またーり試験勉強de社労士 -2ページ目

またーり試験勉強de社労士

社労士の勉強をしています。
同じような勉強をしている仲間ができたらいいなと思ってます。

「あれ、このお店って前からあったかなぁ」


こじんまりとした佇まいの赤い看板の前に立ち止まるのぶ子。

障害厚生年金。看板にはそう書かれている。


「前は障害基礎年金のお店だったんじゃなかったっけ」

好男、首を傾げながら答える。


「ああ、そうね。結構前だけど私、ここのお店で20歳前傷病による障害基礎年金を
いただいたことがあったもの」


「へえ、じゃあ、国内に居住しているときのことだね」


「そうなのよ、ふうん…前と違って等級が1から3級までなんだ。それと手当金というものもあるのね」

ロフトやハンズで販売しているような小型のイーゼルに掲げられたメニューを
かがみこみ、眺めながら応えるのぶ子。


「支給形態は、20歳前傷病以外はほぼ同じだし、入ってみる」

「ええ、そうしましょう。ちょっとこの障害手当金というものに興味があるわ」


中に入る二人。

それほど、お客の入っていない店内、店員に促されるままカウンターに座る。

おしぼりで手をふく、のぶ子。顔まで拭いてしまう好男に軽い軽蔑の眼差しを送る。


メニューからは子に係る加算額が消え、新しく配偶者に係る加給年金が付け加えられている。


「ご注文はお決まりでしょうか」

軽い7:3の店員。赤いタータンチェックのベストを着ている。


「はい。私は原則支給と事後重症、それと併合認定でお願いします」

「僕は基準障害とその他障害で」

店員軽く頷く。

「それでは、保険料納付要件の方をご確認させていただきます。初診日の属する
前々月までの国民年金の被保険者期間のうち、保険料納付済み期間と免除期間とを
合算した期間が3分の2以上で、よろしかったでしょうか」


「ええ、大丈夫です。それでお願いします」


店員、恭しく頭を下げ厨房に消えた。






頼んだものが、運ばれあらかた片付いたテーブル。
入ってきたときに比べ、お客の数が増えてきている。


「事後重症、どうだった?」

好男が尋ねる。


「そうね、最初は3級にも該当しないかなって思ってたけど、そのあと該当することに
なったかなって感じ。勿論65歳に達する前日までにだけどね」


「ああ、よかった。僕が頼んだ基準障害は該当日に受発するけど、
事後重症は請求して初めて受給権が発生する請求年金だから、心配していたんだ」


「原則支給と併合認定は、まあ可もなく不可もなくって感じ。メニューを読めば
大体のことは理解できるもの」


「そうだよね。僕はその他障害がちょっとあれだったな」


「あれというと、何かしら」


「うん、うまく言えないんだけど、基準傷病と間違いそうになったよ」

「そんなことないでしょ、普通。もともと1、2級に該当していなかった程度のものが
1,2級にシフトするのは基準障害だけなんだから」


びっくりした顔ののぶ子が応える。


「それを言うなら事後重症だってもともと、1、2級どころか3級にも該当していないじゃないか」


好男が聞き返した。


「あれは、違うわよ。だって新しい障害が出てこないじゃない。まったくの別物よ」

のぶ子が早口に言う。


効き過ぎたエアコンの風。14インチのテレビからはナイターの中継が流れている。
好男、腑に落ちない表情で天井を見つめる。


「まあ、それは今度ゆっくり説明するわ。今日は給付の種類の主な内容だけだから」

「なんのことだい。それは」


「いいの、いいの。こっちの話だから」


その場の空気を強制的にリセットするのぶ子。

会計の時は必ずトイレに入っている。