どれだけ、
認知症専門医が
認知症患者さんのことを
わかっているのでしょうか❓
考えたことあります❓
病気のつらさは、
決して健康な人間なんかに
ワカリャしませんよ。
いずれ、証明しますから。
朝日新聞より。
認知症とともに22年
「いまこの瞬間を
楽しんで生きる」
4月29日まで京都市で開かれた国際アルツハイマー病協会国際会議(認知症国際会議)には、22年間にわたり認知症とともに生きるオーストラリアのクリスティーン・ブライデンさん(68)も参加しました。
13年前に同じ会場であった国際会議で本人活動の重要性を訴えたブライデンさんに、いまの日本の状況はどう映ったのでしょうか。
今回の会議後に聞きました。
■日本、世界をリードする存在に
今回の来日で最も心を動かされたのは、日本認知症ワーキンググループ(JDWG=認知症の本人でつくる団体)のメンバーとの出会いです。
13年前の国際会議で、私は「(変革を目指す)リレーのバトンを渡す」と言いました。
(JDWGメンバーの)藤田和子さんや丹野智文さん、ほかの方々もしっかりとバトンを受け取って素晴らしい走りをしています。
彼らは公に話すことで、社会を変えようとしています。
バトンは、JDWGのなかで引き継がれていくことでしょう。それを通じて、社会が認知症を当たり前の病気として受け入れていくのではないかと思います。
2004~05年の頃、日本はなかなか前に進んでいないという感じがありました。けれど、急速に変わっています。
12年に日本に来たときには、日本はもうこの分野で世界をリードしているのではないかと感じました。
いまの日本では、バトンは本人以外にも渡っています。政府関係者も医師もメディアも認知症に関心がある。これらの人たちが連携しながら動いているのが、日本の良さです。
ただ、言語が障壁になって、
日本の先進性に
なかなか目が向いていません。
大事なことは、より多くの人にバトンを渡していくことです。限られた人だけが担うと、その人たちが特殊だと思われてしまう。
より多くの人が認知症について話したり書いたりすればするほど、糖尿病や心臓病、がんと同じように「認知症は数ある病気のひとつ」というように、みなさんが見方を変えてくれると思っています。
■今この瞬間を楽しんで生きる
認知症の人に何よりも申し上げたいのは、あなたはひとりの人間だということです。
認知症であるという事実は、あなたのほんの小さな一部でしかありません。
散歩したり出かけたり、とにかくその日1日を楽しみましょうよ。
私は認知症になって、全く記憶がない状況でも生きるすべを学びました。「いま、この瞬間を喜びをもって生きる」ということです。
認知症にならなければ、気づかなかったと思います。そして、たとえ症状が進んでも私は私であり続けます。妻、母親、祖母であり、良き友人でありたい私。
すべて「私」です。
認知症でないみなさんに理解してほしいのは、認知症は目に見えないということです。
私は「全然認知症に見えないわ」と言われると腹立たしい。
苦労を認識してもらえていないと感じるからです。
たとえば、駅などざわざわしたところでは、すぐ疲れてしまう。突然ドアが開いたり、急に何かが光ったりすると、どうしていいかわからなくなる。言葉がなかなか出てこない認知症の人たちを助ける意味でも、そうした苦労があることを理解してほしい。
認知症の人に寄り添っているみなさんには、本人がその瞬間を楽しく生きられるように支え、励ましてほしい。
ふさわしい支援は人それぞれですが、私が不安になっていると夫のポールは「猫をひざにのせて少し休んだら」と助言してくれます。
ゴルフが好きな人にはゴルフを楽しめるように、生け花が好きな人にはきれいに花を生けられるように手助けしてほしいですね。
ちゃんとした支援があれば、日本にたくさんいる認知症の人たちは幸せな生活を送ることができるのですから。
《Christine・Bryden》 官僚だった1995年、46歳で認知症と診断される。その後、講演などを通じて、認知症の本人としての思いを発信し続ける。日本への訪問は今回が6回目。4月に「私の記憶が確かなうちに」(クリエイツかもがわ)を出版した。
《認知症》 もの忘れ、時間や場所がわからなくなることなどが主な症状。日本国内に2012年時点で462万人いて、25年には約700万人に増えると予測されている。世界保健機関によると、全世界では15年時点で4750万人いると見込まれる。