「いつの間にか骨折」
なる命名は上手とは思いますが、
激痛を生じる場合も少なくありません。
骨粗鬆症による
骨折を起こさないように、
管理に注意しています。
東京新聞より。
<普段着の認知症介護>
困ったときの「安心」に
一人暮らし 第二の居場所
昨秋からユアハウスに通ってきている八十五歳の小山さん(仮名・女性)。
一人暮らしで認知症がありますが、登録から一カ月後には一人で歩いて来所。二カ月後には、電話を入れなくても毎朝九時ごろ「おはようございます」と来られるようになりました。
笑顔も増え、毎日が順調に過ぎていましたが、小山さんが来ない朝がありました。電話にも出ないため、急きょスタッフが訪問すると、小山さんは布団の上で強い腰の痛みを訴えていました。
スタッフと病院へ行き、
背骨の圧迫骨折との診断を受けました。
医師は「入院やギプスの必要はありません。痛み止めを飲み、安静にして様子を見ましょう」。
ただ、ずっと横になって過ごしていると筋力が低下して歩けなくなってしまうため「無理のない範囲で活動してください」と話しました。
突然、生活の全てに支援が必要になった小山さん。その日からサービス内容を変更し、痛みが治まり、一人でトイレに行けるようになるまで、ユアハウスに泊まることになりました。
それでも認知症のため、痛みが圧迫骨折からきていることはすぐ忘れてしまいます。
「そろそろ家に帰らないと」
「こんなに腰が痛けりゃ、
もうおしまいだ」と、家に帰りたい気持ちと、痛みに対する不安が言葉に出ます。
支えられて歩くのがやっとでしたが、食事の時はリビングに行って他の利用者さんと一緒に食べるなど、スタッフは無理のない範囲で活動できるよう支援。
数週間して徐々に痛みも治まって、少しずつ身の回りのことができるようになってきました。
そこで私は小山さんに、自宅に帰るにあたり不安はあるか、あるならそれは何か-と質問してみました。
小山さんは「あそこの部屋に一人でいるの、ちょっと寂しい」「でもここにずっといるわけにも、いかないしね」と言いました。
私が「ユアハウスのサービスを利用することで、自宅で安心して生活できるようになってほしいと思っています」と伝えると、小山さんは「そうね、今までも頑張ってきたしね。ここに来れば良いのよね? そうすれば安心よね」と返事をしてくれました。
次の週、小山さんは自宅に帰りました。数日間はずっと家で過ごしていましたが、その後、徐々に以前のようにユアハウスに通えるようになりました。
小山さんは、泊まりのサービスを利用したことで体の状態は改善しましたが、共同生活を送ったことで一人の生活に戻ることに不安を感じたのでしょう。
一人で生きることに向き合う力を持ち続けてほしい、また持ち続けられるように支援をしていきたい…と今回、強く感じました。
小山さんは、今はほぼ毎日、同じ時間に「おはようございます」と来所。スタッフの手伝いや、他の利用者さんとおしゃべりをして過ごしています。
小規模多機能型居宅介護事業所「ユアハウス弥生」(東京都文京区)のスタッフが、介護の実践を報告する。