両京十五日 Ⅰ凶兆 馬 伯庸 マー・ボーヨン  ハヤカワ・ミステリ | エルヴィス・プラス

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ハヤカワ・ミステリ 記念すべき2000点目に

選ばれた小説。両京十五日。

 

先にミステリ・マガジンの特集を読んだのですが

原書からの地図などもありかなり力を入れているの

はわかりました。

が、本当に面白いの?と

半信半疑でした。欧米でもなく最近人気の

北欧ミステリでもないので気になった読んでみました。

物語は1425年、明の皇太子が皇帝の命で

首都北京から南京に到着するところから

始まります。序章は南京の風景の描写から

スタート。

第1章から一気に物語が動き出します。

皇太子の乗った大型船が爆破、

皇太子は生きているのか?

ここから意外な展開が続き皇太子を狙う

敵が南京を支配、彼を助けるのは会った

ばかりの二人の役人と謎の女性医師の三人。

前半は南京城脱出、後半は北京に十五日で

戻らなければならないと知った皇太子らは

船で北京に向かうが北京まで1200キロ以上、

果たして間に合うのか?というのが第1部の内容。

登場人物、場所についてはルビも相当数

入れてあります。中国古典の引用も多く、作者の

古典への造詣の深さも小説に厚みをもたせています。

しおりには時代背景、人物表もあります。

最初はしおりを頼りに読んでいましたが

途中からは気にならなくなります。

ともかくジェットコースター・ストーリーなので

後半は一気に読めます。

次回は第2部を紹介します。