㊙️RNA顆粒因子㊙️老化および認知症発症予防の鍵‼️ | フレイルも認知症も減らない日本

フレイルも認知症も減らない日本

Nobody is in possession of the ultimate truth.

ウイルスと戦争の世紀で人生を終えることになるとは・・・まさに第三次世界大戦前夜の状況ですからね しかも本日は日本の金融市場はトリプル安


10年くらい先には
楽しそうな結果が
出てくるんでしょうか


プレスリリースより


老化および認知症の
発症予防に鍵となる
性ホルモンに関連する
RNA顆粒因子
の働きを解明


発表内容の概要

 男性ホルモン、女性ホルモンといった「性ホルモン」は高齢者特有の病気を予防する働きが知られています。東京都健康長寿医療センター 老化機構研究チーム システム加齢医学研究の井上聡研究部長、高山賢一専門副部長は人の細胞でストレスを回避するにあたって重要な役割を果たす「RNA顆粒」と呼ばれる構造体を構成する因子が「性ホルモン」の作用を受け、老化および認知症の進行の予防において重要な働きをすることを発見しました。本研究成果は、認知症などの高齢者特有の老年病の病態の解明に大きく貢献するものと期待されます。また本研究には、当センターの高齢者ブレインバンク(代表者:齊藤 祐子 研究部長)に蓄積された死後脳組織サンプルや動物施設で常時飼育している老化モデルマウスが活用されています。本研究成果は、国際科学雑誌「エイジングセル」に日本時間の 8月19日に発表されました。

研究の背景

 人の細胞は紫外線、熱、有害な化学物質などのストレスを受けるとRNA注1)及びRNA結合たんぱく質から成る「RNA顆粒」(ストレス顆粒と呼ばれる)という構造物を形成することにより細胞をダメージから守っていることがわかってきました(図1)。また細胞の「核」とよばれる中心領域ではDNAおよびRNAを生成する情報制御が行われておりますが、その品質管理をすると考えられる「RNA顆粒」(パラスペックルと呼ばれる)も存在することがわかっています。しかしながらこれらRNA顆粒が老化や認知症などの高齢者特有の病気の発生においてどのような作用を有するかは明らかではありませんでした。



 また男性ホルモンや女性ホルモンという「性ホルモン」は高齢者の健康を支え、骨粗鬆症や認知症などの疾患を予防する働きがあることが推測されています。また老化に伴い性ホルモンが減少することが老化や認知機能の低下など悪い影響を引き起こすと言われています。当研究グループでは性ホルモンの抗老化作用に着目し、その働きの仕組みについて研究を行ってきました。その中で「RNA顆粒」を構成するタンパク質群はがんなどの病気において男性ホルモンや女性ホルモンが作用において重要な働きをすることを見出し報告してきました。

研究成果の概要

 研究チームでは脳の老化に着目し、「RNA顆粒」と老化の関係について解析を行いました。特にストレス顆粒を形成する中心因子であるG3BP2と呼ばれるタンパク質、核内のRNA顆粒(パラスペックル)を形成する中心因子PSFと呼ばれるタンパク質が老化に伴いどのように変化するかを解析しました。まず若いマウスの脳内では、特に神経細胞に両タンパク質が多く存在することが観察されました。一方、高齢になったマウスは、これらのタンパク質が減っていました。当グループの以前の研究でG3BP2は男性ホルモンにより人の細胞でも誘導されること、PSFは女性ホルモンや男性ホルモンの受容体産生を支えることを報告してきました。今回新たに性ホルモンはマウス脳内において両者の産生を促す可能性が示され、加齢による性ホルモンの減少が両タンパク質減少の一因と考えられました。さらに人の神経由来の細胞を解析したところこの二つの因子は核において会合し、両者は協調してRNAに働きかけ神経作用に重要な遺伝子の産生を促すことで神経の分化や生存を支えていました。また、人の脳やアルツハイマー型認知症の患者の脳でも、神経の核において両者が存在すること、健康な人の脳と比べ認知症患者の脳では両者が減少しており、病気の発生において予防的に働いていることが示されました(図2)。




研究の意義

 今回解析した二つのタンパク質は脳において重要な働きがいくつか知られています。本研究により別々のRNA顆粒において重要な因子であった両タンパク質が一緒に核において協調する新しい第三の働きが解明されました。また実際の患者の脳において両者が減少していることも初めて示すことができ、病気の発生の仕組みを理解するうえで重要な知見と考えられます。アルツハイマー型認知症の発生ではアミロイドβやタウタンパク質とよばれる有害なタンパク質が蓄積することが知られています。G3BP2やPSFはこれらタウタンパク質やアミロイドβの前駆体タンパク質の産生を制御する可能性が知られており、今後の研究の進展により認知症発生の「根本的な原因」の解明に結び付くことが期待されます。