引き続き今日も、私が撮影した鉄道画像(写真)の中から1枚を紹介し、その車両について私なりの解説を交えながらアップしたいと思います。
今日紹介する車両は、通勤型車両にしては前面が斬新的なデザインで、現在東急大井町線の急行列車を中心に活躍している「6000系(2代目)」です(2代目と書いてあるのは、皆さんのご想像通り初代と呼ばれる車両も過去に存在しました)
6000系は、現在東急の標準車両としている「5000系(2代目)」列をベースとした20m級片側4扉のオールステンレス車両で、設計コンセプトは「人と環境に優しい車両」であります。
2007年から順次投入され、計6両編成6本(36両)を東急車輛製造で製造し投入されました。
前述しましたが、歴代東急車両で「6000系」を名乗る形式はこの車両で2代目となる為、カッコ書きで「2代目」と入れたり、「新6000系」と呼んだりと区別されています。
車両構造に関しては、基本的に5000系列と共通素材を使用した軽量ステンレス製であり、先頭車前面のみは繊維強化プラスチック (FRP) 製となっています。
運転室側から見て右側に「非常用貫通扉」をオフセット配置し、地下鉄線への乗り入れ等は無いものの、非常時の際に容易に外へ出られる様に考慮されています。
5000系列をベースとしながらも、前面形状は特徴的なくさび形とし、独自の個性を作り上げています(この顔にグッと来た方もいるのでは?)。
前照灯及び尾灯は、5000系列や池上線・多摩川線向けに投入されたほぼ姉妹の「7000系」と異なり、前面下部両サイドに縦一列に配置されています。
車体配色、前面と側面窓上から屋根にかけて東急のコーポレートカラーである赤色を配し、色調も紅色(カーマイン)やマルーン色に近い物となっているのに加え、側面は運用路線である大井町線のラインカラーである橙色を裾部の帯に配しています。
更にスピード感を演出する為に、1両あたり2か所に天地いっぱいに前面形状に準じた「くの字」形グラフィックが施されていて、これは編成中央の3・4号車を境とし両端に向かうデザインとなっています(最初に落成した6101Fのみは、側面幕板部の赤帯と裾部の橙色の帯がない状態で出場し、長津田検車区への搬入後に施工されました)。
床面高さは、レール面から1,130mmとし、レール面から1,100mmのプラットホームとの段差を低減して誰でも乗り降りしやすい様に工夫されています。
冷房装置は、61.05kW(52,500kcal/h) の能力を持つ物を集中式として屋根上に1基搭載し、それは装置内の電熱ヒーター及びヒートポンプ式冷凍サイクルを活用した冬期の暖房や除湿を可能とした物であります。
前面&側面の種別・行先表示器は、フルカラーLED式で、ベース車である5000系列では種別表示器をフルカラーLED式・行先表示器を白色LED式としていましたが、本形式では行先表示器もフルカラーLED式に変更しています。
ドア用車側灯のカバー色は、従来の車両は赤色なのに対し、この車両は無色透明となり、太陽光の散乱等による誤認を防いでいます。
編成は、大井町線で運行されている他形式は全て5両編成で組成されるのに対して、急行専用である為に当形式では1両増の6両編成で組成されました。
また同線でホームの長さが足りずドアカットを行う「九品仏駅」は急行列車通過駅であるので、このドアは開かないと言う「ドアカット」を示すステッカーは貼られていません。
あと、大井町線用車両には急行運転開始時に前面帯をグラデーション化と大井町線を示すステッカーが貼り付けられていますが、6000系は元から大井町線用車両として分かりやすくボディーに色を配色したりしているので、敢えてステッカーを貼ったりしていません。
走行機器については、まず主回路システムは、東芝製「IGBT素子 (IEGT) による2レベル方式VVVFインバータ制御装置」を搭載し、プラス「回生ブレーキ機能」と「全電気ブレーキ機能」を有します。
電動機は、1基のインバータ装置で4個の「かご形三相誘導電動機」を駆動する1C4M方式2群ユニットをデハ6500形に、1C4M1群ユニットをデハ6200形にそれぞれ搭載しています。
編成中の電動車と付随車の構成比率(MT比率)は、3M3Tであり、同線では運行するには十分なパワーを誇ります。
補助電源装置は、IGBT素子による容量210kVAの「静止形インバータ (SIV)」 をサハ6300形とデハ6400形に搭載しています(VVVFインバータ制御装置とのデュアルモード構成ではありません)。
台車は、東急車輛製造製「軸梁式軸箱支持ボルスタレス台車」で、ホイールベースは2,100mmであり、基本構造は電動台車「TS-1019A形」・付随台車「TS-1020A形 」とも共通化されていて、ついで基礎ブレーキ装置も「ユニットブレーキ」とされています。
パンタグラフ(集電装置)は、「シングルアーム式」で、デハ6200形に1基・デハ6500形に2基搭載されています(1両に2基搭載されているのは、おそらく片方が故障した歳の代替用)。
空気圧縮機は、騒音低減が図られた「スクロール式」で、サハ6300形とデハ6400形に各1台づつ搭載しています。
保安装置は、「ATC-P」のみを装備し、大井町寄り先頭車クハ6100形に車上装置・溝の口寄り先頭車クハ6600形に受信用増幅器をそれぞれ搭載して両車間を制御伝送するシステム構成としています。
ATC装置には、「情報伝送装置(トランスポンダ)」を用いている事で、「駅停車制御」・「臨時速度制御」・「踏切制御」の機能が追加されました。
車内構造に関しては、まず客室のカラースキームは車端部を木目調に、そのポカポカの壁面は白を基調とした物となっています。
座席(シート)は、全てロングシートで、1人あたりの掛け幅は460mmであり、形状・材質は5000系3次車以降&7000系と同様の物を採用していますが、座席モケットの色は座面部が橙色・背もたれ部を赤色や橙色などの様々な色を配した模様であります。
基本的に7人掛けの座席部は、2ヶ所に手摺りを装備し、これはユニバーサルデザインの一環として通路部に弓状に丸みを持たせて突出させた形状をしています(この手摺りは、全座席配置された)。
客用ドア間のつり革位置は、床面から1,630mmを基本として、ユニバーサルデザインの一環として女性や高齢者などの背があまり高く無い人でも手が届く様に1,580mmの物を3個配置している。
車椅子スペースは、中間電動車のデハ6200形とデハ6500形の車端部に各1か所設置し、ユニバーサルデザインの一環として手すりを横方向に2段設置している事で車椅子利用者は勿論の事、ベビーカー利用者・立席の乗客に対しても配慮されています。
前面貫通扉は、「傾斜式戸閉装置」と言う上吊り傾斜レールによるドアクローザを採用しています。
客室側窓は、車端部に固定式を1枚・客用ドア間に下降式の物を1枚配し、その窓ガラスは熱線吸収及び紫外線(UV)カットを図っているのでカーテンは省略されていてありません。
客用ドアは、室内側は化粧板仕上げとして戸当たり部分に注意を促す黄色のマーキングを施しています。
また窓ガラスは、主に冬の結露発生防止の為に複層構造とされ、オマケに視界性が向上しています。
客用ドア上部にある液晶案内装置は、TIPによる15インチ液晶ディスプレイ(LCD) を左右2基設置し、右側を停車駅的乗り換え案内・ドア開閉方向・駅ホーム設備案内などを表示する一方で、左側は「TOQビジョン」と呼ばれる物で、動画広告が表示されます。
あと、多チャンネル機能を搭載していて、車内の左右で異なる画面を表示することが可能で、且つドアチャイムとドア開閉表示灯も合わせて設置しています。
運転室機器配置は、運転室と客室の仕切窓は5000系列と同様の構成ですが、運転席背後の窓寸法は5000系列よりは縮小されていたり、遮光ガラスが用いられています。
運用については、基本的に大井町線大井町駅~溝の口駅間の急行に充当されていますが、夜間には東急田園都市線の鷺沼駅・長津田駅まで直通運転する列車や、土曜・休日ダイヤの朝間帯に田園都市線の中央林間駅始発の列車があります(日中には、毎時2本長津田発着の運用があります)。
ちなみに、上記の運用でもし田園都市線内を急行として運転している際に、田園都市線が人身事故等で急行運転を取り止めた場合、この電車は各駅停車で運転される事があります。
以上で一通り私が書きたい事柄は全て書き終えましたが、結論として6000系(2代目)は、今後も大井町線の主力車両として活躍して行く上で、田園都市線に直通運転すると言ったユーティリティ性の高い運用が出来ると言う事です。
また新型車両であるからして、東急が持っている走行性能・乗り心地性能の最新技術を詰め込んだ車両であり、これからの東急のサービスが一層上がるでしょう。
新型車両なので急ぐ必要は全くありませんが、もしこの6000系に興味を持たれたのならば、是非大井町線を訪れて乗車してみてはいかがでしょうか(^-^)
