夏場のタイミングで
降圧利尿剤が初処方。
当然、
脱水となり、
せん妄
になった方がいました。
ホントに
薬剤は厄剤になります
から御注意を‼️
文春オンラインより。
転倒、認知症……
高齢者の血圧を
下げ過ぎると
リスクが高まる
という事実
医学や健康の常識は、どんどん変わっている。
昨日まで正しいと思われていたことが、いつの間にか誤りとなっていることも少なくない。
古い知識のままで、間違った習慣を続けていると、かえって健康を損なわないとも限らない。
血圧が「高いとよくない」ことは皆知っているだろう。
しかし、
低すぎるのもまたよくないのだ。
どんな場合に気をつけるべきなのか、専門家に聞いてみた。
「高血圧論争」の答えは……?
現在、日本高血圧学会が定めるガイドラインでは、上(収縮期血圧)が140mmHg以上だと高血圧と診断されることになっている。
これに対して、4年ほど前に日本人間ドック学会が血圧の基準範囲を「147まで」と公表し、これに反発した日本高血圧学会との間で「高血圧論争」を巻き起こしたことがあった。
しかし、
世界的に見ると、血圧の基準はもっと緩やかになる可能性がある。
というのも、
昨年1月17日、米国内科学会と米国家庭医学会が合同で、60歳以上の降圧目標を「150未満」とする新しいガイドラインを公表したからだ(心血管病などのリスクがある人を除く)。
つまり、
ふつうに健康な60歳以上の人の病院外来で測る血圧は、150未満であれば治療しなくていいとされたのだ。
この基準は妥当なのか、米国心臓病協会の特別研究員などを務める神戸学院大学栄養学部教授の駒村和雄医師に解説してもらった。
「2017年に出たガイドラインは、9本の信頼性の高い臨床研究を総合的に検討した結果に基づいています。それによると、血圧が160以上の人を対象に治療効果を調べた研究では、死亡、脳卒中、心疾患ともリスクが下がっていました。しかし、血圧がそれほど高くない人に厳しい治療をしても、あまり効果はないことがわかりました。2015年、血圧を厳しく下げるほうがよかったという研究も報告されましたが、これは例外的な結果で、今回のガイドラインのほうが、より普遍性が高いと考えられます」
体力の落ちた高齢者では、血圧を下げ過ぎると元気がなくなり、転倒や骨折、脳梗塞、認知症などのリスクが高まるとも指摘されている。
したがって、
血圧は高すぎも、下げ過ぎもよくないことを、知っておいたほうがいいだろう。
また、血圧はただ高ければ危ないというものではない。
一日の中でも血圧は、その時々の状況に応じて高くなったり低くなったりしている。
したがって、
いつ、どのような状況で測った血圧が高かったかが重要となる。
駒村医師によると、
高齢者はとくに、早朝の高血圧に注意してほしいという。
「年をとると、寝ている間も交感神経が緊張しやすくなるため、早朝に血圧が高くなる人が増えます。実は、心筋梗塞や脳卒中は午前中に起こることが多いのです。ですから、早朝に血圧を測ってみて高かった人は、医師に相談して治療することをお勧めします」
早朝の血圧を知るためには、血圧計を買って家で測る必要がある。
ただし、
早朝であればいつ測ってもOKというわけではない。
駒村医師が言う。
「私は患者さんに、『血圧は朝メシ前と寝る前に測れ』と指導しています。高血圧治療ガイドラインでも、朝起きて排尿後の1時間以内に、薬を飲む人はその前に測定することと書かれています。また、血圧計は二の腕に巻いて測るタイプがお勧めです。血圧は心臓から遠いほど高くなるので、手首で測る血圧計は数値が高く出やすいからです」
最近では、有名メーカーの血圧計を数千円で手に入れることができる。
家族の健康を守るためにも、一家に一台は備えておきたい。
高齢者では夜中にトイレに起きてしまう人も多いが、これにも注意が必要だ。
駒村医師によると、夜間頻尿の人も、血圧が高い可能性があるからだ。血圧が高いと腎臓で濾過される血流量が増えるため、尿もたまるという。
また、夜間頻尿の人は心不全が始まっている可能性もある。心不全になるとうっ血して体液量が増えるため、それを外に排出しようとするからだ。
夜中に3回以上もトイレに起きてしまう人は、一度、循環器内科医に診てもらったほうがいい。
睡眠薬や抗不安薬などを飲んでいる人は、夜中に起きると転倒の恐れもある。
自分の血圧やリスクを知って、うまく危険を回避するようにしてほしい。