,こんばんは。

先週の今頃、父に「帰るね、また明日ね」と言ったのでした。厳密には「明日」は妹が休みなので付き添うと言っていて、私は父の家の片付けをする予定だったので面会に行く予定はなかったのですが。

面会に行っても静かに眠っていることが多くなっていた父がその日は驚くほどしっかりと起きていて、夕方いつもより2-30分遅れた私が病室に入るのを待ち構えていたかのようにリクエストしてくれたコーヒーで口を潤し、特別に許可をもらったビールを不思議とあまりむせることもなく飲み、手を洗おうか、というと頷き、お湯の中でその感触を楽しむように指を動かし、足を洗い、ひげを剃り、シャンプーをして髪を整え、爪を切り…。休む間もないくらいに様々なことを嫌がらずにやらせてくれたのでした。呼吸も落ち着いており、いつもの時間に安心して帰ろうとすると、珍しく、帰るね、と言っても頷いてもくれず明かりを落とした病室でじっと私の顔を見つめる父がせつなくて、言い訳のように「また明日」とその場しのぎに言ったのでした。

さみしそうな、少し怒っているような、何か言いたそうなあの表情はなんだったんだろう。もう一度座って側に行けば話してくれたのかな。お別れの挨拶をしてくれたのかな。

もう1週間経つんだなぁ。
あっと言う間のような、遠い昔のことのような不思議な感じ。

まだまだ、しん、とした悲しさが胸にありつつも父が居たときと同じ日常に戻ってきました。

今日、同じく働きながらひとりで肺がんのお父様を看取った友人に、話していたのですが仕事が終われば、いつも大急ぎで父の元に向かっていたので、今、急いで帰る必要がないことがなんだかさみしくて。スーパーに寄っても、何か父の為になるもの、父の食べられそうなもの、喉を通りそうなものばかり探していたのが癖になり、自分のためだけとなると何も買えずにぐるぐる歩いて(笑)。わかるー!みんなそうなんやろうなーって。

彼女がお父様を亡くされたのは少し前なのですが、やっぱり早く帰ってしまうわーって。

なんか、待ってる気がしちゃうよね。