アルツハイマー型認知症の新薬 レケンビ | フレイルも認知症も減らない日本

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ウイルスと戦争の世紀で人生を終えることになるとは・・・まさに第三次世界大戦前夜の状況ですからね しかも本日は日本の金融市場はトリプル安

とにかく
アミロイドアンギオパチーの存在が
命運を分けるでしょう



日経メディカルより


レケンビ
(一般名レカネマブ)
アルツハイマー型
認知症の新薬
脳内アミロイドβ
減少に期待


POINT
✏Aβ凝集体に選択的に結合し、脳内から除去
✏認知機能、日常生活機能の低下を抑制


 2023年12月、全く新しい作用機序のアルツハイマー型認知症治療薬のレカネマブ(遺伝子組換え)(商品名レケンビ)が発売されました。23年7月に米国で初めて承認され、日本では同年9月に「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制」の適応で承認されました。

 用法・用量は、レカネマブとして10mg/kgを約1時間かけて点滴静注し、2週間に1回投与します。投与対象は、アミロイドPET、脳脊髄液(CSF)検査、または同等の診断法によりアミロイドβ(Aβ)病理を示唆する所見が確認され、アルツハイマー病と診断された患者のみ適応となります。

無症候の患者や中等度以降のアルツハイマー病患者は対象外です。投与後も6カ月ごとに臨床症状の評価が行われ、有効性が期待できない場合は投与中止します。

 同薬は、ヒト化IgG1モノクローナル抗体で神経毒性の高い可溶性Aβ凝集体(プロトフィブリル)やアミロイド斑の主要成分である不溶性Aβ凝集体(フィブリル)に結合して脳内から取り除くと考えられています。

国際第Ⅲ相試験では、18カ月間の投与により、脳内のAβが顕著に減少し、記憶・見当識・判断力と問題解決・社会適応・家庭状況および趣味や関心・介護状況を含む全般臨床症状(CDR-SB)の悪化が27%抑制されました。

また、買い物に行く、食事を作る、約束を守るなどの日常生活動作(ADCSMCI-ADL)についても37%の臨床的有効性が証明されました。ドネペジル塩酸塩(アリセプト他)やメマンチン塩酸塩(メマリー他)を併用した事例では治療効果の有意差はありませんでした。

 重大な副作用には、インフュージョン・リアクション(投与中または投与開始後24時間以内に現れる過敏症症状)アミロイド関連画像異常(ARIA)が挙げられます。

インフュージョン・リアクションは投与初回に多く、投与中は注意深い観察が必要です。ARIAには脳浮腫や脳胞液の貯留(ARIA-E)、脳内の微小出血や鉄(ヘモジデリン)沈着(ARIA-H)の2種類があり、痙攣やてんかん重積等の事象が起こることがあります。

ARIAは治療初期に起こることが多く、時間経過により回復が見られます。ほとんどは無症状ですが、頭痛、錯乱、視覚障害、めまい等が報告されており、定期的にMRI検査を実施することとなっています。

ARIAの発生頻度は、アポリポ蛋白質E遺伝子(APOE)のε4型を持つ人や、APOEεを2つ持つホモ接合体の人、治療前の脳画像所見で微小出血、脳血管に病変がある場合に高くなるとされています。

 レケンビ使用患者は「レケンビ治療カード」を携帯する、またはお薬手帳の表紙にシールを貼るなど、治療中であることを医師または薬剤師に伝えるよう指導されているので、薬局では抗血小板薬や抗凝固薬の併用中は脳出血を助長する可能性があることに注意し、ARIAを示唆する症状が見られた場合にはすぐに医療機関に連絡するなどフォローアップも重要です。

特に投与開始14週以内はARIAの発現率が高く注意深く観察することが必要です。