アインシュタインの日本に関する名言

1.近代日本の発達ほど、世界を驚かしたものはない。この驚異的な発展には、他の国と異なる何ものかがなくてはならない。果たせるかなこの国の、三千年の歴史がそれであった。この長い歴史を通して、一系の天皇をいただいているということが、今日の日本をあらせしめたのである。私はこのような尊い国が、世界に一カ所位なくてはならないと考えていた。何故ならば世界の未来は進むだけ進み、その間、幾度か戦いは繰り返されて、最後には戦いに疲れる時がくる。その時、人類はまことの平和を求めて、世界的な盟主を挙げねばならない。

 

2.この世界の盟主なるものは、武力や金力ではなく、凡ゆる国の歴史を抜き越えた、最も古くまた尊い家柄ではなくてはならぬ。世界の文化はアジアに始まって、アジアに帰る。それはアジアの高峰、日本に立ち戻らねばならない。吾々は神に感謝する、吾々に日本という尊い国を、作って置いてくれたことを。

 

3.この言葉は「日本人の愛国心をくすぐる内容」であったため盛んに宣伝され、たびたび引用されており、古いものでは今村均の1956年(昭和31年)の著書『祖国愛』に、また、名越二荒之助の1977年(昭和52年)の著書『新世紀の宝庫・日本』においても存在が確認できる。最近のものでは、2005年(平成17年)の『世界の偉人たちが贈る日本賛辞の至言33撰』で紹介されている。しかし、この文章の出典とされる雑誌『改造』1922年(大正11年)12月号(アインシュタイン特集号)には、該当の文章は存在しない。また、原田実が科学史関連の学会に行ったとき、アインシュタイン研究の専門家にこの話題について尋ねると、決まって「今まで聞いたことがない。初耳だ」という答えが返ってきたという。