70年代~80年代,オーディオというのは花形産業の一つでした。どこの家電メーカーも自社とは別ブランドで製品を出していました。


・松下→テクニクス

・東芝→オーレックス

・日立→ローディー

・三洋→オットー

・シャープ→オプトニカ


 そこにソニー,ヤマハ,ビクター,オンキヨー,パイオニア,サンスイ,トリオ(ケンウッド),アカイ,ティアック,アイワなどの音響専門系のメーカーが加わり,すごい競争が起こっていました。


 その中で,今でも伝説の名機として残っているものがあります。サンスイの技術者たちを大量に引き抜いて,オーディオ市場に華々しく登場したNECが出した「A-10」というアンプです。


 信じられないくらいいい音がします。やたらに重くて,よく故障するけど,きちんとメンテナンスをしているので,今でも現役でがんばってくれています。


 A-10はⅡ,Ⅲ,Ⅳ,Ⅹとどんどん形を変えてゆきましたが,強力な電源部による安定した出力で,スピーカーの駆動能力が異様に高いことはシリーズに共通した特徴でした。


 私の家には,その派生系である,A-11,下位機種のA-7やA-700,モノラルアンプのM-10など,すべてのバリエーションが揃っています。そんなにたくさんスピーカを置くことはできないので,スピーカーセレクターを逆に使って,アンプを使い分けています。メインのシステムは初代A-10を使っていますが,サブシステムは自作のバックロードフォンという,潜望鏡のようなスピーカーに3台のA-10がつながって,聴く音楽によって使い分けることができるようにしてあります。


 今オーディオ製品はどんどん小型化して,ヘッドホンでi-Podに入れた音楽を聴くというスタイルが主流だと思いますが,やはり,いいシステムは重くて大きいものです。


 CDはさらに音質のよいSACDやDVD-Audioに移行せず,むしろ,CDよりも音質の悪いmp3系の音が主流になりつつあります。


 長い間聞いていても聞き疲れしないというのが,いいオーディオ製品の特徴だと思いますが,私は新幹線で2時間音楽を聞いていることができません。イヤフォンが苦手で,せめてヘッドフォンじゃないと,聞く気がしないのです。


 でかいスピーカーの前に鎮座して音楽を聴くという感覚は,今の若い人にはないんでしょうね。