㊗️コウノメソッドの「論より証拠」分析❷ 名古屋まで行って動けなくされたレビー患者 | フレイルも認知症も減らない日本

フレイルも認知症も減らない日本

Nobody is in possession of the ultimate truth.

ウイルスと戦争の世紀で人生を終えることになるとは・・・まさに第三次世界大戦前夜の状況ですからね しかも本日は日本の金融市場はトリプル安

井岡の防衛戦
を見ながら書いています。

余裕で勝つでしょう。

{56FD65C2-E1B3-4C57-81EF-6C8FC393203C}

日曜日は快晴🌞


過ごしやすかったですね。



「気象病」なる病名を
聞いたことがあると思いますが、
痛み疾患を診ている
診療サイドとしては、
イヤと言う程、
その影響力を思い知らされます。

今からが
梅雨までのしばし、
ホッとできる期間。


2月までは・・・
今年も多くの方々との別れがありました。


もう、
開業する前から
10年以上は診ている患者さん。

70歳後半の女性。

この方は非常に状態が良く、
言うことはないのですが・・・
その旦那さんの話。



旦那さんは3年前に脳梗塞発症。

近医で、
1️⃣プラビックス®︎
2️⃣プレタール®︎
3️⃣ユリーフ®︎
4️⃣アテディオ®︎
5️⃣クレストール®︎
が処方されていました。


5️⃣のクレストール®︎は
コレステロールを下げる薬剤
で有名ですね。



1️⃣のプラビックス®︎も有名ですね。

いまや、
虚血性脳血管障害後
の再発抑制とくれば、
プラビックス®︎でしょう。



2️⃣のプレタール®︎は大好きな薬剤。

動脈硬化症対策には
なくてはならない薬剤です。
脳にも必須の薬剤でしょう。

プレタール®︎は血小板のみならず、
秘密血管にも作用して血圧を下げます。

専門的には、
血栓形成に関与する血小板と
血管の筋肉である血管平滑筋の
ホスホジエステラーゼ3
(PDE3:phosphodiesterase)活性を
選択的に阻害するので、 
血栓ができにくくして、
かつ、血管拡張作用を発揮します。

秘密抗PDE3作用を有します。


大好きなプレタール®︎ですが、
この世に完璧な薬剤などありません。

サプリメントも同様ですよ。

医者も知らない、
底が抜けるような本を出しますから、
お楽しみにてへぺろ



プレタール®︎も
副作用の頻脈のため、
冠動脈疾患を扱う
循環器の先生には
嫌われているはずですし、 
心不全合併例では、
禁忌となっております。

弱った心臓には注意が必要なんです。
この患者さんには
Max量の半分が処方されていました。


3️⃣のユリーフ®︎。

自律神経は
交感神経と副交感神経からなりますが、
尿道や前立腺にある
交感神経のα1A受容体を遮断して、
尿道内部の圧力を下げ、
前立腺肥大症の排尿障害を
改善しようとする薬剤ですね。

秘密血管にも作用して、
たちくらみなど低血圧
を起こす可能性があります。

そう・・・
秘密抗PDE3作用を有する
薬剤との併用で
血管拡張作用が増強され、
たちくらみなどの副作用が
起きる可能性があることは
常識となっています。


4️⃣アテディオ®︎。

みなさん、ご存知ですよ。

降圧剤のディオバン®︎と
同じく
秘密血管拡張作用を持つ降圧剤の
アテレック®︎との合剤です

そう、
4️⃣だけで降圧剤ダブル処方です。




以上の秘密から
何が起こってくるでしょう




そもそも、
脳梗塞を起こした患者さんは
脳血管の動脈硬化性病変など
血液の流れが悪い箇所があり、
プレタール®︎を使用しても、
血液を流すために
必要な圧(血圧)が
正常人より高めなハズですね。

脳梗塞の患者さんの
血圧の調整はそれこそ・・・
細心の注意が必要なハズ。

脳の血流が悪い状態に
トドメのアムロジン®︎Max処方で
認知機能を
メチャクチャにされた症例は
幾つも診てまいりました。

たいてい、
クソ馬鹿医者から、
ウインタミン®︎やら
セロクエル®︎などが
出されていますが、
それらをブッタ斬り、
降圧剤の減量で対処して、
正気に戻ります。

この場合の病名は何でしょう❓

浮かばないヒトは
診断学の偏差値が30レベル。

マトモな本を
たくさん読んで
勉強した方がイイでしょう。




話を戻します。


展開は薬剤の内容から
予想した通りになります。

この患者の旦那さんの場合、
案の定、
「問題」が起きてしまいました。

6️⃣レミニール®︎が
昨年末から出されました。

脳梗塞だから❓

いや〜、
既に出された
各薬剤の相互作用は
無視できんでしょう。

旦那さんの脳の血流は
どうなっていたでしょう❓

レミニール®︎は8mg、8mgまで
出されたところから、
怒るようになってきましたムキー

お決まりの聞き飽きた展開ですね。


落ち着かせるために今度は、
7️⃣抑肝散®︎が7.5gが処方されました。

レミニール®︎はそのままにガーン


ド典型的な
処方カスケード。



抑肝散なんか、
効きゃしませんよ。

イライラは落ち着かず、
手に負えなくなり、
◯月初めにレミニール®︎は中止。

1️⃣から5️⃣のクスリも、
7️⃣の抑肝散®︎も、
イライラも継続のまま、
運命の◯月末となりました。


◯月 X日の23時、前胸部痛出現。
救急搬送されて、
翌日、◯月 X+1 日 に
カエラヌヒトとなりました。


いまだ動揺が激しく、
奥さんは
心不全
と聞いた・・・としか
覚えていませんでした。

レミニール®︎と抑肝散®︎は
何だったんでしょうね❓

こうなると、
レミニール®︎も抑肝散®︎なんて
出した意味があったんでしょうか❓

2️⃣3️⃣4️⃣トリオが
レミニール®︎を
引きずり出したとは
言えないでしょうか❓


とにかく、
心臓やら脳やら、
血管が障害された
虚血性疾患の状態で、
認知症の
どうでもイイような薬剤の数々が
役にホントに立つのでしょうか❓

死期を早めるだけと違いません❓

ま〜、
勇気のある医者の処方は
コレだけではありません。


定型抗精神病薬の一つに
セレネース®︎があります。

{5A4F113D-9086-4F45-A751-8E51602F677E}


どんな薬剤にも、
その効果を出す作用機序ゆえに、
使うと良くない状態があります。


セレネース®︎は
ドーパミンが作用する
ドーパミン受容体(D2受容体)を
阻害することで効果を発揮します。


セレネース®︎の場合、
以下のような禁忌があります。

{4B8A7A82-1D12-4EC1-9068-EACF352C756D}

もともと、
ドーパミンが減少している病態で、
セレネース®︎を使用すると
どうなるでしょう❓

(4)パーキンソン病の患者が
  それに相当します。

最近、
動けなくなった為に、
当院を受診された
レビー小体型認知症患者さんがいます。

名古屋の認知症専門クリニック
まで行かれて、
セレネース®︎のジェネリック、
リントン®︎が処方されていました。

名古屋の大先生に
紹介されたクリニックを受診すると、
更に、
抗てんかん薬が処方されたので、
通院するのをやめて、
当院に来られたそうです。

錐体外路兆候が
はっきりしていましたから、
リントン®︎はブッタ斬り、
幻視には他の方法で対処しました。

先日、
受診時に診察すると、
見事に錐体外路兆候は消失‼️

リントン®︎による
薬剤性パーキンソニズム
だったわけです。

理屈通りの
薬害でした。

いやはや、
新幹線代は他に使うべきでした。




ま〜、
幾らでもネタはあります。

ウソは申しませんや。
冗談は大キライですからニヤリ



何でも有る事無い事を書く医者から、
別に関心のない医者まで様々なだけ。

知っていることを
全てなんて書きません。

時間は有限。

講演会や勉強会用のスライドを
作らにゃいかんし、
膨大な原稿ネタをちまちまと
まとめにゃいけませんしね。

デタラメ書くのはカンタンでしょうが、
理論重視派には到底ムリ。





そうそう、
処方カスケードを知らないと❌

処方カスケードは拙著55ページ参照。
次回は
診断のレベルを分析しましょう。