「 人間の生命と医療の限りある可能性 」

 

 

 

Ⅰ.はじめに

 

「胎児から乳幼児へ」

 

父親から細胞である精子と母親からの細胞である卵子の結合を受精卵と呼ぶ。

受精卵は、この二つの細胞の結合であるが、父親の精子である細胞のミトコンドリアは、受精の瞬間に切断され母親の卵子に構造化されているミトコンドリアのみが、受精卵に残される。この受精卵が、胎児の起源であり「皮膚・神経系」を形成する「外胚葉」と「筋肉・骨・血管」を形成する「中胚葉」と「臓器」を形成する「内胚葉」が、受精卵の生体にとっての万能細胞といわれる初期胚終了の段階までの卵割である細胞分裂を繰り返しながら構造化される。この卵割の回数は知られてはいないが、おそらくカタストロフィー理論で知られるルネ・トムの構造微分幾何学のカテゴリーで計算値として抽出でき得る「カタストロフィーに至らない絶対値」に相当する細胞分裂の回数であると推測できる。そして、受精卵は母体にとっては異物であり母体生命体に異変を起こしてしまう外的侵入生物体で免疫機能で攻撃されてしてしまう危険があるために、生命母体は免疫機能を低下させ初期胚(=胎児)を抱えた環境で、「外胚葉」・「中胚葉」・「内胚葉」の三つの構造機能は、位相幾何学的に「中空ボール」の形態を呈して、初期胚段階を終了する。

この初期胚段階を経て、「外胚葉」・「中胚葉」・「内胚葉」が形成されていき、組織化・機構化・構造化をへて機能化する機序が完成する。これが、胎児の形成段階である。そして、さらに誕生を経て、大気重力環境で「運動・身体内外五官刺激入力・睡眠・覚醒・言語」等の受容・能動経験の集積によって「前社会的人間段階」を徐々に卒業し、「社会的人間段階」へ組織化・機構化・構造化に拠り所を保障され機能化が発達・成長し自律から自立の段階に至るのである。

ここで、話を、万能胚である万能細胞の集合体として構造化されている「初期胚」に戻す必要がある。遺伝子のテーマである。遺伝子は、遺伝形質を決定する因子で、デオキシリボースとよばれる五炭糖とリン酸及び塩基で構成されている核酸であるDNAとして知られている。DNAを構成している塩基は、アデニン・グアニン・シトシン・チミンの四種類である。遺伝子の構造的動態エネルギーは電気負荷であることから、人間の基本的生命体構造は「微弱電流電磁磁気誘導態」と定義できる。DNAの塩基配列は個々の細胞内で生産されるタンパク質の種類を決定することで、細胞の形質発現を実現する。DNAの構造は、イントロンを介して繋がりを持つ構造遺伝子で成り立っており、一個の構造遺伝子中の遺伝情報は一種類のタンパク質のアミノ酸の配列機序を順序として決定する。構造化で限定されている数学的組み合わせによる遺伝子の遺伝情報は、メッセンジャーであるRNAに転写された後に、タンパク質生産工場であるリボソームに運搬され、指定されたタンパク質が合成される。構造遺伝子の転写・翻訳はオペロンと呼ばれる単位で行なわれる。このオペロンは、構造遺伝子とタンパク質で形成されている細胞の発現及び抑制する調節遺伝子という二つの遺伝子の機構化によって機能化している。

ここで、初期胚について詳しく言及する前に、人体の基本的形成の機序が如何なる物であるかを検討しておく必要がある。初期胚のカタストロフィーにまで及ばないで形成される形状が位相幾何学的に「中空ボール状」になっていることは前に述べた。この構造が、「外胚葉」・「中胚葉」・「内胚葉」の三要素で形成されていることも既に述べた。そして、この段階では生命体の基本構造が、「万能細胞が機能分化した構造」を呈していることが理解できる。さらに、次なる段階に至るためには、構造遺伝子と調節遺伝子とが産出させるタンパク質をメッセンジャーであるRNAへの遺伝子情報を通しての転写・翻訳で具象化していく訳だが、組織化・機構化・機能化のベクトル化のエネルギー価を全て計算し、構造体を構造化しながら組織化しなければならない。

このエネルギー価は、カタストロフィー理論の生体形成の構造微分幾何学の「形態形成不全」に陥らない「絶対値」に合致するはずである。この組織化・機構化・機能化の構造化の機序は、全て計算式に基づいて成り立っており、固体発生・系統発生・環境発生の全ての発生論的要素を隈なく網羅しており、構造遺伝子と調節遺伝子との兼ね合いで、DNAからRNAへ遺伝子情報として転写・翻訳されながら構造が形態化され、その構造物が「絶対値内」で組織化・機構化・機能化の機序を生み出していくのである。この構造物が完成した後に、「大気重力時空間」での「適応」のための「学習・経験」が「第二次発生論的な発達・成長」をして、「生体保存の限界値(=理想論的実現)」に近い形で形成されていくのである。

胎児は、かなり早い成長・発達の段階で、母胎環境で浮力を活かしながら動き始めることが知られている。この動きによって、誕生後に、身体の部位や身体の位置を重力環境で座標を成立させ、確保していくことになる。この事実は、大脳皮質の身体部位の位置を知る能力や身体の動きを命令する能力である前庭感覚・体性感覚・固有受容感覚や運動感覚の前発達を促進する。

子宮で抱えられている胎児の成長する胎盤環境は、空気圧より高く触覚系を発達させるといわれている。胎児の母胎内での動きや体験は、観察された事象によれば、「腕や脚を曲げたり、伸ばしたりする」・「頭をまわす」・「親指を口に入れる」・「へその緒と戯れる」等があり、いずれも、原固有受容覚・触覚系を発達させる。

最近の最先端の脳科学では、「人間の根源的意識」は大脳皮質の「第一次運動野と第一次体性感覚野と側頭葉」の「活動に由来している」というサイバネチックな実験仮説があるが、胎児段階を考慮すると誕生後に組織化されていく様々な連合野の中でも「第一次運動野と体性感覚野」が、人間存在にとって大きな役割を担っていることは推測しやすい。当然、言語との関連で重要な役割を担っている「側頭葉」が、関与していることは理解しやすいといえる。

 

Ⅱ.重力と新生児及び乳児

 

母親と胎児の協働作業によって誕生した嬰児つまり新生児は、地球の大気環境の重力を体験することで、母胎環境で体験していた身体の座標位置や動く能力が発揮できなくなる。胴体の動きは緩やかになり、腕と脚の動きはぎこちなくなり、頭の動きは母胎環境の時期に比べると不自由になる。

新生児が直面する課題は、胎児段階で機能化していた原固有受容覚の「新しい環境での再組織化」を体験するということになる。ここで、脳性麻痺や発達に障害を抱えているこども達の神経学的特徴を中心にした考え方を導入すると、胎児段階に獲得していた原固有受容覚の新たな重力環境での再発達促進は、赤ちゃんの成長・発達過程に見出されるリズミカルな律動を伴って実行されている運動発達がモデルになる。

 

Ⅲ.赤ちゃんと運動発達

 

①    リズミカルな動きは、脳の発達と脳の組織化・機能化・機構化・構造化による運動機序を保障していく。

②    「抱っこ」・「揺らし」を代表とする揺れ・動きは基本的には前庭覚への感覚入力刺激であるが、胎児段階の観察事象では、「原固有受容覚」が優位な機能として考えられている。

③    個人差はあるが、「寝返り」・「腹ばい」・「四つんばいで前後に揺れる」の順番で運動事象が出現し、重力に抗して「ハイハイ」を始める。

④    身体内外から入力される感覚刺激のコントロールや抑制の役割を持ち神経細胞の集合でもある大脳基底覚と快―不快・怒りや恐怖・記憶や性欲などの情動や生の保存欲求に関わる大脳辺縁系や大脳新皮質との相互接続は、五感覚・前庭感覚・固有受容感覚・運動感覚の感覚刺激が十分に入力されないと妨げられる。

⑤    大脳基底覚ー辺縁系―大脳新皮質の神経線維であるニューロンの相互接続が不全の場合、発達の問題のみならず注意力や集中力の問題を抱えてしまう。

⑥    特に、「抱っこ」を代表とする「揺れ・動き」の感覚刺激の入力や「四つんばいで前後に揺れる」ような能動的自己刺激入力や抗重力姿勢体勢による「ハイハイ」等が上手くできなかった場合には、大脳基底覚に十分な刺激を得られない。

⑦    結果として、原始反射の成熟と統合を妨げてしまい、粗大運動と微細運動に困難さを抱え運動企画が上手く行かなくなってしまう。

⑧    また、大脳基底覚・前庭感覚の機能化・組織化・機構化・構造化が未熟なために、覚醒度に問題が生じ、様々な要素を機能させるために「自己刺激入力型」の「多動」が観察される。

 

1.発達を考える(系統、固体、環境発生論)

 

 ①系統発生

ⅰ.種の進化

・  動物界で他の哺乳類と比較すると、人間は未熟状態で生まれる生物学的には人間にとって、かなり過酷な状況に誕生するが、あらゆる状況に可能な変更を屈指し与えられた環境に適応する:人間の知性の発達条件

・  フロイト:人間が絶対的な未熟状態で誕生することが、道徳にまつわる全てのことに通じている

ⅱ.性生活

・  動物界では子育て期間は交尾はなく、子がいなくなるとオス・メスが結びつく

・  人間に関しては、性生活と親役を同時にこなせる

・  人間は交尾に関して性器だけではなく、身体の様々な部分が性感領域として、柔軟に機能している

・  フロイトの幼児性愛の理論の誕生

・  母子関係に由来する子どもの性の発達理論(口、肛門、尿道、性器)

ⅲ.愛着

・  ボウルビーは1958年に母親の存在を軸に、子どもから母親へ、母親から子どもへの行動パターンに人間固有の5つの行動特性を発見(吸う、抱きつく、ついて行く、泣く、笑う )

・  1969年、愛着は、ロレンツが哺乳類の子どもの行動観察で“刷り込み”と名付けた現象に似ていて、母親の側にいることを目的とした子どもの制御行動であり、動物に比べるとその期間は長く1ヶ月半から始まり、9ヶ月を過ぎると困難さが生じる

  ⅳ.発達理論の課題

・  個別の要素と遺伝素因の混在

 

②個体発生

         i.     個別な遺伝情報に基づいた個人の発達

       ii.     形態学的形成

      iii.     3ヶ月で脳の個別化、その後、重さと体積が増え、表面に1次2次3次としわ(sillons)が形成される

      iv.     出生時、全体的に成人脳に近いが、前頭葉と側頭葉の発達は遅い

        v.     3次形成が終わっていない

      vi.     1年目の脳の体積の増加は、1年目から成人期に至る増加よりも多く、頭囲が大きくなる

    vii.     出生時、ニューロンの基本形は出来上がっており、9ヶ月以降に新たなニューロンは出来ないが、ニューロンの接合は継続的になされる

 

③epigenetic

        i.    環境との複雑な要素と個との相互関係で形成されていく個人

       ii.    心理ー運動、知性、言語、情緒の発達に関係する

     iii.    野生児についての体験より、人間の精神性には人間環境が必要で、他の環境では発達の限界がある

     iv.    環境から及ばされる刺激、感覚、認知、情緒など学習に必須

       v.    発達に必要な刺激が不足すると、それによって形成されるはずの機能が成り立たない(聴覚障害の子どもは、すぐに話すことが出来ない)

     vi.    人間環境そのものに、人間に必要な発達促進的刺激があるという考え方こそ、精神分析の貢献である

    vii.    精神分析は、特に母子関係、親子関係に着目し、人間の精神性の発達と形成に関わる構造を根本原理とした

 

 

2.人間の資質

 

①五官、五感、運動系、遺伝、言語

        i.    神経系、内分泌系、免疫系;成長発達は、3つのコントロールシステム下でエネルギーの安定システムであるエントロピーの増大を防ぐホメオスタジスによって維持されている。

       ii.    動的平衡システムにより、実存的現在性としての身体は、循環的刷新を繰り返し行っている。(福岡伸一)

     iii.    肉体性;欲動と情動そのものとしての体で、死の対象となり腐敗し消滅する肉塊

     iv.    身体性;他者との相互性により形成、統合されながらイメージ化され、言語の領域に属する体

 

②五感・五官・動的・遺伝的・言語的身体

   →身体感覚、動的身体、言語的存在と機構化、機能化(役割機能)、組織化とその構造化

     i.    体性感覚=皮膚・触覚、温痛覚、圧覚、固有感覚は皮膚、筋肉、腱の感覚器を通して受け止められ、脊髄を上行し視床から両側頭頂葉の一次体性感覚野に送られる。固有感覚は小脳と結びつき、運動の調整をする。

   ii.    味覚=舌・甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の化学物質で感知され第7-9-10脳神経を通して大脳に送られる。

 iii.    視覚=目・光を感受した網膜細胞の興奮は視神経(第2脳神経)を経由し視床に送られる。外側膝状核は色や形などに信号を分け、後頭葉の一次視覚野に情報を送る。視床下部にある視交叉で左右からの視神経は二分され、右からの光は左脳へ左からは右脳へ送られる。一次視覚野から連合野に送られる情報は、物体の認識に関しては側頭葉で処理され、図形など空間の識別は頭頂葉で処理される。

  iv.    聴覚=耳・音信号による感覚細胞の興奮は、内耳神経(第8神経)を経て脳幹(内側膝状体)から両側側頭葉の一次聴覚野に送られる。音刺激は、右耳からの音は左脳へ、左耳からの音は右脳へより強く送られる。新生児の聴力は、誕生前に80%ほどとも言われている。内耳には前庭と半規管があり、平衡感覚器として機能し、リンパ液が引力や動きによって管内を動くことで感覚細胞が興奮し、その情報を脳幹、小脳に送ることで感知される。傾き、移動の感覚。

   v.    嗅覚=鼻・匂いも化学物質で感知する。匂いは鼻腔上部の粘膜の嗅覚器から直接に側頭葉の梨状皮質に送られる。梨状皮質は海馬とともに記憶のセンターでもある。嗅覚、味覚は古い感覚器で乳児期に記憶されてしまう。

  vi.     神経系・中枢神経、末梢神経、自律神経からなる。

vii.    中枢神経

・ 大脳、脳幹(間脳、中脳・橋・延髄)、小脳、脊髄の4つの部位からなる。

・ 大脳は、表面が皮質と呼ばれる神経細胞の集合体で、全体の40%を占める前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉に分割されている。

・ 大脳皮質は、五感からの情報を受ける一次感覚野と、その情報を記憶理解につなげ反応回路を作る新皮質とも呼ばれる連合野、反応を組み立て送り出す一次運動野とそれを調整する連合野からなる。ヒトだけが持つ連合野は新々皮質とも呼ばれる。

・ 脳は、体重の2-3%で1500gほどの重さで、心臓から送り出される全血液量の20%を必要とするエネルἀーを最大に消費する器官である。

・ 脳は、血液脳関門というバリアーを作り、ブドウ糖やアミノ酸などごく一部の物質しか通さない。

・ 大脳は、表層は神経細胞の集合で灰色。内部は、情報を伝える神経線維で白色。深部中央には基底核の神経細胞の集合があり、運動の調節や一部の記憶に関わっている。

・ 大脳は、左右半球に分かれ神経細胞である脳梁で結ばれている。脳梁により情報は瞬時に相互交換され協調活動がなされる。

・ 間脳は、脳幹の最上部にあり大部分は視床である。視床は身体からの全ての情報を集め、脳に適切に配分している情報配分センターである。間脳周囲の古い皮質で旧い神経細胞で組織されている扁桃核、帯状回、海馬は、大脳辺縁系と呼ばれ快-不快、怒りや恐怖、記憶や性欲などの情動や本能のセンターとなっている。

・ 間脳を除く脳幹は、上部から中脳、橋、延髄で、生命維持センターである。意識、呼吸、心拍などの機能を統括する。意識の機構は脳幹網様態賦活系と呼ばれ、覚醒と睡眠がコントロールされる。

・ 小脳は、運動や姿勢のコントロールセンターである。大脳で学習された運動は小脳に保存され、効率的に利用される。

・ 脊髄は、脳と抹消を結ぶ連絡路で、大脳の中枢神経が脳からの指令を受け末梢神経と切り替わる部位は脊髄の前角部にある。

viii.    末梢神経・感覚器や皮膚・筋肉からの情報を中枢に伝え、また中枢からの指令を抹消の筋肉系に伝える。ヒトでは、脳幹から左右 12 対の脳神経系の末梢神経と脊髄からは左右31対の脊髄神経の末梢神経が全身に分布している。脳神経系は、視覚、聴覚、味覚、嗅覚などの感覚器と脳を結ぶ。脊髄神経は、四肢・躯幹からの感覚情報を脳に伝え、また中枢からの指令を筋肉に伝える。脳に向かう末梢神経は感覚神経(求心性神経)と呼ばれ、中枢から末梢に向かう末梢神経は運動神経(遠心性神経)と呼ばれる。

  ix.    自律神経;自律神経の中枢は、視床の下にある視床下部と延髄にある。自律神経は交感神経と副交感神経からなる。体内状況を感知し外界の変化に対応する。交感神経は身体を興奮や緊張の状態に、副交感神経は安静と回復の状態にする。これらの反応はシナプスという神経細胞の情報伝達でノルアドレナリンやアセチルコリン等の神経伝物質を介して行われる。視床下部は内分泌系の機能を、延髄は呼吸・血圧・心拍等の機能を統括する。

   x.    内分泌系;内分泌とは、各種の腺(内分泌腺)がその分泌物(ホルモン)を導管によらず、直接体液(血液)中に分泌すること。その分泌物(ホルモン)は腺細胞から直接血液中に放出され、細胞の機能を維持する。内分泌腺のおもなものは脳下垂体(成長ホルモン)、甲状腺(細胞代謝を高める甲状腺ホルモン)、松果腺(睡眠誘導をするメラトニン)、胸腺、副甲状腺(血中カルシウムを上昇させるバラサルモン)、副腎(副腎皮質;電解質の調整、血糖値の上昇、ストレス抵抗。副腎髄質;心拍促進、血圧上昇)、ランゲルハンス島(グリコーゲンの分解をするグルカゴン、グリコーゲンを細胞内貯蔵するインシュリン)、精巣(男性ホルモン)、卵巣(女性ホルモン、黄体ホルモン)、胎盤、腎臓、その他唾液(だえき)腺、胃、十二指腸などにも内分泌機能が認められる。

  xi.    免疫系;生体が自己と異質な物質を識別し排除する現象及びその機構。病原体や毒素、花粉、ほこり等の外来物質、他人の臓器、自己に属する変性したたんぱく質などの異物は抗原として認識され、生体防御機構としての免疫が発動する。

これには、マクロファージやその他のリンパ系細胞が直接的に抗原に働きかける細胞性免疫と、抗体を生産して体液中に放出する体液性免疫(液性免疫)とがある。

抗原の侵入によって免疫が発動するものを獲得免疫と呼び、生まれつき備わった抗体や非特異的なナチュラルキラー細胞の働きによるものを自然免疫と呼ぶ。獲得免疫に関しては、2度目  に抗原が侵入した場合には、抗体がより速やかかつ大量に産生されるので、より強い免疫が起きる。免疫反応のなかには生体に不利益をもたらすものがあり、その反応をアレルギー反応と呼ぶ。

xii.    前庭覚、固有受容覚

・身体感覚、動的身体、言語的存在と機構化、機能化(役割機能)、組織化、構造化 に在る次元での重力野との環境発生論に適合している“協応原理”で、神経系と筋肉系の発達過程で形成されていく。

 

<生命の可能性のある医学的考えと方法論>

 

受精卵が、胎児の起源であり「皮膚・神経系」を形成する「外胚葉」と「筋肉・骨・血管」を形成する「中胚葉」と「臓器」を形成する「内胚葉」が、受精卵の生体にとっての万能細胞といわれる初期胚終了の段階までの卵割である細胞分裂を繰り返しながら構造化される。この卵割の回数は知られてはいないが、おそらくカタストロフィー理論で知られるルネ・トムの構造的次元の微分幾何学のカテゴリーで臓器の形成動態として抽出でき得る「カタストロフィーに至らない絶対値」に相当する細胞分裂の回数であると推測できる。そして、受精卵は母体にとっては異物であり母体生命体に異変を起こしてしまう外的侵入生物体であるので、免疫機能で攻撃されてしてしまう危険があるために、生命母体は免疫機能を低下させ初期胚(=胎児)を抱えた環境で、「外胚葉」・「中胚葉」・「内胚葉」の三つの構造機能は、位相幾何学的に「中空ボール」の形態を呈して、初期胚段階を終了する。

この初期胚段階を経て、「外胚葉」・「中胚葉」・「内胚葉」が形成されていき、組織化・機構化・構造化をへて機能化する機序が、人体の構造として完成する。

 人間の原本的な全ての要素を考察すると、初期の人体の多要素的な形成過程を構造的に考えて行くと、<医学的アプローチの方法論>が見い出され、<如何なる?方法が?より良い結果を?もたらすか?>を了解できる。

 この可能性に対する表現は、<私の兄、“一二三”と“一二三の兄:徹”>の為の“レクイエム”と為っている。