米とイランの間

1.イスラエルのネタニヤフ首相は6日の治安閣議で、高濃縮ウランをイランから撤去し、同国の核濃縮能力を解体することが「最も重要な目標だ」と述べた。米国とイランが戦闘終結に向けた覚書で合意に近づいていると報じられる中、イスラエルの立場を明確にした。ネタニヤフは「あらゆるシナリオに備えている」とも強調。米イランが合意に至らなかった場合にはイラン攻撃再開も辞さない構えを示した。

 

2.イスラエルは、「自国の生存」のために、イランの核武装を「未来永劫許さない」結末を求めている。それに対し、イラン側も「自国の生存」のために、核武装の道を捨てようとはしない。両国ともに、ミアシャイマー教授の「オフェンシブ・リアリズム」に基づき、動いている。ホルムズ海峡の封鎖を続けることは、イランにとって「自国の生存」の問題なのだ。

 

3.問題はアメリカ、というかトランプ大統領だ。トランプの場合、今回の米中首脳会談や、11月3日の米中間選挙という「スケジュール」が決まっている。スケジュールが限られる中、何とか「アメリカが勝った」という結果を「見せ」なければならない。現状を理解すればするほど、分からなくなる。

 

4.イスラエルはともかく、なぜアメリカは2月28日に「エピック・フューリー(壮絶な怒り)」と称する大規模な軍事作戦(空爆)を開始したのか。イスラエルから押されたからだが、トランプの意図が未だに理解できない。南米のベネゼレ作戦で味をしめたか、イランも簡単に折れると思っていたとしたらAI作戦の失敗だ。