アルツハイマー型認知症 治療薬 情報 | フレイルも認知症も減らない日本

フレイルも認知症も減らない日本

Nobody is in possession of the ultimate truth.

ウイルスと戦争の世紀で人生を終えることになるとは・・・まさに第三次世界大戦前夜の状況ですからね しかも本日は日本の金融市場はトリプル安

治せないのは
原因がわからないからですか❓

磨耗した軟骨や
白内障患者さんの水晶体も
クスリでは
治せません。

過剰リン酸化タウが
誘導されたニューロン。

内部から
破壊されていきます。




週刊朝日より。


アルツハイマー型認知症
の治療薬が
2020年に実用化!?


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アルツハイマー型認知症の新薬開発状況

 アルツハイマー型認知症の治療薬をつくるべく、各社が競って研究を進めている。



*  *  *

 高齢化に伴い増加する
アルツハイマー型認知症
(以下、AD)
に関しては現在、
4種類の治療薬が存在する。

しかし、
日本では2011年7月を最後に、
ADに対する新薬は登場していない。

患者数が増加の一途を
たどっている病気で、
ここまで長期にわたって
新薬が登場しないケースは珍しい。

 この現象は
日本特有のことではない。

アメリカ研究製薬工業協会が
15年7月に公表した
AD治療薬の開発に関する
報告書では、
同協会会員の製薬企業が
1998~2014年に
臨床試験をおこなった
AD治療薬候補127成分のうち、
製造承認に至ったのは
たった4成分。

確率にして3.1%だ。

一般的に、
薬の開発では
臨床試験に入ったもののうち
10%強が
患者に投与される
ところまで行きつく。

つまり、
これはかなり低い成功確率なのだ。

 AD治療薬の開発の
困難さに関して、
昭和大学薬学部
薬理学講座教授の野部浩司氏は、
「ADはいまだ原因が
明確ではないにもかかわらず、
新たな物質(新薬)の効果を
評価することが
求められている難しい領域」
と語る。

簡単に言うなら、
正体のわからない敵に
効果のわからない手段で
立ち向かうという状態なのだ。

 その理由に迫る前に、
そもそも
ADが起きる仕組みを説明したい。

ADはアミロイドβ(以下、Aβ)、
タウと呼ばれる
たんぱく質が塊を形成して
脳内に蓄積することで
神経細胞が死滅し、
記憶障害などの症状が出る。

この過程で
神経細胞が弱っていき、
神経と神経の間で
情報伝達を担う
神経伝達物質の量も異常になり、
記憶力の低下に
拍車がかかるとされている。

現在ある4種類の治療薬は、
いずれも神経伝達物質の量を調整し、
記憶力低下を回復させる。




■Aβとタウの蓄積を止める薬が必要

 しかし、
この回復は一時的。

この間にも
Aβやタウの蓄積で
神経細胞の死滅は進行していくので、
これら治療薬で
神経伝達物質の量を
調整しても
意味がなくなってしまうからだ。

より根本的な治療を
目指すならば、
Aβやタウの蓄積を止める
薬が必要になる。


実は
このAβとタウの蓄積は、
ADの原因とは断定できていない。

進行とともに
患者の脳内に蓄積が進むため
「原因だろう」
と推定されている
仮説なのだ。
 
 Aβ仮説とは、こうだ。

Aβのたんぱく質は
3段階あり、
酵素によって切り出されてできた
最初のAβはモノマーと呼ばれ、
これが複数絡み合って
オリゴマーになり、
さらにそれらが
プラークという塊を形成して
脳内に張りつき、
徐々に神経細胞を侵してADに至る。

段階を経るごとに
Aβは毒性を増していく。

 仮説とはいえ
現時点で最有力であるため、
現在のAD治療薬開発の主流は、
Aβをターゲットにしたものに
集中している。

多くはAβを排除する
抗体(抗Aβ抗体)を注射で投与し、
Aβを取り除こうとしている。

ただ、
仮説ゆえに開発途中で
数々の困難にも直面している。

 実際、16年11月、
AD治療薬を開発する
関係者や患者を落胆させた
出来事が起きた。

米の大手製薬会社
・イーライリリーが、
臨床試験を実施していた
「ソラネズマブ」という
抗Aβ抗体について、
医薬品としての
承認申請を行わないと
発表したのだ。

早期認可が
期待されていたが、
最終段階の国際共同臨床試験・
EXPEDITION3の結果、
偽薬と比べ、
明確な有効性の差が
示せなかったからだ。

 既に12年には
米ファイザーの抗Aβ抗体
・バピネオズマブも
十分な有効性が示せずに
開発中止に追い込まれており、
一見すると
Aβ仮説に希望の光はない
かのように見える。

 ところが、
別のところでは
明るい兆しが見え始めている。

ソラネズマブの
承認申請の断念に先立つ
16年9月、
イギリスの有力科学誌
「ネイチャー」に
米バイオジェンが開発する
抗Aβ抗体「アデュカヌマブ」
が初期の試験で
有効性を示したことが報告された。

 この試験では
放射性診断薬を用いた
陽電子放射断層撮影法(PET)
という画像診断で、
アデュカヌマブを投与した
患者の脳内では
Aβ量が徐々に減少することが
明らかになったのである。

 しかも、
CDR-SB
(臨床的認知症重症度判定尺度)、
MMSE
(ミニメンタルステート検査)
といった認知機能テストでも、
偽薬を投与した群に比べて
病状の悪化は少なかった。

このまま試験が
うまく進めば
22年前後に実用化が見込める。

米バイオジェンの
日本法人バイオジェン・ジャパン
の社長で研究開発本部長も務める
鳥居慎一氏は、
「アデュカヌマブが持つ
特性と臨床試験の手法が
良好な成績の理由だろう」
と説明する。

 具体的に説明すると、
アデュカヌマブは
前述のAβで最も毒性が高いとされる
脳内のプラークを標的にしている。

また、
従来の抗Aβ抗体の臨床試験では、
ある程度症状が進行した
患者を対象にしていたが、
アデュカヌマブでは、
軽度あるいは
その直前の前駆期と呼ばれる
超初期のAD患者を対象としたのだ。

 前駆期と呼ばれる患者は、
自覚症状が少なく、
医療機関になかなか
足を運ばないため、
臨床試験に
組み入れるのが難しい。

実はソラネズマブが
承認申請を断念したのも、
この辺に大きな理由がある。

米イーライリリーの
日本法人・日本イーライリリー
研究開発本部の中村智実氏は、
「ソラネズマブは
軽度ADの患者で
臨床試験をおこなったが、
この段階でも
症状はある程度進行しているため、
対象として的確ではなかった
との専門家の意見は多い」
と語った。

 また、
ソラネズマブは
Aβの第1段階である
モノマーを標的としていた。

初期に血中にある
モノマーを減らせば、
脳内のAβが血中に出てきて
バランスを保とうとし、
結果として脳内のAβが減るという
「シンク仮説」に基づいた
薬剤だったからだ。

しかし、
想定したほど
脳内のAβは減少しなかった。

 とはいえ
中村氏は、
「少ないながらも効果は
認められたので、
ソラネズマブが完全に
失敗したとは思っていない」
と語る。

現在、
新薬の臨床試験は中断したが、
国際的な
官民共同試験が進行しており、
そこで成功すれば、
再び日の目を見る可能性もある。

 この対照的な結果は、
他社の抗Aβ抗体開発にも
影響を及ぼしている。

Aβのプラークを標的とする
「ガンテネルマブ」、
オリゴマーをメイン標的とする
「クレネツマブ」という
2種類の抗Aβ抗体を開発する
中外製薬。

同社は
アデュカヌマブの試験結果を基に、
いずれの薬剤でも
臨床試験の投与量を増量して
臨床試験を
再設計する方針を固めた。

中外製薬の
プライマリーライフサイクル
マネジメント部の中谷紀章氏は、
「Aβのなかでオリゴマー、
プラークのどちらが
ADの主犯格かはまだわからない。
今後われわれや
各社の臨床試験の結果で、
こうした
Aβ仮説のさまざまな
疑問が明らかになる」
との見通しを示す。


AD克服へ 各社の挑戦は続く


 アリセプトを開発した
エーザイは新たに、
抗Aβ抗体の
「BAN2401」と
βセクレターゼ(BACE)阻害薬の
「エレンベセスタット」
を開発中だ。

BACEは
ある種のたんぱく質から
Aβのモノマーを切り出す
働きをする酵素。

BACE阻害薬は
いわばAβの源流を断つ戦略だ。

後者は全世界で
合計2660人の患者を集め、
二つの臨床試験を実施している。

 各社とも互いを横目で眺めながら、
まさに
トライアル・アンド・エラーの連続で
治療薬の開発を進めている。

これらのうち
最も早く患者に届くものは、
うまくいけば20年前後に
登場する見込みだ。

 ただ、
現在開発中の
Aβターゲットの治療薬は
ADの進行を遅らせる薬で、
完全に治せるものではない。

しかし、
これは必ずしも
暗いニュースではない。

そもそもADの発症は
60~70代に多い。

今後登場する複数の薬で
これを
10~15年遅らせることができれば、
天寿にほぼ近づき、
事実上のAD克服といえるからだ。