秋本番になりました。
おとぎ話にはいくつになっても惹かれます。アンデルセンでも日本の昔話でも、そしてグリム童話にも。
グリム童話は本当は怖いというのがほぼ定説になってきています。
私はグリムのアニメーションを観にいきました。タイトルは「手を亡くした少女」
美しい絵や色で書かれているアニメーションとは少しちがうものでした。
「クリプトキノグラフィー」という手法で書かれています。絵具のタッチで書かれた背景。
人や動物の動きは 毛筆で描かれたようなタッチです。カラフルな色は全くなし。
ローデンバック監督が絵も撮影も全部されたそうです。
流れるような動きで、人の動きの美しさが際立っています。こんなアニメは初めての体験でした。
ストーリーを少し…
貧しさに疲れた父親は悪魔の誘惑に負けて最愛の娘を黄金に代わりに差し出します。
生き延びるために両腕を切り落とされた娘は 家を出てさまよいます。様々な苦労の果てに
娘は不思議な力に導かれて王子に求婚されます。しかし、悪魔はあきらめない。
悪魔と娘の戦いが始まります。いつものグリム童話とは少しちがう味付けで、最後に
娘の選んだ未来とは? ここで、私にも生き方が問われます。
今までのアニメが油絵ならこれは水彩画のような、不思議な感動でした。
国際アニメーション映画祭でも受賞作です。心に残る体験でした。