カロリス。
当然、限定付き。
色々な要因が絡んできます。
フリーラジカル単独ならば、
グルタチオンやら
Eやら
フェルラ酸やら・・・、
理屈通りいく場合も。
でも・・・。
モノゴトは
単純になりません。
例えば、
生体における、
「時間」と言うファクターを
どう捉えています❓
おヒマな時に考えてみて下さい。
何事も容易に、
モノゴトが解明できるなら、
ノーベル賞など
存在してないでしょう。
くだらないレベルの知識を
得たところで、
なにもかもが
わかるようになれません。
それどころか?
コレが
デタラメや空想レベルだと、
道をどんどん外れて、
元に戻れなくなるだけ。
産経ニュースより。
「カロリー制限」で
人間は本当に長生きできるのか
過去最大規模の
臨床試験から見えてきたこと
カロリー削減は長寿につながる--。
長きにわたって“常識”とされてきた理論を実証するために、過去に例がない規模の臨床試験が行われた。
被験者が針を刺され、スキャンされ、空腹のまま24時間ずっと座りっぱなしという過酷なテストからは、実際に体重の減少が認められた。
だが、
そのメカニズムについては異論が噴出しているのだという。いったいどんな結論が導き出されようとしているのか。
バトンルージュにあるペニントン・バイオメディカル・リサーチセンターの研究者たちは10年以上前、ルイジアナ州の若くて健康な人たちからヴォランティアを募り、2年間もの空腹状態を経験してもらった。
数十人の参加者たちは毎日のカロリーを25パーセント減らすほか、週に1度、さまざまな試験を受けることにも同意した。
血液採取や骨のスキャン、体内温度を測定するために錠剤を服用するといったことだ。
針を刺され、スキャンされ、飢餓状態を味わう--。
こうしたすべては、「Calerie」という名のプロジェクトのもと、「エネルギー摂取量削減による長期的影響の総合評価」を目的に行われた。カロリー削減が老化にもたらす影響を調べるものだ。人間を対象にした臨床試験では、これまでで最大規模である。
空腹に加えて
座りっぱなしの試験
この研究は国立衛生研究所の助成を受けており、セントルイスのワシントン大学、ボストンのタフツ大学でも同様の治験が行われた。
しかし
ペニントンセンターの参加者だけは、それに加えて密閉された室内で24時間座り続けなくてはならなかった。
すべての呼吸を記録するためだ。
測定の結果から、
科学者たち(および参加者の一部)は、厳しい食事療法が老化のプロセスにどのような影響を与えるかを知ろうとしている。
長寿科学というまだ新しい分野において、カロリー制限は極めて合理的な戦略のひとつなのだ。
1930年代半ば以降、
酵母菌、ミミズ、マウス、ラット、サルを使った研究が行われ、カロリー摂取量を20~50パーセント減らすとより健康になり、老化に関連する疾病にかからず、長生きできると繰り返し証明されてきた。
だが、
そのメカニズムについては、なかなか意見が合致していない。これまでのところ食品医薬局(FDA)も、薬品によって断食に近い状態をつくろうとする試みに対しては一切、認可していない。
Calerieは人間を対象にした研究であり、また初めての無作為化比較試験だ。
研究者たちは過去の動物実験に基づき、人体に悪影響を及ぼさず、かつ効果の判定ができるとして、カロリーの削減率を25パーセント(500~800カロリー)と設定した。
米国では毎日1万人が65歳を迎えている。
いまほど、
健康的に年を重ねるための正しい科学的知識が求められる時代はない。しかし残念ながらこの最新の結果でも、すべてが解明されたとは言えないのだ。
代謝が落ちれば、
有害な「副産物」も減る
ペニントンの研究グループは3月22日、『Cell Metabolism』に論文を発表し、代謝測定装置「ヒューマンカロリーメーター」による治験の結果を初めて報告した。
ペニントンは、代謝測定装置を備えた世界でも数少ない施設のひとつだ。この装置はホテルの部屋ほどの大きさで、測定に適した環境を備えている。治験参加者を装置内に24時間拘束し、消費する熱量を測定する。その熱量がどこで消費されたか(脂肪か、タンパク質か、炭水化物か)を解析する方法としては最も厳密なものといえる。
一晩食事を抜いたあと、被験者たちは朝8時に測定装置に入り、翌朝8時までそこから出ることも、運動をすることも許されない。
食事は研究者たちがエアロック式の小さな戸口から差し入れる。
室内には新鮮な空気が送り込まれて循環し、外に出された空気は一連の分析装置に通され、酸素と炭水化物の比率が測定される。尿サンプルから得た窒素測定値で、被験者それぞれが睡眠時にどのような代謝を行っているか、全体像を算出する。
ここから、
たとえ大幅にではなくともカロリーを減らせば、代謝が10パーセント下がることが明らかになった。
一部は体重の減少によるものと考えられる。
体重は2年間で平均20ポンド(約9kg)減少した。
しかし、
論文の著者らによれば、変化の大半はむしろ生物学的な変化によるものだという。
インシュリンや甲状腺ホルモンといったバイオマーカーの解析から導いた結論だ。
論文の主著者である内分泌学者、リーアン・レッドマンは「カロリー制限によって基礎代謝率が落ちるというのは、つまり機能を健康に維持するために必要なエネルギーが減少することだと考えられます」と話す。
体がより少ない酸素量で、必要とされるすべてのエネルギーを生み出せるようになれば、代謝によって生まれる副産物も減少する。
こうした副産物のなかには、DNAなどの細胞機能にダメージを与える恐れのある「フリーラジカル」なども含まれる。
「調査から2年後には、代謝率の低下やカロリーの削減レヴェルが、細胞や組織を酸化させて機能を損なうストレスを減少させるらしいとわかってきました」とレッドマンは言う。
「ハンバーガー半分と少しのポテト」
では生きられない
この調査でカロリー制限が長寿につながると断定するには、期間が十分とは言えない。
それを確かめるには何十年もかかるだろう。しかしレッドマンはこのデータについて、長年、論争の的になっている人間の老化の理論2つを改めて裏づけるものだと主張する。
その1つは、
生命体の代謝速度が遅いほど長く生きるという説である。もう一方は、年月とともに細胞がフリーラジカルによる悪影響を蓄積し、生命体が老化するというものだ。
Calerie研究者には、その説に納得しない人もいる。
ワシントン大学の治験を指揮した内科医、ルイージ・フォンタナはこう言う。
「空腹で死にかけているせいで、睡眠時の代謝率が下がるとも考えられます。それが長寿のバイオマーカーになりますか? 答えはノーです。毎日の食事をハンバーガー半分、フライドポテトを少しだけにすればカロリーは減らせますが、長生きするでしょうか? 栄養失調で死にますよ」
フォンタナ自身がCalerieの治験データから出した研究結果では、ある特定のインシュリン経路に変化が起きるほうが、代謝全体の減少より重要だろうとしている。
彼はさらに、1日数時間、冷水の中で泳がせたラットの研究結果についても指摘する。
ラットの代謝率は下がるが、室温に置いたラットほど長く生きられなかった。
マウスをフリーラジカルから守る酵素を過剰に発現させた研究もある。この場合も、マウスは長く生きられなかった。
レッドマンのデータは興味深いが、すべてを説明できるわけではないとフォンタナは言う。
「20年前は、カロリーを減らせば減らすだけいいというのが定説でした。しかし、いまわたしたちが行っている研究では、数値は重要ではないという結果が出てきています。遺伝的性質や食事構成、食べる時間、腸内微生物の種類といった要素すべてが、カロリー削減に影響を与えるのです」
カロリー削減で
がんの発病と進行を遅らせる
カロリー削減が人体に与える影響についての研究では、細胞が老化する原因はいまだ解明されていない。しかし、だからといってカロリー削減が健康の増進に大きく寄与している可能性が消えたわけではない。
「カロリー削減は、がんの発病と進行を遅らせる唯一の方法として知られています」と米国立老化研究所(National Institute on Aging)で老年学実験研究室(Translational Gerontology Branch)の研究室長を務めるラファエル・デ・カボはいう。
カボの研究チームは最近、25年にわたりアカゲザルを使って行ったカロリー削減の研究結果をまとめた。サルを使った別の研究ほど劇的な長寿効果は見られなかったが、がんや代謝性疾患の発病率は下がることを確認した。
カボは言う。
「環境汚染のひどい状況で働く人たちがカロリー摂取量を減らせば、汚染物質から身を守るために極めて有効でしょう。しかし、おわかりの通り、ずっと少量しか食べずに我慢できる人はいません」
ジェフリー・パイパーほど、身をもってそれを知る人間はいないだろう。産科医で現在58歳の彼は、9年前にワシントン大学の治験者として参加した。それまでずっと体重を落とせずにいた彼は、これで痩せられることを期待していた。参加したときの彼の血圧は84~132あったが、カロリーを減らした食事法を数カ月続けると、65~115まで下がった。
さらに、1年間で体重は30ポンド(約13.6キロ)落ちた。
しかしその半年後、ハイパーは治験をやめた。
あまりにも要求がきつすぎたのだ。
「エネルギーも体力も奪われましたし、明らかに性欲もなくなりました。それに毎日カロリーをしっかり管理されるのには、本当にうんざりしましたね」
ハイパーはいま、
すっかり体重が元に戻り、
高血圧の薬を
飲まなければならなくなった。
しかし少なくとも、
充実した生き方をしている実感がある。
たとえ長生きは無理だとしても。