井岡の防衛戦
を見ながら書いています。
余裕で勝つでしょう。
過ごしやすかったですね。
「気象病」なる病名を
聞いたことがあると思いますが、
痛み疾患を診ている
診療サイドとしては、
イヤと言う程、
その影響力を思い知らされます。
今からが
梅雨までのしばし、
ホッとできる期間。
2月までは・・・
今年も多くの方々との別れがありました。
もう、
開業する前から
10年以上は診ている患者さん。
70歳後半の女性。
この方は非常に状態が良く、
言うことはないのですが・・・
その旦那さんの話。
旦那さんは3年前に脳梗塞発症。
近医で、
1️⃣プラビックス®︎
2️⃣プレタール®︎
3️⃣ユリーフ®︎
4️⃣アテディオ®︎
5️⃣クレストール®︎
が処方されていました。
5️⃣のクレストール®︎は
コレステロールを下げる薬剤
で有名ですね。
1️⃣のプラビックス®︎も有名ですね。
いまや、
虚血性脳血管障害後
の再発抑制とくれば、
プラビックス®︎でしょう。
2️⃣のプレタール®︎は大好きな薬剤。
動脈硬化症対策には
なくてはならない薬剤です。
脳にも必須の薬剤でしょう。
プレタール®︎は血小板のみならず、
血管にも作用して血圧を下げます。
専門的には、
血栓形成に関与する血小板と
血管の筋肉である血管平滑筋の
ホスホジエステラーゼ3
(PDE3:phosphodiesterase)活性を
選択的に阻害するので、
血栓ができにくくして、
かつ、血管拡張作用を発揮します。
抗PDE3作用を有します。
大好きなプレタール®︎ですが、
この世に完璧な薬剤などありません。
サプリメントも同様ですよ。
医者も知らない、
底が抜けるような本を出しますから、
お楽しみに
プレタール®︎も
副作用の頻脈のため、
冠動脈疾患を扱う
循環器の先生には
嫌われているはずですし、
心不全合併例では、
禁忌となっております。
弱った心臓には注意が必要なんです。
この患者さんには
Max量の半分が処方されていました。
3️⃣のユリーフ®︎。
自律神経は
交感神経と副交感神経からなりますが、
尿道や前立腺にある
交感神経のα1A受容体を遮断して、
尿道内部の圧力を下げ、
前立腺肥大症の排尿障害を
改善しようとする薬剤ですね。
血管にも作用して、
たちくらみなど低血圧
を起こす可能性があります。
そう・・・
抗PDE3作用を有する
薬剤との併用で
血管拡張作用が増強され、
たちくらみなどの副作用が
起きる可能性があることは
常識となっています。
4️⃣アテディオ®︎。
みなさん、ご存知ですよ。
降圧剤のディオバン®︎と
同じく
血管拡張作用を持つ降圧剤の
アテレック®︎との合剤です。
そう、
4️⃣だけで降圧剤ダブル処方です。
以上のから
何が起こってくるでしょう❓
そもそも、
脳梗塞を起こした患者さんは
脳血管の動脈硬化性病変など
血液の流れが悪い箇所があり、
プレタール®︎を使用しても、
血液を流すために
必要な圧(血圧)が
正常人より高めなハズですね。
脳梗塞の患者さんの
血圧の調整はそれこそ・・・
細心の注意が必要なハズ。
脳の血流が悪い状態に
トドメのアムロジン®︎Max処方で
認知機能を
メチャクチャにされた症例は
幾つも診てまいりました。
たいてい、
クソ馬鹿医者から、
ウインタミン®︎やら
セロクエル®︎などが
出されていますが、
それらをブッタ斬り、
降圧剤の減量で対処して、
正気に戻ります。
この場合の病名は何でしょう❓
浮かばないヒトは
診断学の偏差値が30レベル。
マトモな本を
たくさん読んで
勉強した方がイイでしょう。
話を戻します。
展開は薬剤の内容から
予想した通りになります。
この患者の旦那さんの場合、
案の定、
「問題」が起きてしまいました。
6️⃣レミニール®︎が
昨年末から出されました。
脳梗塞だから❓
いや〜、
既に出された
各薬剤の相互作用は
無視できんでしょう。
旦那さんの脳の血流は
どうなっていたでしょう❓
レミニール®︎は8mg、8mgまで
出されたところから、
怒るようになってきました
お決まりの聞き飽きた展開ですね。
落ち着かせるために今度は、
7️⃣抑肝散®︎が7.5gが処方されました。
レミニール®︎はそのままに
ド典型的な
処方カスケード。
抑肝散なんか、
効きゃしませんよ。
イライラは落ち着かず、
手に負えなくなり、
◯月初めにレミニール®︎は中止。
1️⃣から5️⃣のクスリも、
7️⃣の抑肝散®︎も、
イライラも継続のまま、
運命の◯月末となりました。
◯月 X日の23時、前胸部痛出現。
救急搬送されて、
翌日、◯月 X+1 日 に
カエラヌヒトとなりました。
いまだ動揺が激しく、
奥さんは
心不全
と聞いた・・・としか
覚えていませんでした。
レミニール®︎と抑肝散®︎は
何だったんでしょうね❓
こうなると、
レミニール®︎も抑肝散®︎なんて
出した意味があったんでしょうか❓
2️⃣3️⃣4️⃣トリオが
レミニール®︎を
引きずり出したとは
言えないでしょうか❓
とにかく、
心臓やら脳やら、
血管が障害された
虚血性疾患の状態で、
認知症の
どうでもイイような薬剤の数々が
役にホントに立つのでしょうか❓
死期を早めるだけと違いません❓
ま〜、
勇気のある医者の処方は
コレだけではありません。
定型抗精神病薬の一つに
セレネース®︎があります。
どんな薬剤にも、
その効果を出す作用機序ゆえに、
使うと良くない状態があります。
セレネース®︎は
ドーパミンが作用する
ドーパミン受容体(D2受容体)を
阻害することで効果を発揮します。
セレネース®︎の場合、
以下のような禁忌があります。
もともと、
ドーパミンが減少している病態で、
セレネース®︎を使用すると
どうなるでしょう❓
(4)パーキンソン病の患者が
それに相当します。
最近、
動けなくなった為に、
当院を受診された
レビー小体型認知症患者さんがいます。
名古屋の認知症専門クリニック
まで行かれて、
セレネース®︎のジェネリック、
リントン®︎が処方されていました。
名古屋の大先生に
紹介されたクリニックを受診すると、
更に、
抗てんかん薬が処方されたので、
通院するのをやめて、
当院に来られたそうです。
錐体外路兆候が
はっきりしていましたから、
リントン®︎はブッタ斬り、
幻視には他の方法で対処しました。
先日、
受診時に診察すると、
見事に錐体外路兆候は消失‼️
リントン®︎による
薬剤性パーキンソニズム
だったわけです。
理屈通りの
薬害でした。
いやはや、
新幹線代は他に使うべきでした。
ま〜、
幾らでもネタはあります。
ウソは申しませんや。
冗談は大キライですから
何でも有る事無い事を書く医者から、
別に関心のない医者まで様々なだけ。
知っていることを
全てなんて書きません。
時間は有限。
講演会や勉強会用のスライドを
作らにゃいかんし、
膨大な原稿ネタをちまちまと
まとめにゃいけませんしね。
デタラメ書くのはカンタンでしょうが、
理論重視派には到底ムリ。
そうそう、
処方カスケードを知らないと❌
処方カスケードは拙著55ページ参照。
次回は
診断のレベルを分析しましょう。