同じクラスにMさんという女の子がいた。
Mさんは体の臭いがきつくて、みんなに避けられていた。
たぶん、直接「くさい」とか「こっち来るな」とか言われてたと思うけど、
私にはいじめっ子グループに入るほどのコミュ力がなかったので、
真相は分からない。
私はただ「Mさんがいるから、私は目をつけられない」と安堵していた。
「私は暗くて地味な子供だから、いじめの標的になり得る」
と自覚していたので、「Mさんがいて助かった」とすら思っていた。
無邪気にMさんをのけ者にする人たちと、私は同じくらい悪い。
大人になってから、「Mさんはネグレクトされてたのかも」と思った。
当時は「なんでお風呂に入らないんだろう」と不思議でしょうがなかったけど、
Mさんは、そういう環境にいる子供だったのかもしれない。
今となっては何も分からないし、
当時に分かってても何も変わらなかったかもしれないし、
どっちにしろ何もできないんだけど、Mさんのことは忘れられない。
Mさんは、私のことなんか覚えてないだろうし、
その頃のことは思い出したくもないかもしれない。
何十年の時間が経って、記憶もぼやけまくって、Mさんの顔も忘れていて、
それでもたぶんこれからも、私はMさんのことを思い出すと思う。
そんな気がする。