするからね」と
約束して受けた
最後の
大学病院での診察
帰りに立ち寄った公園で
楽しい事したね
もう嫌がる事はしないよ
そらが何?って
不安になる顔もしない
しょんぼりなんてさせないよ
だから
どうした?なんて
そらを心配する声かけもしない
『そら日記』より
『そら日記』より
2019年11月5日(火)
ホテルチェクイン後
その後
ホテル前にある公園を
散歩した
しっぽピンと上げて
嬉しそうに歩いた
この公園は『豊公園』と言って
琵琶湖湖畔に広がる
長浜城跡に造られた公園
ライトアップされた長浜城
遊歩道歩いてると
波が静かに打ち寄せる音がして
そらは
真っ暗な湖に向かって
歩いて行きたそうだった
生後9ヶ月で
はじめて海に行った時
いつもは慎重派で
怖がりくんのはずが
波を怖がることなく
はじめての海に大喜びした
そんな
はるか昔…12年くらい前の事
ふと思い出した
夕食は
お部屋でいただく
私たちは『京風会席料理』
そらには6種類のメニューから
『鶏むね肉のヴァプール』を注文した
お誕生日ケーキを
プレゼントしていただいた
ヴァプールって何?
フランス料理の蒸し料理のことだった
これがまぁ気に入った
ここ最近のそらのごはんタイムは
呼んでもなかなか来ない
ドッグフードはよけながら
なんとか食べる
そんな感じだったのが
まぁ美味しそうにパクパク
ドッグフードもパリポリ
ワンちゃん用のお料理が
いちはやく運ばれてきて
僕のだって分かったのか…?
旅行の雰囲気がいいのか…?
ただお腹が空いていたのか…?
理由は何でもいい
パクパク食べるそらが
目の前にいるだけで
私は嬉しくてしかたがなかった
自分のごはんが終わったら
コテンとお利口に寝んね
頃合い見計らって
むっくり起きて
「僕の分ありますか?」って
もちろん
とっておきの
近江牛のステーキどうぞ
PM9時半すぎ
お腹もちょっと軟らか気味
心配だったので
豊公園へ
夜のお散歩
お部屋に戻る時
エレベーターから降りて
お部屋に向かって
迷わず歩いて行く
お部屋の位置
もしかしたら
そらが
一番覚えがいいかも
そら
朝までぐっすり
公園から
見上げた空に
星がいっぱい
明日も晴れるね
おやすみ
【旅日記】つづく
楽しい 美味しい 嬉しい 心地いい
そして
寂しくないように
そらの笑顔が消えないように…
~そらの癌再発で誓った思い~