年金基本事項 目的等 | またーり試験勉強de社労士

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社労士の勉強をしています。
同じような勉強をしている仲間ができたらいいなと思ってます。

「だから、おかしくはないだろ」


7杯目の中生のジョッキを握ったまま、厚生年金が言った。


「いや、先輩は間違っていますよ」

普段はおとなしい、国民年金も冷凍の枝豆を指先でいじりながら
19歳も年上の厚生年金に珍しく食ってかかった。


「だいたい先輩はおかしいですよ。生活の安定と福祉の向上に
寄与するとことをお題目のように謳うのなら、なんでその対象を
労働者の老齢、障害または死亡に保険給付を限定しているんですか」


「だから言っているだろ、おれは厚生年金基金がその加入員に対して
行う給付に関しても必要な事項を定めなければならないのだ。
分かるか?忙しいんだよ」


「ぼくだって国民年金基金について法第10章第1節第115条から第137条で
ちゃんと規定していますよ」


「何を言っているんだ。そんな昨日、今日できた基金を持ち出して、
ガタガタ言っても仕方ないだろ。目的条文に明示もされていない分際で」


「それは確かに、昭和42年に設立された厚生年金基金連合会に比べたら、
平成3年に設けられた国民年金基金連合会はひよっこかも知れませんけど…」


「でも、目的条文と言うのなら先輩だって日本国憲法にすら触れていない
じゃないですか。こっちは日本国憲法25条2項に規定する理念に基づいて
頑張っているんですよ」


「頑張っているが聞いて呆れるね。だいたい、何が国民の共同連帯だよ。
そんな甘いこと言っているから、保険料の未納が40%にも上るのではないか」


厚生年金は続けた。


「そんなことで、健全な国民生活の維持及び向上に寄与することができると
思っているのか、それこそ、真面目に保険料払っている人たちの生活の安定が
そこなわれるんじゃないのか」


「保険料が事業主と折半負担で納付義務も被保険者にはないからって、
ちょっと言い過ぎじゃないですか」


国民年金は軽く腰を浮かせ、厚生年金を鋭い目で見た。


調理場の奥で事務を行っている厚生労働大臣が申し訳なさそうに言った。


「すみません、他にもお客様が見えていますし、物価変動率もマイナスに
なってしまっているので、年金額を少し落としてもらえませんか、
あと、できれば声を少し小さく…」


厚生年金が軽く首を振り、あたりを見まわすと事務の委託と委任をされている
日本年金機構が心配そうにこちらを見ている。


カウンターで飲んでいる3人に見覚えがあった。

それほど飲んだつもりはない。
それでも、かなり酔っているみたいだった。その3人を都道府県議会議員年金、
市議会議員年金、町村議会議員年金だと思いだすのに結構な時間が掛った。


喪服を着ているところから考えると、最近亡くなった国会議員互助年金の
お通夜の帰りのようだった。


なんだか急速に白けた雰囲気になっていった。


「ちょっと言い過ぎたかも知れないな。申し訳なかった」


「いえ、すいません。こちらのほうこそ偉そうなことばかり言ってしまって」


厚生年金は国民年金に詫び、国民年金も素直に謝った。


「お互い、事故は業務外、業務上を問わないという、間柄だ。これからも
ひとつ、仲良くして行こう」


顔の半分で笑った厚生年金はテーブルの伝票をつまみ立ち上がった。


胸のポケットに刺さってあったコードバンの財布の中から基礎年金拠出金を取り出すと

店の出口のレジに向かって少しだけ揺れながら歩き始めた。


                  了