コロナやら夏やらでてんてこまいなうちに

気づけば娘も3歳となり、もう夏も終わろうとしている。

 

 

それでも変わらないのは先輩のこと。

毎晩のように寝る前には頭に浮かび、会いたいと願う。

かなりの頻度で夢にも出てくる。

いつまでこうなんだろう。

 

 

考えちゃうというか、考えたいんだろうな。

不毛だ。ヒマか。

 

 

 

 

 

 

 

女先輩と再会をした同年秋、先輩からメッセージが来た。

 

 

それは10年ぶりのことだった。

 

 

スマホの待受画面に表示される、胸を突き刺すその名前。

 

 

嫌いで憎くて見たくもなかったのに頭から離れることのなかったその名前があった。

 

 

内容は、一行。

 

 

「『アナザースカイ』で、インド」

 

 

・・・は?

 

 

当時私はその番組名を知らなかったので、さらに「は?」であった。

 

 

とりあえず動揺しているので、スマホは持たない。

 

 

何事もなかったかのように家の中をうろついた。(何事かあった感満載。笑)

 

 

その時夫は家にいたのか覚えていない。

 

 

少し時間を置いて、メッセージを開いてみる。

 

 

たった一行のメッセージ。

 

 

先輩から、私宛に送られてきたメッセージ。

 

 

10年ぶりの、メッセージ。

 

 

はてその10年前の最後のやりとりは何だったっけか。

 

 

たしか先輩たちが結婚をした頃に私が就職をして、ゴールデンウィークに先輩の実家で親しい人たちを呼んでバーベキューをするとかなんとかで、「こーへんか?」とメールが来たのが最後だったような気がする。

 

 

その頃は言わずもがな精神状態は最悪で、失恋と父の再婚と就職による新しい日々に翻弄されていたし、そんななか当の本人から実家でのベーベキューに誘われたって行けるわけがなかった。

 

 

しかも、実家でということは、先輩弟もいるわけで。

 

 

「行けるかボケ!」が正直な気持ちだった。

 

 

不幸中の幸いなのか、就職先はサービス業だったのもあり、連休=稼ぎ時。

普通に仕事だった。

 

 

「仕事やから無理」くらいの返信をしたような気がする。

 

 

それが最後のやりとりだった。

 

 

そしてその10年後の「『アナザースカイ』でインド」である。

 

いや、たしかに私はインドが好きやけども…。

 

10年ぶりに、唐突に、それだけ?

 

 

いろんな意味でどう返したらいいのか分からなかった。

 

 

なぜ急にこんな内容を送ってきたのか。何が目的なのか。

 

 

たしか一週間くらい返せなかった。

 

 

そのまま放置しようかとも思ったが、動揺は続いていたので、放置すれば動揺も続く。

 

 

そして返事をしてみたい気持ちもやっぱりあった。

 

 

とりあえずその「アナザースカイ」を調べると、とある番組の名前だった。(それすら知らなかった)

 

 

そして私は自分の趣味を、レコーダーで「おまかせ録画」に登録していたので、自動で録画されていたことが分かった。

 

 

番組を見た。

 

 

社会人となり、結婚をして、すっかり遠のいていた自分の好きなこと。

 

 

普通に良い番組だった。

 

 

なぜ連絡をしてきたのか、先輩の状況を想像してみた。きっとこうだ。

 

 

この番組をたまたま家で飲みながら見ていて、「あ、アイツや。送ったろ」と手を滑らせたんだろうなと思った。

 

 

奥さんが春ごろ私と会ったって言ってたしな、と。

 

 

ああでも、この番組をリアルタイムで見ながら、私のことを思い出してくれたんだなぁ。

 

 

10年も経つのに、前置きも何もなく本文だけ。まるでずっと連絡していたかのように。

 

 

その時の自分の気持ちを細かくは思い出せないけれど、きっと嬉しかったんだろうなと思う。

 

 

頻度は分からないけど、私のことを思い出す瞬間があったんだなと。

 

 

およそ一週間後、私は返事をした。

 

 

短く返すか、長く返すか、前置きはするのかしないのか。

 

 

すごく考えた。(苦笑)

 

 

結果、

 

 

「見た。インドに行きたくなった。ありがとう」

 

 

と返した。

 

 

「👍」が返ってきた。

 

 

10年ぶりのやり取りは、これで終わった。

 

 

不思議だった。

 

 

10年前はスマホはなく、携帯のメール機能でのやり取りだった。

 

 

時を経て、SNSでやり取りをすることになるなんて。

 

 

お互いの連絡先ももう知らないのに、ひょんなことからフェイスブックでつながったからこそできたやり取り。

 

 

ずっと動かなかった先輩との関係。

 

 

ここから、ほんのちょっとずつ、つながるようになった。

 

 

少しずつ、少しずつ。

 

 

次のやり取りは、ここから8ヶ月後のこと。

 

 

12年ぶりに声を聴くことになった。